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平成24年11月定例会(第26号〜第30号)−12月20日-04号

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  1. 滋賀県議会 2012-12-20
    平成24年11月定例会(第26号〜第30号)−12月20日-04号


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    平成24年11月定例会(第26号〜第30号)−12月20日-04号平成24年11月定例会(第26号〜第30号)  平成24年11月滋賀県議会定例会会議録(第29号)                                       平成24年12月20日(木曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第4号                                         平成24年12月20日(木)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第160号から議第202号まで(平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)ほか42件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(45名)    1番   佐  藤  健  司  君   2番   目  片  信  悟  君    3番   有  村  國  俊  君   4番   青  木  甚  浩  君    5番   大  野  和 三 郎  君   6番   岩  佐  弘  明  君    7番   山  本  進  一  君   8番   富  田  博  明  君    9番   山  本     正  君   10番   大  橋  通  伸  君
       11番   駒  井  千  代 さん   12番   冨  波  義  明  君    13番   井  阪  尚  司  君   14番   清  水  鉄  次  君    15番   成  田  政  隆  君   16番   九  里     学  君    17番   柴  田  智 恵 美 さん   18番   江  畑  弥 八 郎  君    19番   今  江  政  彦  君   20番   木  沢  成  人  君    21番   粉  川  清  美 さん   22番   宇  野  太 佳 司  君    23番   細  江  正  人  君   24番   高  木  健  三  君    25番   川  島  隆  二  君   26番   小  寺  裕  雄  君    27番   奥  村  芳  正  君   29番   野  田  藤  雄  君    30番   西  村  久  子 さん   31番   石  田  祐  介  君    33番   山  田  和  廣  君   34番   佐  野  高  典  君    35番   赤  堀  義  次  君   36番   家  森  茂  樹  君    37番   吉  田  清  一  君   38番   辻  村     克  君    39番   三  浦  治  雄  君   40番   蔦  田  恵  子 さん    41番   梅  村     正  君   43番   山  田     実  君    44番   西  川  勝  彦  君   45番   大  井     豊  君    46番   谷     康  彦  君   47番   中  沢  啓  子 さん    48番   沢  田  享  子 さん            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(1名)    32番   宇  賀     武  君            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員              知事              嘉  田  由 紀 子 さん              教育委員会委員長        高  橋  政  之  君              選挙管理委員会委員長代理    中  原  淳  一  君              人事委員会委員長代理      田  中  雅  代 さん              公安委員会委員長代理      宮  川  孝  昭  君              代表監査委員          谷  口  日 出 夫  君              副知事             荒  川     敦  君              知事公室長           東     清  信  君              総合政策部長          西  嶋  栄  治  君              総務部長            北  川  正  雄  君              琵琶湖環境部長         北  村  朋  生  君              健康福祉部長          渡  邉  光  春  君              商工観光労働部長        堺  井     拡  君              農政水産部長          青  木     洋  君              土木交通部長          美 濃 部     博  君              会計管理者           谷  口  孝  男  君              企業庁長            南     史  朗  君              病院事業庁長職務代理者     那  須  安  穂  君              教育長             河  原     恵  君              警察本部長           福  本  茂  伸  君            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員              事務局長            加  藤  誠  一              議事調査課長          丸  尾     勉              議事調査課課長補佐       澤  村  治  男            ──────────────────────────────   午前10時01分 開議 ○議長(佐野高典君) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(佐野高典君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  選挙管理委員会委員長伊藤正明君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員中原淳一君が、また、人事委員会委員長市木重夫君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員田中雅代さんが、また、公安委員会委員長小林徹君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員宮川孝昭君が、それぞれ出席されておりますので、御了承を願います。    ──────────────── ○議長(佐野高典君) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第160号から議第202号まで(平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)ほか42件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(佐野高典君) 日程第1、議第160号から議第202号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を続行いたします。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、41番梅村正君の発言を許します。 ◆41番(梅村正君) (登壇、拍手)皆さんおはようございます。  それでは、早速、通告に従いまして、質問を進めさせていただきます。  その前に、当初、知事への政治姿勢を1項目めに上げておりましたが、最後にさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。  それでは、1点目に、障害ある人の雇用の推進につきまして、健康福祉部長病院事業庁長職務代理者にそれぞれ伺います。  過日、社会福祉法人あすなろ福祉会社会福祉サービス事業あすなろ園を訪れ、浅居茂理事長から多くを学ばせていただきました。ここでは、就労継続支援B型、また生活介護、宿泊型自立支援グループホーム、ケアホームなど、多機能的な支援サービスを実施され、障害のある人の自立を目指し、一般就労への大きな成果を上げられておることに大変驚きました。何よりも、理事長が「人は皆同じ」と、長年にわたり、精神障害者に注がれる一貫した長い期間の熱い思い、そして実行力に、心から敬意を表する次第でございます。これら多くの民間の力をもっと生かすことの大切さを実感をいたしました。  最初に、医療観察病棟での治療と社会参加について、病院事業庁長職務代理者に伺います。  医療観察制度では、指定入院医療機関医療観察病棟)で入院医療の後、保護観察所の社会復帰調整官による生活環境の調整の後、地方裁判所の審判により指定通院医療機関で治療、その後、地域社会において保護観察所や保健所などの援助を受け、裁判所の審判により処遇が終了、一般の精神医療などを受けるというフローになってございます。大切なのは、今までの薬と手厚い病棟生活から、どのように地域社会になじめるのかであり、社会復帰を目指した退院前後の対策が極めて重要と思いますことから伺います。  1点目は、計画の医療観察病棟では、多くの医師や看護師による手厚い入院治療が行われ、施設の内容も幾つもの安全対策が講じられておりますが、治療を終え、病棟から地域へ、いわゆる退院後の対策が極めて重要であります。地域での自立という目標に向かい、当該病棟での治療後の対策について、どのような計画なのかを伺います。  2点目に、社会復帰への最初の対策として、現在の援護寮のような取り組みが重要と思いますが、今後の支援策について伺います。  最後に、健康福祉部長に伺います。  この制度におきましては、退院後の地域社会での自立への支援が極めて重要であります。治療のみでなく、退院後の地域社会への一歩への支援策を県として講じる必要があると思いますが、どうなのか、その見解を伺います。  1項目めと2項目、ちょっと質問の順番が変わりました。申しわけない。 ○議長(佐野高典君) 41番梅村正君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎健康福祉部長(渡邉光春君) (登壇)おはようございます。  退院後の地域社会への一歩への支援策についてでございますが、医療観察法の対象者に対する社会復帰方策を講じていくことは、他の精神障害者への自立支援の質の向上にもつながるものであり、本県の精神保健福祉施策の底上げに資するものとの観点から、対応すべきものと考えております。  医療観察法では、医療観察病棟退院後の地域社会での自立への支援に当たって、原則3年間、最長5年間の通院処遇が終了するまでの間、退院後に居住する地域の保護観察所の社会復帰調整官が主体となってケースワークを行い、処遇を決定する仕組みとなっております。  県としては、退院後、通院処遇が終了するまでの間、自立に向けて、社会復帰調整官の開催するケア会議に保健所が参加し、通院医療や精神保健福祉サービスなどによる援助などの計画作成への参画、社会復帰調整官の要請に応じた福祉サービスの利用調整、家族の相談支援などを行うこととしております。  原則3年間、最長5年間の通院処遇終了後は、保健所による服薬管理や精神障害者の就労支援事業所での作業訓練など、一般の精神保健や障害福祉サービスに移行しますことから、保健医療福祉関係者に対する医療観察制度の理解、社会復帰調整官との連携方策などの研修の実施や自立に向けた事例検討などにより、支援スタッフの専門性の向上を図っていきたいと考えております。  本県では、全国に先駆けて、福祉圏域や市町を単位に地域自立支援協議会が設置され、市町、福祉サービス事業所相談支援事業所、保健所、医療機関などが、一人一人の支援について民間と行政がともに考え、取り組む仕組みが築かれております。この仕組みと支援スタッフの専門性の向上を図る中で、住まいや働く場の確保など、また作業訓練など、地域生活への移行や自立支援を進めてまいります。 ◎病院事業庁長職務代理者(那須安穂君) (登壇)梅村議員の2点の御質問にお答えをいたします。  まず、医療観察病棟での治療後の対策についてでありますが、医療観察制度の目的は、対象者に適切な医療を継続的に確保して、病状の安定と回復を図り、対象者の社会復帰を促進することであります。  このため、保護観察所の社会復帰調整官が中心となりまして、指定入院機関を初めとして、福祉事務所や保健所、市町ならびに精神障害者社会復帰施設などが緊密に連携し、個々の対象者の状況に即して、退院後の処遇の実施計画書を作成することとされております。  退院後は、この実施計画書に基づきまして、保護観察所が主催するケア会議等、こういったところで十分な調整のもと、関係機関や関係施設が緊密な連携をいたしまして、それぞれの援助を行うこととなっております。  医療観察病棟を運営いたします指定入院機関といたしましては、退院後に向け、関係機関等との情報共有など、十分な調整を図ることはもちろんでありますが、対象者に対しまして、医師、看護師等、多職種のチームにより、入院期間中から退院後の社会復帰に向けまして、治療や訓練を行っていくこととしております。その中で、授産施設や生活訓練施設、さらにはグループホームなどの利用について対象者に説明するなど、十分なカンファレンスを行うこととしております。  なお、現在整備を進めております医療観察病棟におきましては、そうした体制を充実すべく、精神保健福祉士を手厚く配置する予定でありまして、専門職が中心となって関係機関と調整を行いまして、退院後の着実な社会復帰を図っていこうとしております。  次に、社会復帰後の対策といたしまして、援護寮などのような取り組みが考えられるかどうかとの御質問についてでありますが、現在、大津保護観察所と滋賀県が共同して、滋賀県医療観察制度運営連絡協議会を設置しております。  この協議会は、指定機関を初めといたしまして、精神障害者の社会復帰を促進するための活動を行っている機関、団体を含めまして、精神医療、保健、福祉の関係機関等で構成されております。この中で医療観察法の対象となる精神障害者の円滑な社会復帰を促進するため、必要な情報交換や諸課題について協議されております。  指定医療機関といたしましては、そうした協議会やケア会議を初めまして、日常からさまざまな機会を通じまして既存の社会資源を十分活用するなど、個々の対象者に状況にふさわしいサービスが提供されるよう、関係機関と緊密な連携を図ってまいりたいと考えております。 ◆41番(梅村正君) (登壇)ありがとうございました。  職務代理者にお願いでございますが、やはり先ほど申し上げましたように、この病棟では相当な手厚い看護等が、治療がなされております。その方々が1年、数カ月後、社会にということでありますので、十分社会になじんでいただけるような体制、これは極めて大事です。そこを徐々に社会の中で自立できるような体制が十分とられますように、十分な配慮をされますように、特にお願いをしておきます。  健康福祉部長にも同様のことをお願いしておきます。  それから、2点目に入ります。  防災・減災対策と琵琶湖の湖底の水煙問題の対応につきまして、知事、そして琵琶湖環境部長に伺います。  ことし2月議会で質問いたしました琵琶湖の湖底の水煙問題につきまして、南海トラフや3連動地震の発生と被害が予測されております今、喫緊の課題でありますことから、改めて伺うものであります。  まず知事に伺いますが、防災、減災の観点からも極めて重要な課題となっていると思いますが、知事はこの問題をどのように認識をされて捉えられておるのでありましょうか。地震との関係がどうなのか、将来の不安を解消するために、明確な答弁を今伺っておきます。  それから、琵琶湖環境部長に伺いますが、さきの議会で提案してより10カ月が経過いたしましたが、どのように今取り組まれているのか、その調査結果について伺います。  次に、原子力災害対策について、知事に伺います。  SPEEDI情報が本県に提供される予算が今議会で計上されております。この情報提供は今日まで要望し続けてきたものであり、やっととの印象であります。このSPEEDI情報は、どのような条件設定で情報提供されるのか。また、その効果的な活用への取り組みと本県の地域防災計画への反映について伺います。
     2点目に、まず、本県で既に実施をし、そして地域防災計画に反映をさせております本県独自の放射性物質拡散予測システムによる影響範囲との比較、極めて重要であります。国からのSPEEDI情報は、いつごろ提供されまして、どのように比較検討をされるのか、その比較結果はどのように地域防災計画に生かしていくのかを伺います。  3点目に、あわせて、昨年12月県議会で提案いたしました琵琶湖と流入河川を特別区域にとの国への訴えは、今回、国からSPEEDI情報の提供によりまして、より強く主張できるものだと考えます。現在、琵琶湖への放射能による影響を把握するために、琵琶湖環境科学研究センターで行っております水質シミュレーションの進捗状況について伺います。  以上、よろしくお願いをいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)皆さんおはようございます。きょうもよろしくお願いいたします。  まず、湖底の水煙問題について、お答えいたします。  これをどう認識し、地震との関係はどうかとの御質問でございます。  湖底の水煙、水の煙が地震と関係していることを示す科学的データあるいは科学的知見は、現在のところ十分ございませんが、仮に地震と関係があるとしても、地震の発生を予知することも、またその発生をとめることもできません。そういう意味では、近い将来の発生が危惧されている南海トラフ巨大地震や、既に認識されております県内の断層と同様に、いつどこでどのような地震が発生してもおかしくないとの認識のもとに、まず耐震化などの対策を進めていくことが重要と考えております。  特に、現在、日本列島が地震頻発時期に入っているということを踏まえますと、県民の皆さんには、いつどこで地震に遭うかもしれないという意識を持って、自分の命は自分で守る自助、地域で助け合う共助の取り組みを進めていただき、県としては、備える公助をしっかりさせていただきたいと思っております。  次に、2点目の、原子力災害対策についての3点の質問のうち、まず1点目の、SPEEDI情報の提供条件と活用について、お答えいたします。  平成23年度に県独自で行いました拡散予測結果から、特に本県に影響が大きくなる気象条件の日を選び、美浜、敦賀、大飯、高浜の各発電所において、それぞれ数ケースを想定し、拡散の予測をしていただくよう、本年3月に国に依頼をしております。  その結果の活用については、得られた計算結果のほか、国が本年10月に行った新たな拡散予測結果も参考にしながら、県独自に昨年行った拡散予測結果と比較、検証した上で、本県における地域防災計画、主にUPZの設定の見直し検討に活用したいと思っております。  次に、2点目の、SPEEDI情報がいつごろ提供され、どのように地域防災計画に生かしていくのかとの御質問でございます。  まず、SPEEDI情報の提供時期については、現在、原子力規制委員会原子力安全技術センターとの間で事務手続を行っていると聞いております。今回補正予算でお願いをしておりますSPEEDIの端末が設置される、おおむね今年度内には提供されるものと期待をしております。  情報提供があれば本県における影響の範囲を推定することができますので、それに基づき、地域防災計画の見直し検討を行うとともに、UPZ──緊急時防護措置を準備する区域、およびPPA──プルーム通過時の被曝を避けるための防護措置を実施する地域における具体的な防護対策を、国へ強く求めていきたいと考えております。  次に、3点目の、琵琶湖の水質シミュレーションの進捗状況に関してでございます。  琵琶湖では、既に窒素やリンといった水質項目を予測、評価するために、琵琶湖流域水物質循環モデルを構築をしてまいりました。今回はこのモデルを改良して、放射性物質の挙動を予測できるよう対応をしております。  この改良モデルで実際の事故を想定した放射性物質の予測を行うためには、放射性物質の種類ごとに、例えば水に溶けやすいのか、あるいは土壌に吸着しやすいのかといった性質や、あるいはプランクトンや魚などの食物連鎖の中に入り込んだときに、いかに生物濃縮が起こるのか。この生物濃縮が一番環境汚染の場合には影響が大きくなってまいりますので、これらの指標が必要であると考えております。  このため、3・11以降、不幸にも起きてしまいました福島の事故、また、25年前のチェルノブイリでの事故に伴って放出された放射性物資の動きに関するデータあるいは文献、また、海外で行われている各種のシミュレーションの実例を収集するとともに、専門家との意見交換を現在重ねております。来年度末を目途に、予測結果をまとめていきたいと考えております。 ◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) (登壇)琵琶湖の湖底の水煙について、どのように取り組んできたか、その調査結果について、お答えいたします。  水煙と地震との関連性などについて、これまで関係部局間において、既存データ等の相互確認を行ったほか、専門家に意見を伺ったところでございます。  その結果、現時点において、水煙が確認された地点付近には大きな活断層はないというのが現在の一般的な考えである、ということを確認したところであります。 ◆41番(梅村正君) (登壇)まず、知事に伺います。  知事には、この水煙について、将来の不安を解消するために明確な答弁を求めましたが、自助、共助、公助とか、そういうお話がございましたけれども、まず、この水煙について、知事はどのように見解を持っていらっしゃるのかという、そのことを改めてお聞きをいたします。  以前の知事の答弁では、そのような調査について琵琶湖環境部に指示を出しますというようなことでございましたので、そのときは相当な関心をお持ちだったと思いますが、この問題について、改めて知事はどのようにお考えいただいているのかということを聞きます。  それから、琵琶湖環境部長にお聞きいたしますが、先ほどの答弁の中で、何ですって、大きな活断層はない、一般的な見解とかいうお話をされましたが、ことしの2月議会で部長答弁は、ちょっと読ませていただきますと、「調査は当然数年前からされておったわけですが、この中で、例えば濁りでありますとか、いわば噴煙といいますか、そういったところが数多くなっているというようなことが今回鮮明に出てきたということで、マスコミ等に報じられた。そこで、逆に申しますと、今回はこういうふうな発災があった後でもございますので、そうしたことも危惧されておりますので、しっかりと調査する必要があるのではないかと、そのように考えています」と、こういうことでございました。  再質問の答弁は、「そのようなことから、専門家の知識、知恵もかりながら、検討会のようなものをさせていただいて、いろいろ原因のほうを調べさせていただきたいと、このように考えております」というふうな答弁でございました。この種の答弁は知事公室長からもいただいておりますが、先ほどの部長の答弁は、このような検討結果のその結論なんでしょうか。改めて聞きます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  この水煙問題については、具体的に最初に発見をした熊谷道雄さん、今、もう県をやめておられますけれども、から「淡探」の研究で出てきたということは詳しく説明を受けております。そういう中で、特に水煙の頻度が高まっているということも伺っております。  ただ、先ほど申し上げましたように、これがどこまで地震と影響しているのかという確実な科学的データはないと専門家からも伺っております。  そういう意味で、実はこの琵琶湖の湖底の水煙は、どうも若狭湾あるいは日本海ともつながっているのではないのかと指摘する京大の研究者もおられます。このあたり、私も一生懸命勉強しながら、ただ、予知、予測できる分野ではないので、いつでもどこでも何が起きても対応できるように、それが私たちの防災危機管理の要諦だろうということを申し上げました。 ◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) お答えいたします。  専門家の御意見を伺った結果、先ほどのような、現時点において水煙が確認された地点付近には大きな活断層はない、ということを確認したところでございます。 ◆41番(梅村正君) (登壇)じゃ、知事と部長に改めて。  今の、特に問題はないということが滋賀県としての結論でよろしいんですか。知事と部長。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  特に問題がないというよりは、いつ地震が起きてもおかしくないくらい、今、日本中が地震頻発期に入っているということで、ただ、この水煙が直接地震の予知を科学的に証明するものという知見は十分得られてないということを申し上げているわけでございます。 ◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) 先ほど知事が答弁申し上げたとおりでございます。 ◆41番(梅村正君) (登壇)部長、答弁がごっつう消極的ですね。  知事、知事は昨年の3月11日の原発事故を受けまして、原子力の問題は相当踏み込んで、明確におっしゃっております。この水煙問題につきましては、現に事実としてそういうものがあるという。これは、ある意味ではもっと至近距離的な課題だと思っておりますが、これについて、以前の議会では検討会を持ちますというふうに言われながら、先ほどの部長の答弁、また知事答弁では科学的知見がないと。科学的知見がないから、専門家による検討会を持ってやるということじゃなかったんですか。  ですから私は、これ、ずるずる引っ張る話じゃないと思うんですよ。問題なければないで結構なんです。だから、将来のために問題が起こったら困るから、どうなんですかと聞いているわけですから、もう少し明確に、もう1年近くたつわけですから、知事も部長も明確に答弁していただきたい。検討会を持たれたんですか、持ってないんですか。公的な確認なんですか。知事と部長に改めて。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  先ほど具体的なお名前を申し上げましたが、熊谷道夫元環境科学研究センターの総括研究員から情報をいただきながら、私のほうも、先ほどのような形で、地中深く若狭なり日本海につながっている、そういう断層から出ているかもしれないということの情報は伺っておりますが、それ以上の知見を今のところは得ておりません。  ただ、具体的に申し上げますと、いつ地震が起きるかわからないという状態の中で、行政としては備えなければいけないということを申し上げております。(「だから、どういうふうに備えるんですかと聞いてるんです。知事がおっしゃるような、どう備えるんですか」)お答えいたします。それはもう、地震は起きて、とめることは人間の力では不可能ですので、起きたときにどうするかということで、まさに地震防災計画をつくりながら、命、そして財産を守るための仕組みを、地震防災計画のほうで出させていただいております。 ◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) お答えいたします。  検討会については開いてございません。  そして、問題があるかないかということを判断する科学的知見が現在の科学ではないということでございます。  地震の予知というのが非常に困難であることは、阪神・淡路、それから東日本大震災、また、先般12月7日にマグニチュード7.4の余震がございました。ここ数年に余震があるということがわかっていても、やはり12月7日の余震は予知できませんでした。  そして、国レベルの非常に高いレベルにおいても、地震の予知というのが非常に困難であるということが現代科学の現状でございまして、その中において、都道府県レベルにおいて水煙と地震の関係、また、そこから地震の予知ということについて研究していくということは、正直、ちょっと荷が重過ぎるといいますか、県として期待される行政課題としてはちょっと領域を超えているというふうに認識しております。 ◆41番(梅村正君) (登壇)ということは、まず、知事が予知ができない、部長も予知ができない。予知ができない災害ですけど、そういう現象がこういう水煙としてあるじゃないですかと言うてるわけですわ。だから、これが地震に結びつくか結びつかないか、それはわかりませんよ。だからそれを、科学的知見がないからもうお手上げですという今の部長の話ですけども、ということは、そういうことが現象が起こっているのに何も対応しないということになるじゃないですか。これ、国のほうに相談されたんですか。検討会を持っていないと言うけれども、なぜ検討会を持たれないんですか。その必要性はないという判断なんですか。ちょっと部長に。 ◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) 現時点では必要性はないという判断でございます。 ◆41番(梅村正君) (登壇)じゃ、知事にあれですけど、今、部長がその調査する必要はないということですが、それは県としての見解だと、知事もそういうふうな思いであるということでよろしいですね。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  県としては、地震の原因究明あるいは地震予知というところに対しての問題以上にエネルギーを注ぐべきは、いつ起きても命と財産を守れるという防災対策が何よりも大事だと思っております。しかし一方で、事、琵琶湖のことですから、ここは少しお時間をいただいて、検討をさせていただきたいと思います。 ◆41番(梅村正君) (登壇)じゃ、知事がおっしゃった、もう少し検討するという、結構でございます。部長と全然意見が合わないということ、私は問題だと思います。そこは改めていただきますように早急に検討していただいて、結論を出していただきたいと。  その次に、知事の政治姿勢と平成25年度予算編成方針について伺います。知事に伺います。  衆院選公示1週間前の11月27日、知事が党首となられての新党を結成され、嘉田知事の「知事はやめない」、また「党首と兼職する」という発言と態度に、県民の皆さんからは、理解できない、知事職はそんなことができる余裕があるのか、また、私たち県民をどう考えているのかなど、疑問や批判の多くの声を聞きました。  まず1点目ですが、知事と党首との兼職、いわゆる二足のわらじ問題について伺います。  1点目は、兼職について県民から多くの意見が寄せられているとのことでございましたが、賛成、反対の件数割合はどのようになっておりますか。また、知事はどのように感じておられますか。  2点目に、知事は11月29日の開会日の全員協議会の席上、「政務は土曜日、日曜日、また平日夜間で行う。兼職によって県政運営に支障は出さない」と、全議員の前でみずから公表、約束をされましたが、職員に職務専念義務や公務員の政治的中立性を求められる立場の知事は、今もその考えなのでしょうか。  また、開会日より本日まで22日が経過いたしましたが、この間、公務に当たられた日数や時間、職員や県民の方々と知事との面談、協議回数など、1年前と比較してどのように変化したのでしょうか。また、それは県民第一の日々であったと、このように知事は思われているのかどうかを伺います。  3点目に、知事は、「時間的、物理的に制約がある中で両立させる」と断言されましたが、メールでやりとり云々などの答弁を聞いておりましても、極めて無理がある。結局、県民中心の県政にならないのではないかということを危惧いたしますが、その件について、知事はどのようにお考えでしょうか。  大きな2点目に、党首は、いわゆる国政政党の党首は、政権を目指し、そしてまた首相を目指すものでありまして、党首として知事を兼務するということは大変無理があると私は思っておりますが、党首となられ、日本経済や外交、防衛を初めとして、世界の中の日本を考えなければならないと思います。日本の安定と発展のために幾ら時間があっても足らないと思いますが、また、知事という職も、142万人県民の安心のためにどれほど努力し尽くしても、十分というまでにはいかないと思います。  知事はこの2つの重責を、物理的に制限があるが、メールなどを活用して努力すると強弁されておりますが、知事自身の目で現場や現状を確認せずに判断できないのではないか、二足のわらじ、いわゆる両立は不可能。知事に専念され、県民に尽くすべきと、このように私は思いますが、知事の見解をお伺いをいたします。  また3点目に、危機管理の対応についてです。  今月、9人の方々がとうとい命を亡くされました中央道の笹子トンネル天井崩落事故の発生、また、北朝鮮のミサイル発射問題など発生いたしましたが、不安を感じておられる県民のことを、どのように知事は思われましたか。  3月11日は人災と指摘されておりますが、例えば、大震災が発生したときの知事はどのように行動されるのか、伺うものであります。  4点目に、12月11日の新聞では、12月9日に記者団に対しまして、公務の影響について聞かれたそうであります。知事はその際に、県民と関西の命運をかけるためにやっているのだから、小さいところにこだわるのは得策ではないと声を荒らげたとの報道に驚きました。知事が言われるこの「小さいところ」とはどういう意味かをお聞きいたします。  5点目に、平成25年度予算編成について、知事に伺います。  1点目は、公明党は、防災・減災ニューディール政策を公表し、経済・雇用対策、防災対策などに資する対策として発表いたしました。知事はこれに対し、12月10日のマスコミ報道では、公明党は防災・減災に100兆円、自民党は200兆円の国土強靱化と言っている、今はそんな時代ではない、新しい道路をつくっても鹿と猪が通るだけだとの趣旨の発言をされている報道内容でありましたが、明らかに間違いであり、決してそのようなものではありません。改めて正しく理解をしていただくとともに、この政策に対する見解を伺います。  2点目に、新年度予算の編成は、今回の総選挙で、県民の皆さんの声は喫緊の課題である防災・減災対策、景気や経済対策、そして今と将来の社会保障や教育問題などに期待されておりましたが、新年度予算、どのように取り組まれるのか伺います。  3点目に、今ほど知事と市町長との連携の重要性が求められているときはありません。県民生活の現状に思いをいたすときに、一体感が感じられない現在のこの状況は、その関係の損失は県政への不信の増大など、はかり知れないものと思います。ぜひこのような関係を改め、新年度は一体感が感じられる特段の取り組みを願いますが、知事、どのように取り組まれるのか伺います。 ◎知事(嘉田由紀子さん) 知事の政治姿勢と平成25年度予算編成方針について、大きく5点、また細問が細部にございますが、お答えさせていただきます。細問というのは細かい部分ですね。一つずつ順番で、答弁漏れのないようにさせていただきます。  まず、1点目の、兼職についての県民の意見でございますが、電子メールやファクスなどで県に寄せられた新党関係の知事への手紙は、新党立ち上げの報道がされた11月26日から12月17日までで740件であります。このうち、新党立ち上げを支持、応援する手紙が203件、27%で、知事と新党の党首をかけ持ちすることを批判する手紙が174件、24%でした。残り49%は、主に、いわばさまざまな人の批判ということでございました。  なお、電話については、11月27日から12月17日までに、広報課で557件受け付けましたが、賛否の分類はしておりません。  次、2の1、政務は土日、時間外で行うことについてですが、今も考えは変わりありません。党務については基本的にインターネット等を活用することとし、東京に頻繁に行くことは想定をしておりません。  次に、2の2の、開会日から22日が経過しましたが、この間、公務に当たった日数や時間、職員や県民の方々と知事との面談・協議回数など、昨年との比較でございます。  日数は、昨年は今回のように議会の休日というものもございませんでしたので、フルに公務が入っておりまして、21日でありました。ことしは11日であります。時間は、昨年が166時間であったのに対し、ことしは73時間。面談・協議回数は、昨年が117回であったのに対し、63回となっております。しかし、必要な公務はしっかり対応するとともに、これまでと同様、副知事や部局長も含め、県の組織で対応してまいりました。  また、2の3ですが、それは県民第一の日々であったと思われるかどうかです。  私自身、いっときたりとも県民への思いを忘れることはございません。県民第一の思いは一貫して変わらず、滋賀県を離れている間も、必要な報告を受け指示を出すなどしており、この間、大きな支障はなかったと考えております。  大きな3問目の県民中心の県政にならないのではないのかとの御質問ですが、県民が直面する課題を国政の課題として解決することも、県民の負託を受けた知事の責務にもなり得ると考えております。地方からの声を国政に届け、地方から国政を変えていくことも、県民中心の県政の実現の一助となるものと考えております。もちろん国会議員の皆さん、多くの国会をつないでいただく皆さんとの協力は大前提でございます。こうした思いを県民の皆さんに十分に説明し、御理解を得てまいりたいと考えておりました。  次に、大きな2問目で、知事の目で現場や現状を確認せずに判断できないのではないのかとのことでございます。  まず、私の研究者としての1970代以来の30数年のキャリア、また政治家としての2006年以降6年間のキャリア、そして思いの原点は滋賀県にあります。軸足はあくまでも滋賀県の暮らしと琵琶湖の自然、そして人々の未来の幸福にございます。  県政においては組織としての対応を行っておりますが、現場や現状について各担当部局から適時適切な報告を受けて判断をしているところですが、例えば、先月、急遽、犬上川河畔林のタブノキ伐採現場などは、すぐに、日曜の早朝でしたけど、確認を行いました。必要なときには私自身現場へ出向いておりまして、今後も同様に対応していきたいと考えております。  なお、党務については基本的に電話や電子メールを活用し、東京に赴いて党務を行うことは限定的なものとする所存でございます。  一方、昨日までの県議会での御意見、御批判、また県民の皆さんからお寄せいただいている御意見、御批判も踏まえ、私としては今後とも党首の職を兼ねていきたいと考えておりますが、今後のことについては改めて熟慮したいと考えております。  次に、大きな3問目の1点目ですが、中央道の笹子トンネル天井崩落事故や北朝鮮の衛星の発射問題など発生しましたが、不安に感じておられる県民のことをどのように思っていたかでございます。  私自身、どこにいても、国内、国外かかわらず、県民の暮らしの安全、安心を常に心にかけて行動しております。県民の皆さんの不安を取り除くため、知事としてできることを最善を尽くしております。今後とも緊張感を持って知事の職責を果たしていきたいと考えております。  次に、3問目の2点目、大災害が発生したときの知事はどのように行動されるかでございますが、大災害の場合には、県の地域防災計画に基づきまして災害対策本部を設置し、災害予防や災害応急対策を実施することとなります。知事はその本部長として対策本部を総括し、何よりも県民の命を守るというところで、職員を指揮、監督をしてまいります。  次に、大きな4問目、公務への影響について聞かれた際の、小さいところにこだわるのは得策ではないとの発言に対して、小さいところとはどういうことかとの御質問でございます。  具体的には、私が大きいところと発言しましたのは、14基の原子力発電所を抱える若狭湾に隣接して暮らす滋賀県民、また、わずか30キロの距離にある琵琶湖を命の水源とする近畿1,450万人の皆さんにとっては、原発政策は命とまさに関西の命運にかかわる大問題であると認識をしております。これらの思いを国政の場に届けるため、選挙期間中は県庁を離れることもありましたが、そのことについて御理解をいただきたいという意味でございます。今後とも、基本的には公務を優先して、知事の職責を果たしてまいりたいと考えております。  次に、大きな5問目の1点目ですが、平成25年度予算編成についての3点の質問のうち、まず1点目の、防災・減災ニューディール政策についての御質問にお答えします。  6月県議会でも答弁をいたしましたように、橋梁、道路、上下水道、河川、港湾施設などの社会資本は、国民生活や産業活動の基盤であることはもとより、災害時には命を守る公共施設として、重要な役割を果たすものと認識しております。  しかし、現在、それらの多くは高度経済成長期に集中的に整備されたものであることから、老朽化に伴う強度・機能の低下が懸念されております。このため、防災・減災の面から、施設の修繕、改修を含め、公助による防災機能の向上に継続的に取り組む必要があると考えておりまして、防災・減災ニューディール政策そのものも、そのような観点で大変重要な政策であると認識をしております。  次に、2点目の今回の総選挙での県民の声でありますが、防災・減災対策、景気対策、いじめ対策等については喫緊の課題でもあることから、平成25年度に向けた施策構築の場でも議論をし、来年度予算へ適切に反映できるようしていきたいと考えております。  具体的には、県民の皆さんの声を受けてつくりました基本構想に掲げる「滋賀の未来成長産業」や「みんなで命と暮らしを守る安全・安心」など、8つの重点テーマについて重点化特別枠を設定し、重点テーマに沿った具体的な施策を着実に推進することとしております。とりわけ、いじめ対策や中小企業活性化対策など、県民の不安を安心に変えるような施策にも力を入れたいと考えております。  今後の税収動向や地方財政対策の状況等を踏まえながら、必要な施策については、しっかり新年度予算案に盛り込んでいきたいと考えております。  次に、3点目の市町との関係を改めて、より一体感が感じられる特段の取り組みをするべしとの御意見でございます。  県と市町は、滋賀の自治を担う対等のパートナーでございます。緊密に連携を図り、一体感を持って各種の施策を進めることが重要であると認識をしております。各市町や市長会、町村会からの要望については、市長さん、町長さんから地域の生の声を私自身直接お聞きする大切な場であります。  来年度予算に向けた要望については、十分に時間をかけ、できるだけ丁寧に既にお話を伺っております。ときには私からも提案をさせていただきながら、双方向の対話に努めているところでありまして、これらによりいただいた意見を十分に踏まえながら、来年度予算編成を進めてまいりたいと考えております。  また、県と市町が対等な立場で議論する仕組みとして、平成20年度に滋賀県市町対話システムを設け、中でも、首長同士による自治創造会議については年4回開催し、活発な議論を行っております。
     来年度からの取り組みとして、市町に影響を与える施策については、今までより早い段階から市町の意見を伺い、丁寧に対話を積み重ね、県と市町が一体感を持って施策を推進できるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆41番(梅村正君) (登壇)知事、最初に、多くの県民からの意見ですが、相当な、いわゆる知事に対するいかがなものかというような意見があったということでございますが、ぜひ県民のそういう意見に十分意を尽くしていただきたいと、お願いをしておきます。  それから、その次に、申し上げました、知事が土日、平日の夜間という、兼職の話で、政務時間の話ですけども、いわゆる職員に職務専念義務とかということを当然求められるわけでありますけども、地方公務員法の30条、服務の根本基準、「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、かつ、職務の遂行に当たっては、全力を挙げてこれに専念しなければならない」。同35条、職務に専念する義務、「職員は、法律または条例に特別の定めがある場合を除くほか、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職務遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない」と定めてございます。  この地公法のこの内容につきましては特別職の知事には適用されておりませんが、知事が職員さんに求められるその服務義務、また、その専念義務、このことをお求めになるわけでありますが、求められる知事がいわゆる知事と党首をされる。このことは、例えば職員が見られたときに、懸命にその職務に当たっておられる職員は、自分の知事という上司の方がそのような二足のわらじを履いていらっしゃるということについて、その意欲、また士気が低下するのではないかと思いますが、このことについて、知事はどのように思っておられるのかを伺います。  もう一つは、今の項目で申し上げますと、知事は、いわゆる兼職に支障はないということでございましたが、知事のお考え方は、例えば時間的、物理的に制約ある中で両立させると言われておりました。その中で、例えばメールでやりとり等のことで支障がないというふうなことなんでしょうけれども、メールとかそういうものを持ち出すこと自体、無理だということを示しているんじゃないでしょうか。違います。  知事というのは、142万県民の命と暮らしを守らなきゃならない。それは土曜日、日曜日も何もない。とにかく現場で悩んでおられる一人のその県民の皆さんに最大の力を注ぐというのが、これは昼も夜もございません。これは議員も同じだと思います。市長さんだって同じです。そのような重責であると。一方、党首というのも、先ほど言ったそういうふうに重責であると。そういう重責の間をメールでやりとりということ自体が、持ち出されること自体が、いわゆる兼職は無理だというふうなことを示しているんじゃないかと。そういうことでその2つの重責が全うできるというふうな職責ではないのではないかと思いますが、私は、それはどう聞いてもわかりません。  結局、それは県益を損ねることになるのではないかと。知事がおっしゃる、県民中心の県政とおっしゃいますけども、結局、それは県民中心ではなくて、知事がみずからの意向というか、知事の考え方を優先されたそういうふうな行動ではないのかということで、私はそのような二足のわらじというのは極めて残念でございますし、ぜひ、142万人県民の命と生活を守る知事として、自分がみずから現地へ重ねてその足を運んでいただきながら、その肌身で感じる県民の呼吸というのを感じながら県政に当たっていただきたいと。これ、時間なんか制限ないと思います。幾らあっても足らないと思います。ぜひ多くのそういう県民の皆さん方のその思いを肌身で感じていただきたいという意味で、改めて兼職についての見解を伺います。  それから、党首が世界の中の日本を考えなきゃならないというふうに申し上げました。兼職等について、これは北海道大学の山崎教授、地方自治の山崎教授の言葉です。兼職についてです。「首長は、強力なリーダーシップが求められているが、地元に不在だと、期待される仕事がおろそかになると懸念をします。首長は、本来、議会答弁や利害関係者との調整、危機管理能力など、非常に多くの仕事を抱えているからで、首長と国政政党幹部の兼職に疑問を呈する」というふうな意見です。  また、名城大学の行政学の教授は、「地元住民は、自分たちの地域のために尽くしてくれる人を首長に選んでいる」と指摘をし、選挙活動に従事している間は首長としての責務を果たしていないという反発が生まれるのはやむを得ないとして、住民監査請求に一定の理解を示したという記述がございます。これは兼職は大変難しいというふうな疑問を呈していらっしゃるということでございますが、ということと、(資料掲示)それから、これは知事のマニフェストです。「もったいないプラス+」の知事のマニフェスト、これをちょっと見させていただきました。2010です。ここに知事が県民に約束されていることがございます。それは、「住民に近い自治体だからこそ、効果的な施策が実行できます」と、こういうふうに大きく書かれております。  その中の内容でございますが、「国も自治体も財政的に厳しいときだからこそ、できるだけ住民に近い自治体が、責任を持って効果が上がる政策を進めなければなりません。これまでの無駄な二重行政を解消するためにも、国の出先機関の原則廃止や」云々ということが書かれ、「地方主権改革を自治体の立場から積極的に進めてまいります」、このことを私は全協のときでも言うてたのです。  知事が掲げていらっしゃる県民との約束、いわゆる住民に近い自治体、滋賀県から効果的な施策を実行する、そしてそのことが地方主権改革を推進していくんだという県民の約束です。このことを実行しようと思ったら、あれもこれもという、いわゆる二足のわらじを履いていてはできないと私は思います。だから、24時間365日、土曜日も日曜日もございません。県民のために心を砕いていく、また誠心誠意尽くしていくという、一人の人を守っていくという、そういうふうな知事の姿こそ、このマニフェストを県民の皆さんに実行するという形でお示しできるのではないかと思いますが、このマニフェストに書かれている内容と、知事の今おっしゃっている兼職等についての見解を改めて伺います。  それから、防災・減災ニューディールについて触れておきたいと思います。  知事は今の御答弁で、そういうふうに大事だという話がありました。ことしの6月、粉川議員が防災・減災ニューディールについて知事に所見を伺いました。このときに知事は、国民生活や産業活動の基盤であることはもとより、災害時にいわば命を守る公共施設として、極めて重要な役割を果たすものと認識をしていると、こういうふうな、まず社会基盤の重要性を認識をされて、計画的な修繕や改修を進めることは極めて重要だと、こういうふうな、いわゆる肯定的な話がございました。これは6月です。  で、後、12月、いわゆる党首になられての発言です。12月の10日、朝日新聞のデジタル版の、先日も紹介がありました。ここでは、「公明党は防災・減災に100兆円入れる、自民党は200兆円の国土強靱化と言っている。今はそんな時代ではない。新しい道路をつくっても鹿と猪が通るだけだ」と。これは12月10日の報道記事。  それから、さらに12月18日。この12月18日に述べられたのが19日に載ってございます。知事の発言です。「民主党のコンクリートから人へという教育、雇用を重点にした県政運営が、また人からコンクリートへと戻りそうな気配。人を大切にしなかったら、ますます日本は国力が失われる」と牽制した。これは否定です。で、きのうの粉川議員の社会資本の整備についての知事の答弁は、社会資本の整備、維持管理に当たり、命を守る防災・減災対策の視点は非常に重要だと、肯定をされました。  6月に肯定をされ、そしてその後、12月、2回で否定をされ、そして昨日は肯定され、今も肯定をされたと。この知事の、防災・減災対策という公明党が進めておりますこのニューディールについて、知事の見解はどのような見解なのかと。  (資料掲示)これは公明党が国会に出した、防災・減災ニューディール推進基本法案というのがございます。これ、知事、御存じなのかどうかちょっとわかりませんけど、この法案は6章56条からなっているものでございまして、第1章の第1条の目的、総則の目的の中にはこのように書かれてございます。  「この法律は、大規模な地震、豪雨、その他の大規模かつ異常な自然現象により生じる被害に対処する必要性に鑑み、防災・減災体制再構築の推進に関して基本理念を定め、国および地方公共団体の責務を明らかにして、ならびに防災・減災総点検、防災・減災体制再構築推進基本計画、その他防災・減災体制再構築の推進に関する施策の基本となる条項を定めます」。こういうふうなことで、国民の命、身体および財産ならびに国土を保護し、あわせて、国民経済の発展に資することを目的とする第1条の内容です。  公明党が申し上げております防災・減災ニューディールは、こういう中身なんです。これが56条まで書かれて、既に国会、こういうふうな解散になりましたから廃案になっておりますけれども、趣旨はこういうことで提案しております。  ということから、知事がおっしゃっております、鹿とか猪が通るだけだと、このような評価をされるのはどこにあるのかということをぜひお聞きをしたいと。正しく情報を流してもらいたい。  もう1点。(資料掲示)知事、これ、知事の新しい総選挙に向かわれました知事の未来の党の重点政策です。ここには何回読んでも防災・減災というようなことが出てまいりません。ここでは、原発のない再生可能エネルギー社会へとか、また、安全、安心を実感できる社会へという項目はございますが、この中に、公明党が言うております、また自民党の皆さんがおっしゃっている、こういうふうな社会資本整備等々の文字がございませんが、この件について、知事はどういうふうに我が党には批判をされ、自分の党には重点政策にも文字がないということについての、これはきょうは知事として聞くわけでありますけど、所見を伺います。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  まず1点目の、県民の皆さんの意見740件のうち、応援の手紙27%、批判する手紙24という、このような意見をしっかり踏まえるようにということでございます。それについては、県民の皆さんの意見、真摯に受けとめていきたいと思っております。  次に、2点目の、公務員としての職務専念義務と政治活動の関係でございますけれども、知事は、ほかの市長、町長含めて、首長は政治活動を禁止されているわけではなく、逆に、例えば昭和33年の最高裁の判例では、政治活動を進めることで、より一層地域の貢献ができるというような判断もいただいております。  しかし、議員の御指摘のように、知事が県政をおろそかにしているように見えることは職員の士気にかかわりますので、ここについては、職員にしっかりとその意味と意義について伝えてまいったところでございます。  次に、大きな3点目の、常に知事としての重責を自覚をし、県民第一の日々であったのかということでございますけれども、これまで申し上げましたように、24時間365日、本当に知事としての自覚のもとに県民益を、いわば県民の利益を全うするために働いてきたわけでございます。  そういう意味で、誤解のないようにしていただきたいということがございますが、4点目に、県民益を実現するためには、現場に足を運ばなければということでございます。もちろん、私一人が全て現場に動けるわけではなく、3,200人の職員が現場を預かりながら、必要なときにはできる限り現場に行くということで、これまでも現場主義を貫いてまいりました。  また、5点目ですが、兼職は地元に不在とならないかということでございますが、インターネットの活用そのものが問題だということですけれども、一人の人間、365日、全ての場所にいられるわけではございませんので、こういう情報システムについて活用することは、決して後ろ向きの問題ではないと思っております。  それから、6点目の、2010年のマニフェストとの関係でございます。住民に近い自治体こそが効果的な施策をつくれると、そして国の地域主権改革を進めるために、知事として、また自治体の首長として覚悟を欠いているというところでございますが、今回、二足のわらじと言っているのは、まさに国のほうが全てを決めてきて、それこそ地方に自主性がない、そこをしっかり地方の経験を国に伝える。もちろん国会議員の皆さんも頑張っていただいているわけですけれども、首長経験者として国に伝える、そして国政に反映させる、その回路をつくろうというものでございますので、決して地方自治をおろそかにするものではなく、自治を活性化させようという、そういう思いでございます。  そのような中で、しかし、先ほど申し上げました県議会での御意見も踏まえ、軸足はあくまでも滋賀県でございます。今後とも党首の職も兼ねていきたいと考えておりますが、皆さんの御意見を踏まえまして、今後のことについては、改めて熟慮したいと申し上げるところでございます。  また、7点目の、減災・防災ニューディールでございます。  防災・減災ニューディールについては、高度経済成長期の社会資本が大変老朽化している中で、私は一貫して必要だと申し上げております。朝日新聞の記事が両方を必要性が低いというふうに書いているとしたら、私のほうは、防災・減災については必要性が高いということは一貫して申し上げております。  そういう中で、国土強靱化200兆円というのは、必要性の低い社会資本整備を行わないという趣旨で発言したものでございまして、これは2006年のもったいないマニフェストから一貫して、私自身、必要性の低い公共事業については慎重でありたいと。そこで、人への投資、教育あるいは雇用、そういうところこそが今後の、今、大きく日本が求めているところではないかということを発言をしてきております。そのためにも、災害時には命を守るというところで、防災・減災についてはその重要性は一貫して指摘をしております。  8点目の、日本未来の党の6つの大きな項目の中に、安全、安心、防災が明示されていないということでございますが、暮らし安心のところに含んでおりますけれども、そこの明示されていないということについては、また党の政策として、今後、より一層反映できるようにしていきたいと思います。 ◆41番(梅村正君) (登壇)知事、最後でございますが、いわゆる兼職、また知事の動向については、さまざま意見があるから今後熟慮し考えたいということですが、もう少し知事の思いをわかりやすい言葉で述べていただければと思います。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  先ほどの県民からの批判、また昨日の県議会での皆様の御意見、御批判を踏まえまして、今後のことについては、改めて熟慮したいと考えております。 ◆41番(梅村正君) 終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(佐野高典君) 以上で、41番梅村正君の質問を終了いたします。  次に、40番蔦田恵子さんの発言を許します。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇、拍手)おはようございます。  知事が党代表を兼務することによって危惧する点について、政治姿勢も含めて、これまでの質問と重ならないように努力しながら、私なりの観点で質問をさせていただきます。一問一答形式で、全て知事に質問させていただきます。よろしくお願いいたします。  衆議院選挙が終わって、結果は自民党の圧勝の一方、日本維新の会が大幅に議席をふやし、みんなの党も少しだけ弾みをつけさせていただきました。民主党にはっきりノーを突きつけ、自民党に安定感を国民が求めた一方、改革を全面に打ち出す維新の会やみんなの党に対する期待感もあらわれる結果となりました。  このような中、公示ぎりぎりに駆け込みでできた未来の党は、党代表を務める知事御自身も納得できる結果が出たとは到底思えません。これだけ惨敗という結果となりますと、野田民主党党首のように、責任をとって代表が辞任するというケースが多いように思うんですけれども、知事はどうなんでしょうか。このまま知事と代表を兼務されるおつもりであると、きのう、質問に対しての御答弁ではきっぱり言い切っていらっしゃったのが、今、梅村議員に対する答弁を聞いておりましたら、熟慮するというふうに表現が変わってきております。これは、兼務をするということについて、少しトーンダウンしたと受けとめてよろしいんでしょうか。まずはこのことからお伺いします。 ○議長(佐野高典君) 40番蔦田恵子さんの質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)お答えさせていただきます。  先ほどもお答えしましたように、私としては今後とも党首の職務を兼ねていきたいと考えておりますが、昨日までの県議会での御意見、御批判、また県民の皆様からお寄せいただいている御意見、御批判も踏まえ、今後のことについては、改めて熟慮したいと考えております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)重ねてお伺いしますけれども、では、知事と党の代表を兼務しない可能性もあるということですか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  改めて熟慮ということは、熟慮そのものでございます。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)知事御自身は熟慮されるということですけれども、では、この未来の党の党内部からの意見というのは上がってきてないんでしょうか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  そういうことも伺いながら、熟慮したいと思っております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)選挙後、未来の党の議員さんたち、あるいは党の関係者の人たちと、話をされる場は持たれたんでしょうか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  党内のことについてここで述べるのは不適切だと思いますので、コメントを控えさせていただきます。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)私の兼務について危惧する点についてかかわる質問ですので、よろしくお願いします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) この県議会の皆さんのお許しが得られるなら、発言をしてもいいということならば、もちろん党の関係者とは相談をしております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)そこで、今回の選挙の結果を受けて、党代表を辞任すべきだという声、あるいは逆に、知事と党代表を兼務することを了とせずに、知事をやめて党代表に全うすべきだと、仕事を専任すべきだというような声などは上がってきてないかということ、お聞きします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  いずれの声も直接私のところには上がってきておりません。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)では、きのうから、兼務をやっていくんだ、両方私はやっていくんだとおっしゃっているのは、知事御自身の考えにすぎないということですか、党の内部からの声は全く関係なく。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  いずれのと言ったのも、責任をとるべしという話、御質問でしたね。責任をとるべし、やめるべしということも、また、知事をやめて党主に専念するべきという、いずれも私の耳には届いておりません。党首を続けてほしいという声が届いております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)ですので、それは党全体としての声なんですか。1人の方の声なんですか。それはどう受けとめればいいんでしょうか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  そこまで党の内部のことを申し上げる場であるのかどうかわかりませんが、党の重要な人たちから、党首を、今回はかなり負けたけれども、続けてほしいということは要望を受けて、そして今に至っているわけでございます。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)そもそも党の実態とはどうなんだろうかというところから私は疑問を持っておりまして、選挙前に重要な政策、発表されました。公示まで時間がないところで、ぎりぎりのときに新党を結成されて、どれだけ重要項目を政策するのに当たって協議をされたんでしょうか。どれぐらいの時間、日数をかけられたんでしょうか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  私自身は、政策について10月、11月くらいからしっかりと見ておりましたので、一日二日でどうこうということではございません。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)では、今おっしゃったときから準備は始まっていたということですか。発表は1週間前でしたけれども。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  特に原子力の問題については、私自身は専門家の皆さんと話をしながら、一番重要な卒原発プログラムなどについてはしっかりと事前に、また、並行して県政ともかかわっておりますので、政策の中身については詰めておりました。それが直接国政に行くか行かないかというところの決断は、最終段階でございます。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)私は、党の政策、重点項目を決めるに当たってどれだけ協議をされたのかということを伺って、そして、10月とおっしゃったんですか、それから考えていたというような、準備を始めていたとおっしゃったので、では、新党の結成はそのときからもう準備を始めていたのかということをお伺いしたんです。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  新党の結成というのは直前でございますけれども、国の政策としてどういうのが必要かと。特に県政とのかかわりなどについては10月、11月。特に、先ほど申し上げました原子力政策については、これまでもさまざま、県でできないのが原子力政策ですから、国政の原子力政策について勉強しながら、専門家の皆さんとも話し合いはしておりました。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)何か質問と答弁がすれ違っているような気がします。私、なぜ今しつこくお伺いしたかというと、余りにも突然だったので、県民は戸惑ったんです。私もびっくりしました。戸惑いました。対話と共感を旨とする知事でいらっしゃいますので、特に今回の御自身の行動について、反省すべき点はございませんか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  県民の皆さんの中に戸惑いがあり、そして、昨日もさまざま御意見を伺いましたけれども、また知事への手紙でも直接届いておりますが、戸惑いがあった、そして説明が不足していたというところはおわびをし、さまざまな場面で、なぜ国政だったのか、特に琵琶湖、それと原子力発電所のリスクの問題などについて、説明を折に触れてさせていただいております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)きのうから、説明がおくれて報道が先行したことをおわびするということをおっしゃっているんですけれども、おわびをされても、その本当のおわびの気持ちが伝わってこないんです。  それはなぜかなということを考えたんですけれども、例えば、お皿を持って、手が滑って落としてしまった。それは、ごめんなさい、謝ったら済むと思います。でも、初めからお皿を割るつもりで割ってごめんなさいでは、なかなか許してもらえないと思うんです。私は、知事の今回の行動は後者だと思うんです。初めから県民に説明することもなく、説明をしてないんだから、理解されるわけがありませんよね。県民の理解も納得もなくスタートされたんですよ。知事がされて、それで結局、説明不足でしたと。後になって謝られても、それはなかなか受け入れることはできないということなんだと私は思っております。  知事にとって一番大切な、県民の最も大切な理解と納得という大きなところが欠落したところから始まったスタートのものなんて、絶対うまくいかないと私は思います。なぜ、この新党結成がこんなぎりぎりになったんですか。県民に説明をする機会を持たないといけないというような気持ちにはならなかったんですか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  確かに時間がなく、また理解と納得が不十分だったということは、おわびをしたいと思います。  そういう中で、びわこ宣言の中に、11月27日、今、私自身の政治家としての思いを込めさせていただいたわけでございます。それが一番大事な県民の皆さんへの説明だろうと、最初の説明だと思っております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)全く納得できないです。  県民には何の説明もないまま、秘密裏に事を進めて、公示直前に新党結成。そして、この新党結成に大物政治家である小沢一郎さんが深く関与していることは、誰が見ても明らかです。なのに、会見のときは一切それに触れず、この指とまれで広く参加を呼びかけておきながら、その日の夕方には小沢さんが一緒にやりたいと手を挙げ、即、国民の生活が第一の旗をおろして未来の党に吸収合併などと、観客をばかにした猿芝居は余りにもお粗末で、チケット代金を返せと言いたくなります。言いかえれば、嘉田さんを知事に選んだ自分の票を返せと言いたい県民は、少なからず私はいらっしゃるというふうに思います。きちんとこの新党結成に至った経緯について、正直に県民に説明すべきだと思います。そこから始まると思います。  これは先に言っておきますけれども、新党結成にかける知事の思いじゃないですよ。結成に至った経緯です。どういう経緯で、あの日、発表に至ったのか。そのことを正直に話してください。でなければ、臆測が臆測を呼んで、知事にとっても県民にとってもよくないです。お願いします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  小沢氏とは9月以降、3回、話をしております。その中で、小沢氏の政治に対する考え、特に原発政策などについてはしっかりお考えを聞かせていただきました。しかし、結党については、あくまでも11月27日のびわこ宣言がスタートでございます。  そして、すぐに賛同したという意味では確かに、出来レースじゃないかと言われることについては、出来レースと見えてしまったことについては私も反省をし、その結果が今回の選挙の皆さんの判断につながったものと理解をしております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)出来レースではないと、今、県民にはっきり言えますか。今後、訂正とかありませんか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  出来レースだと思われた方が今回多く、こういう形で選挙結果が出たんだろうと理解をしております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)小沢さんと決めた上でこのことが始まったというんじゃないんだと、はっきり言ってください。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  あくまでも、飯田哲也さんと2人で代表と代表代行でびわこ宣言を、そしてこの原子力の問題を3・11以降、本当に世界中が見ている中で争点化していない中で、多くの方から投票できる先が欲しいという声、これはたくさんいただいておりました。そういうところで、あくまでも飯田さんと2人で出発をしたものでございます。  ただ、急にさまざまな方が手を挙げられたということで、この指とまれは出来レースじゃなかったかと、議員の言われるような意見を持っている方も多い。それが今回の選挙結果にあらわれたんだろうと思っております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)次の質問に行きます。  知事と党代表の兼務は、知事も党代表も、どちらも365日24時間、知事であり党代表であるべき重要な立場でありますので、どちらも支障なく両立ができるという知事の政治姿勢に疑問を感じます。また不信感、不安を覚えます。まさに公務中に政局を揺れ動かす事態が発生したとき、知事はどうするんですか。
    ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  昨日来お答えしているように、私は軸足を県政に置いておりますので、どちらを選ぶといったら、県政を軸足として優先させていただきます。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)政局は刻々と変わります。その動きに敏感に反応して発信もしていかなければならない、それが党代表の務めです。知事は、知事の仕事を優先させる、滋賀県に軸足を置いてやっていくんだとおっしゃいますけれども、どちらを優先させる、どちらに軸足を置くというのもおかしな話で、滋賀県を優先させるというのであれば私は国政を軽んじているということになるし、国政を重んじるというのであれば県政を軽んじているということになる。私はどちらを優先させるとか言うべきものではないと思いますよ。いかがですか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  確かに今の日本の法律では、地方自治法で、首長の国会議員との兼務、あるいは国政への直接の関与というのは許されていないわけですけれども、フランスの例も出しておりますように、今、戦後60年、日本の今後を考えたときに、国政と県政なり地方自治体をつなぐチャンネル、回路は社会的に求められているだろうと。  その証拠に、例えばこの11月ですけれども、全国の特別市の市長会からは、兼務できるようにというような要望も出ておりますし……、あ、指定都市。指定都市の市長会からは兼務要望も出ておりますし、また、法的に今後国会で議論されるということもございますので、二者択一ではなく、まさにそのことが国民、県民にとってよりよい行政政治につながるということになれば、新しい挑戦も必要だろうと思っております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)今、たった今のことを言っているんです、私。よく、滋賀県に軸足を置くとかということで、東京には月1回ぐらいしか行かないとか、メールでやりとりするとかっておっしゃっていますけれども、そういう物理的なことよりも、もっと大事なことがあると思うんです。それは、知事の頭の中で県政がどれぐらい占めてて、党の代表としてのことの考えがどれぐらい占めて、どっちにどれぐらいの時間をかけていろんなことを考えられるかなんて、知事の頭の中を見ることはできません。  県民は、知事に別に24時間ずっと知事としていろというんじゃないと思うんですよ、別に。ときにはお芝居を見たり、お酒を飲んで歌ったり、お孫さんと遊んだり、そういう時間も持ちながら、だけれども、仕事のときは100%、嘉田知事として県民のために尽くしてほしいって思ってるわけですよ。  それが党代表を兼ねるということになると、知事は、きのうから、滋賀県の課題をアピールすることができるとかというメリットを挙げられますけれども、逆にデメリットとして、党内部で不祥事が発生したら知事が謝らないといけない、あるいは党の役員を決めたりというような、いろんな細々としたこともあります。県民はそんなことを知事にしてもらうために選挙で選んだんじゃないんですよ。そのところもしっかり考えていただきたいんです。いかがですか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  県政の政策実現するために、国政との連携は大変大事な回路だと思っておりますので、県民の皆さんに県民益になるような成果として出していく、それが大変大事だと思っております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)私は、今のところはデメリットのほうが大きい気がして、心配でなりません。  次に、知事と党代表の政策の整合性について、質問をいたします。  きのうも取り上げられておりましたけれども、答弁は納得できるどころか、不信感が募るばかりなんです。三浦議員の代表質問に対して、「考え方は国政と県政は同じである」と答弁をされました。ということは、党代表としての発言は知事としての発言と一致するということになります。  しかし、きのう答弁を聞いておりますと、TPPや消費税について、知事は知事として、党代表は代表として、その立場に応じた考えを持って対応していくというようなことをお話しになりました。これは代表質問の答弁と異なりませんか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  TPP、消費税への対応など、国政のあるべき姿にかかわる議論についての党代表としての主張、それから、現在の制度の中で知事としてできることに場合によってはずれはある。けれども、方向としては、私は政治家として、例えば消費税については、県政の中でもまずは無駄遣いをカットして、そして景気がよくならないと皆さんから納得をいただけないということについては、県政の場でも、また国政でも言わせていただいております。  また、TPPについては、自由貿易そのものを否定するものではないと。ですから、FTAやEPAというのは前向きに進めるべきだと。その証拠に、例えば国際的にも近江の農産物を輸出率先するというようなところをやらせていただいています。  ただ、TPPについては、単なる自由貿易の仕組みではなく、医療や保険制度、社会システム全体にかかわるので慎重にということは、県政の中でも国政でも方向としては言わせていただいております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)質問に対する答弁がかなりしんどそうな気がします。では、代表質問の答弁、訂正してください。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  ただいま申し上げましたように、知事としての方向性と党首としての方向性について、段階の違いはあります。知事としてできること、できないことはありますが、今申し上げましたように、方向性については一致をさせているということで、代表質問でお答えをしたとおりでございます。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)代表質問に対して、考え方は国政と県政、同じであると答弁されているんです。もう一度お答えください。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  基本的考え方については、政治家としての理念と、それから理想というところで同じであるということは申し上げて、代表質問と同じ立場でございます。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)使い分けをするだなんて、これは知事御自身が知事と党代表は兼務できないことを認めているも同然だと私は思います。知事は県益を守る立場です。党の代表は、いわば国益を守る立場だと思います。この県益と国益は、必ず相反することが大なり小なり出てきます。そういうとき、どうするんですか、知事は。  例えば、沖縄県民の皆さん方には、日本の安全を守るために米軍基地置かせていただいています。こういうふうに、国益のために滋賀県が不利益をこうむる、県民の皆さんが負担をしなければならないという事態、今後起こり得るかも知れません。そういうときに、知事としては反対する、党の代表としては賛成するなんていうことになるんですか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  政治家としての理念と方向は、県政であろうと国政であろうと一緒だというところは申し上げているとおりです。沖縄の問題についても、基地問題について沖縄の皆さんがある意味で、日本全国の米軍基地、7割集中しているわけですから、そちらに対して感謝申し上げながら、シーレーンを守っている安保体制については、県政と特に矛盾のあるものとは考えておりません。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)ですので、国益と県益が相反したときに、知事はどう判断するんですかということです。日本のために滋賀県民は物すごい我慢しないといけない。そういうときですよ。そのときに、滋賀県知事としてどうするのか、党代表としてどうするのかという、そのことを聞いているんです。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  国民は県民でもありますし市民でもありますし、そういう意味で、具体的にどういう場面を想定していらっしゃるのかというところで、具体的なイメージが浮かびませんが、基本的には県民の幸せは国民の幸せにつながる、国民の幸せと県民の幸せ、そちらのところについては、方向としては、政治姿勢としては共通の方向を持つべきだと考えており、私はそう表明をしております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)じゃ、例えば原発でできたごみですよ。そういうのを例えば滋賀県で、例え話ですよ、それを滋賀県で受けなければならない、滋賀県しかないというようなことが起きた場合です。これ、例え話です、あくまで。余りにも知事が理解してくださらないので、無理して今例え話つくりましたけれども。  でも、日本にとってはそれがどうしても必要なんだとなったときに、知事としては、県益を守る、県民を守る立場ですので反対、だけれども、党代表として国益を考える立場としては賛成、そういうふうになるんじゃないんですか、どうするんですかということを聞いていますので、簡単にお答えください。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  今の例えばの議論は、それこそ国の方針、また、人類としても放射性物質の、できてないわけですから、ここについては国民的議論を経て意思決定していくことになると思っております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)ごまかしていらっしゃるような気がして仕方ないです。もう、次行きます。  では、TPPですとか消費税について、例えばTPPについては、私、執行部の皆さん方からは何度聞いても、県としては賛成でもありません、反対でもありませんというお答えでした。それから、消費税については、地方自治の施策を行うために安定的な財源が必要と指摘した上で、消費税の引き上げはこれに資すると、増税を評価するような発言をされております。  県の職員さんたちというのは、おかしいなと思おうが、嫌でも何でも、とにかく知事の考えにのっとって仕事をするという立場です。それが職務です。知事の代弁者となって、説明責任も職員の皆さん方は担っていらっしゃいます。その職員さんたちに、こういうふうに知事が党の代表もしている、党の代表としてはこういうことを言う、知事としてはこういうことを言う、どういうふうに政策徹底していかれるんですか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  消費税については常々から、高コスト体質、そして財源を、まずは無駄遣いをやめるということは徹底して申し上げております。そういう法律の問題と具体的に実務を担う問題というのは、レベルは違いますけれども、具体的には、まさに無駄遣いをやめて、それから具体的な消費税の増税というところに方向を定めて、それについては一貫して申し上げております。  TPPについても、自由貿易は反対していない。ただし、TPPの仕組みそのものについては滋賀県にも大きな影響があるので、ここは慎重にということで申し上げております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)いずれにしても、今回、選挙に当たって、重点項目として消費税反対、そしてTPP交渉参加反対と打ち出されたことで、これまでの知事の発言よりも、党代表としての発言が先行したことに違いはないんです。で、今、いろんな説明をしないと理解されないというようなことになっているわけなんですね。  知事の仕事を優先するということは、東京に行くとか行かないとか、そういう物理的なことよりも、こうした政策的な面において大変重要だと私は思っております。知事としての公務を優先させるというのであれば、政策もまず知事として説明責任を果たしてから党代表として発言するという順番でなければ、県民も職員の皆さんも混乱すると思います。いかがでしょうか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  そのとおり、混乱をもたらさないように、中身については、これまでの説明と、そしてこれからの説明の整合性、図っていきたいと考えております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)今後も、知事としての発言よりも党代表としての発言が先行することはあり得ますか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  そういうことのないように、内部的にも説明を尽くしていきたいと考えております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)選挙中、幾つか知事の気になる発言がありました。その中で1つ取り上げさせていただきます。  知事の発言ですが、「私は知事として600億円のお金をダムや新幹線新駅をやめて生み出した」という発言、たびたび私も聞きました。この600億円というのは何を根拠におっしゃっているんでしょうか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  新幹線の新駅とダム、特に芹谷ダムについての合計でございます。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)この芹谷ダム建設事業費約400億、新幹線新駅建設費240億、そしてダムにかわる治水費用が、知事は40億とおっしゃっていますので、それで600という計算になろうかと思うんですけれども、芹谷ダム中止に伴い必要となった費用、芹谷地域振興事業交付金約6億5,000万円など、合計これまでに6億9,000万円支出がされております。  また、新幹線新駅中止後、県が支出した費用については合計25億8,000万円ある上、栗東市土地開発公社に対しては61億円貸し付けを行っています。よって、これらをあわせ見ますと、2つの事業をストップさせて600億円生み出しましたと。知事という責任ある立場にある人が言うのは、私は無責任だというふうに思います。過大な広告であると思っております。そしてまた、地元の、この2つの事業にかかわった地元の皆さん方にも、大変失礼なことだと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  数字、概算でございますので、何十何百円までのものではございませんが、大まかなところで申し上げたわけでございます。  地元の皆さんに対しては、丁寧に芹谷の地域振興についても、また栗東についても丁寧に御説明し、対応させていただいてきたと思っております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)ストップするために発生した費用については一切触れずに、やめることによってこれだけ生み出しましたと、そっちだけ取り上げるのはずるいですよ。選挙のときの発言ですので今さら訂正もできませんけれども、これについて、知事、今どう思われますか、こういう指摘を受けて。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  概算の数字を申し上げたところでございますので、演説なりの中で細部まで説明ができていないところには、誤解のないようにさせていただきたいと思います。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)本当に言ったもん勝ちという、まさにそういう選挙をされたんですね。こういったことも、知事をやめていらっしゃったら、ああ、勝手なことを言ってるなで済むんですけれども、今も知事でいらっしゃるわけですから、だから責任を問われるんです。そのことも重く受けとめていただきたいと思います。  次に、知事公舎について伺います。  これまで、私、改革の先頭に立つ知事の姿勢を示すためにも、知事自身が公舎を出るべきだという主張を議会の中でも再三にわたって行っております。これに対して知事は、危機管理のため、県民の安全を守るために公舎に住まなくてはならない、あるいは県政をスムーズに運営するために必要だと繰り返し答弁をされてきました。が、今回、党代表を兼務されることになりまして、引き続き党代表を兼務する知事御自身が公舎に住み続けるということに、全く抵抗はございませんか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  党首であろうと人間ですので、そういう意味では、公舎については居住の用の範囲内で、いわゆるプライベートな利用をしているものでございます。基本的に政務と公務を明確に使い分けられるものではございませんが、人間の暮らしという意味では。ただ、政務については別途事務所を設けておりますので、公舎を活用することはございません。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)人間ですのでとおっしゃいましたけれども、私は何も知事にどこにも住むなと言っているわけじゃないんですよ。県庁の近くにでもどこにでも、いっぱい家もマンションもあふれ返っているんです。公舎というのは県民の税金で建てられて、県民の税金で維持管理されている建物だからこそ言っているんです。  で、居住空間の中で政務と公務、分けられるものじゃないって知事御自身おっしゃいましたけれども、だったら、出てすっきりして、好きなところでお住まいになって、好きなようにされたらいいんじゃないですか。公舎にいる限り、やっぱりそのところもこれからずっと突つかれますよ。そう思いませんか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  私は知事は知事ですから、知事の職責を全うするために公舎を使わせていただくのは、県民の皆さんにも御理解をいただけると思います。  また、政務については別の事務所がございますので、政務を公舎でということは使っておりませんので、そこは御理解をいただきたいと思います。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)結党宣言されてから、次の日でしたでしょうか、森ゆうこ未来の党の参議院議員、公舎で会われましたよね。その前でインタビューを受けてらっしゃる映像を私は見たんですけれども。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  来客として緊急に対応させていただきましたが、そこについてはおわびを申し上げます。その後、切り分けをして、あの1点だけはおわびを申し上げたいと思います。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)今後もそういうことはあるし、私、別に、誰が来たとか何とか、細かい事を言いたくないし言われたくもないと思います。だから、私は今回のことの以前から、改革の先頭を切る知事として、公舎を出るべきだという主張をしていますので、この際ですから、やはり公舎を出て、民間の住宅に住むということを決断されるべきだと思うんです。  そして、危機管理のためにということも再三おっしゃっているんですけれども、議長が申し入れ書を出されたように、北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射した際も知事は県外においでになって、そして連絡を受けて電話で指示をして、支障はなかったということです。  そしてまた、代表質問の答弁でも、災害発生時に知事の不在のときの責任をどうするんだというふうなことを言われたときに、どのような場合でも連絡先を明らかにして、必要な指示ができるような体制をとって、県民に対する責任が果たせるよう、引き続き職務を遂行していくというふうに答弁されていました。ということは、危機管理のために県庁のすぐそばにある、一等地にある豪華な公舎に知事1人で住み続けなければならないという説明は、もうつかないんじゃないでしょうか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  党の役責があろうと、知事は知事でございますので、今までの状況が何も変わったわけではございません。危機管理初め、日常の業務を円滑に遂行するために、公舎を利用させていただくのがベストな居住空間であると考えている、その姿勢は変わりません。県民の皆さんにも御理解をいただきたいと思います。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)相変わらずの御答弁で残念なんですけれども、私は、この公舎を出るということにばかりこだわっているようですけれども、知事の思い一つですぐにできる改革なんです。身を切る改革の一番見えやすいところなんですね。だからこそ、知事にはそういう姿勢を示してほしい。そして、今なかなか前に進まない公務員改革のスタートさせることにもなるわけですよ。橋下さんも、とっくに大阪府知事時代から出ていらっしゃいますよ。公舎、前の公舎はまだその後の使い道は決まってないけれども、とにかく出ないと示しがつかないということで、出ていらっしゃいますということもつけ加えさせていただきます。  言いたいのは、私は、こういう改革すらできていないんですから、まずやらなきゃいけないこと、知事としてやらなきゃいけないことを、地に足つけてやってくださいよということなんです。滋賀がよくならないのは国が自分の言うことを聞いてくれないからだと言っているように、私には聞こえます。  前回の議会で私が質問した人事評価制度、できてません。それから地域手当も、次どうされるかわかりませんけれども、アップされました。そして元職員の再就職の問題も、改善はされていますけれども、改革はされてません。そして知事公舎、職員住宅、しかりです。やらなきゃいけない改革ができていない。やらなきゃいけないけれども、実行が難しい県でやるべき改革は後回しになってます。  これも例え話ですけれど、例えなんですけれども、子供が親に、自分が努力していないのを棚に上げて、成績がよくならないのはおいしい食事やいい机を与えてくれないからだと、親のせいにしているような気がするんですね。精いっぱい勉強して、精いっぱい結果を出して、さらに伸びる可能性を示してこそ、親におねだりしても聞いてもらえることもあるんじゃないかと思うんです。これならまだ理解できるんですね。でも知事は、やらなきゃいけない、やるべき、知事としてやるべきことができていない。私は、まずこれをやってくださいよということを声を大にして申し上げたいんです。  この兼務については、橋下市長も、賛同するというか、同じような考え方を持っていらっしゃるというようなことを聞き及んでおりますけれども、こういったところで共通した認識があるようですけれども、橋下市長、私は今回の選挙、維新の会の候補を応援した立場でもあるものでございますので、あえて言わせていただきますけれども、橋下市長と知事、やっていること全然違います。  橋下市長は、これまで明確な政策を掲げて、府知事選、市長選、勝ち抜かれました。そしてまた、政策を共有する府議会議員、市会議員を多く誕生させられました。そして仲間をふやして、自分がやりたい改革、掲げる政策を実際議会で通して、実行されています。また、大阪都構想を後押しする大都市地域特別区設置法というのも国会を動かして設置させるというような、これまで本当にすごいことを実行されているんですよね。  で、今回、選挙、維新の会躍進した。これは、やはりこれまでのプロセス、やってきたことに大きな差があるんですよ。そのところをしっかり知事にも御認識いただきたいし、県民の皆さんにも御認識をいただかなければならないと思っております。  準備不足は選挙だけではなくて、兼務についても余りにも準備不足でありまして、何の根回しもない、下準備もない。政治はやはりこれでは成り立たないというふうに思います。選挙は負けたで済みますけれども、県政は県民の命を預かっているわけですから、失敗は絶対に許されません。  私はあえて、兼務を真っ向から反対とは言いません。が、知事が知事としてやるべきことをやってからにしてくださいと申し上げたいんです。知事としての実績をもっともっと積んで、全国から、滋賀の嘉田知事はすごいと、みずから過大広告をしなくても全国の皆さんが評価されるようになってからされればいいんじゃないですか。私のこの考えについてどう思われますか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  知事として就任以来、行財政改革にも取り組み、職員数なども具体的には6年間で480人ほど削減をいたしましたし、また、給与の独自カットにも職員には協力をしてもらっております。人事評価についても、職員の意欲を引き出す、組織の活性化を図り、県庁力最大化というところでの、目に見えにくいですけれども、知恵だし汗かきプロジェクトなどやらせていただいておりますし、また地域手当についても、国、地方を通じた給与構造改革の中で、職員の給料表の引き下げなどさせていただいております。職員住宅についても戸数の削減、また職員住宅の使用料についても段階的引き上げなどもしておりまして、引き続き公務員改革など、しっかりやっていきたいと思っております。  橋下市長と比較するべくもないかもしれませんが、私は私としての、もったいない改革も含め、過去6年、マニフェストの実現に努めてまいりました。漢方薬のような形で、徐々に意識改革、組織改革をしてきたというところでの成果について、私が自分で言うのはもちろん口幅ったいですけれども、それなりの評価をいただいていると思っております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)私が言いたいことは先ほど言いましたので、この項の質問は終わります。  次に、交通事故現場における警察の対応について、一問一答形式で、全て本部長に質問いたします。  甲賀市信楽町長野で、交通事故に遭い路上に倒れていた女性の両足を県警巡査が車でひくという事件がありました。女性が横断歩道を横断中に乗用車にはねられた直後に、パトカーで巡回中の巡査らが現場に到着し、現場が渋滞し通行の妨げになっていた別の乗用車を巡査が移動させようとしたときに、あおむけに倒れていた被害女性の両足すねあたりをひいたという事件です。  交通事故で被害に遭い倒れている女性を警察官が車でひくなどという、信じがたい、あってはならないことが起こってしまいました。これは単純なミスとして済まされるものではないという思いで、この事件について本部長に質問させていただくことにしました。  本部長、まず、今回の事件について、甲賀署副署長のコメントのみが発表されているんですけれども、本部長のコメントはございません。本部長は、この事件についてどのように思っていらっしゃるんでしょうか。 ◎警察本部長(福本茂伸君) (登壇)お答えをさせていただきたいと思います。  まずもって、今回の事故につきまして、大変申しわけなく思っております。おわびをいたしたいと思います。  議員御指摘の御質問の事故でございますけれども、これは、夜の7時過ぎに、甲賀市内の国道で信号のない横断歩道を78歳の女性の方が渡っておられまして、車がはね飛ばしたというものでございます。女性は、頭をフロントガラスに強打をされまして、14メートルはね飛ばされる状況となりました。  その数分後、別の事故を処理をした、たまたま2人乗っておりますパトカーがその現場を通りかかったところでございます。2人は直ちに被害者の方の救護、あるいは救急車、応援警察官の手配をいたしました。
     そして、そのときの現場の状況でございますけれども、片側1車線の道路の両側に、女性をはねた車と、そしてその反対側には女性の体が飛んでまいったということで、その直前に停車をした車が両車線を塞いでいるということで、大変な渋滞が起こっておりました。車は歩道やあるいは隣接の民有地にも入って通り抜けをしようということで、大変に交通上危険な状態にあったところでございます。このため、30代の警察官は女性の救護を行いましたけれども、もう一人のこの夏に警察学校の課程を修了した20歳の警察官が、交通の危険除去に当たるということになったところでございます。  この警察官は、このまま放置すると大変に危ない、別の事故が起こるという思いから、何とかしなければならないというふうに思ったようでございまして、みずから運転して車を移動させようといたしました。この際に、議員御指摘のとおりでございまして、路肩に倒れておられた女性の足をひき、この結果、女性は骨折をされたということでございます。大変に申しわけないことだと思っております。  女性の方は脳挫傷などで重篤な状態が続いておられますが、病院の医師の御見解によれば、今回の骨折が現在の容体に影響を与えている状況は認められないということではございます。  しかしながら、突然目の前にあらわれた大混乱の現場に気が動転をし、車を移動させる前に運転席から死角となる前方の安全確認を怠ったということが今回の事故の原因でございます。被害者御本人や御家族の皆様はもとより、県民の皆様に対しまして大変に申しわけないことだというふうに思いますし、心からおわびを申し上げたいと思います。本当に申しわけございません。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)なぜこのような事件が起きたのか、原因を本部長はどのように受けとめていらっしゃるでしょうか。 ◎警察本部長(福本茂伸君) お答えをいたします。  今申し上げましたとおり、これまでの捜査、調査では、20歳の警察官が混乱した現場の状況に動転をして、車両運転中の基本的な確認を怠ったということが直接の事故原因だというふうに思われますけれども、その背景には、経験の少ない若手警察官に、いかに混乱した現場できちんとした現場執行力をつけさせるかという課題があるというふうにも考えております。  現在、大量退職の影響もございまして、交番に勤務する警察官の4割は、勤務経験がいわゆる採用されてから3年未満というような状況にもなっております。警察官の執行力の向上には、やはり現場で実際につらい経験を積ませるということが最良でございますけれども、全ての警察官がそのような経験を多く積めるというものでもございません。  今後は、若手警察官に本当にこういう混乱をした現場の実際に近い体験をさせ、心理的に圧迫された状況下で冷静に判断をし、対応をしっかりとしていく力をつけさせる、そういう実践的な訓練が大変に必要だというふうに痛感しているところでございます。重ねておわびを申し上げます。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)私がこの質問をするときに担当の方とお話をしておりましたら、骨折の原因が警察官が車でひいたことによるものなのかどうか、今調査中だということだったんですけれども、先ほどの本部長の御答弁では、車でひかれたことが原因であるということが判明したということでよろしいですか。 ◎警察本部長(福本茂伸君) お答えをいたします。  議員の御質問のとおりでございます。事故発生の当初は、骨折の原因につきましては、はねた車のバンパーなどに当たった可能性、あるいは実際に14メートル飛ばされた状況でございますので、そのどこかの段階でおけがをされた可能性、そして警察官が車でひいた可能性などが考えられたところでございます。  その後、入院先のお医者様の御判断をお伺いいたしておりました。当初はバンパーが当たった可能性も考えられるというようなお話もございましたけれども、入院先の病院ではなかなか診断がつきかねるというお話がございましたので、実は昨日、滋賀医科大学の教授の先生に御診断をいただきました。  私も、それと一方あわせまして、本人からの取り調べ、あるいは目撃者の方の証言をいただく、あるいは実況検分、あるいは鑑識・鑑定活動なども実施をいたしておりまして、滋賀医大の先生の御診断結果とあわせて、昨日、警察官がひいたことによる骨折であるというふうに認めたものでございます。大変に申しわけないことだと思っております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)もう十分本部長には御答弁いただいておりますので、これ以上申し上げるのは何なんですけれども、やはりあおむけになって倒れている被害者を警察官がひいてしまうというのは、ほんとにこれはあってはならないことだというふうに思うんです。例え骨折が警察官がひいたことによるものかどうかは別にして、ひいたことに間違いはありません。にもかかわらず、やはりその対応が、甲賀署の副署長のコメントのみしか発表されてなかったということが、私はどうしても何か甘く見ているんじゃないかと、この事件を、思ってしまいましたので、あえて本部長にお伺いをしたんですけれども、私は、今回のような事件の場合は、すぐにでも本部長としてコメントを出すべきだというふうに思います。  例えば警察で、どのようなケースの際にどういう立場の人がコメントを出すとか、いろんな基準があるのかどうかわかりませんけれども、この私の率直な気持ちに対して、本部長はどのようにお答えになるでしょうか。 ◎警察本部長(福本茂伸君) お答えをいたしたいと思います。  今回の事故は、夜の7時半少し前ぐらいに発生をいたしました。今御指摘をいただいたような、大変におわびをしなければならない事故だというふうに感じましたので、現場の責任ある立場の副署長から広報させていただくことにしたものでございます。  副署長からは単にコメントを発表するということだけではございませんで、きちっとおわびをするということ、それから、捜査を厳正に尽くしていくということ、そしてまた再発防止に当たるということなども、実際に本人から説明をするということで、私のほうから署長に話をして、指示をして対応してもらったものでございます。実際、そういう広報の対応につきましては、未明まで数時間の間、副署長のほうにおいて対応してもらったという状況でございます。  議員の御指摘の部分でございますけれども、私といたしましては県警察の先頭に立ちまして、組織一丸となって、今回の反省、教訓をしっかりと胸に刻みまして、今後、確実に正すべきところは正す、そしてまた、今回の発生の教訓を今後の警察活動の中に生かしていくべきは生かすということでやってまいりたいというふうに考えております。御理解を賜りたいと思います。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)いかに再発防止を図っていくかということに今となっては尽きると思いますけれども、何か具体策などございますか。 ◎警察本部長(福本茂伸君) 先ほど申し上げさせていただきましたが、やはりこれは若年の警察官をいかに力強く鍛えていくかということにかかっているというふうに思います。  事故が起こりました翌日には、全制服警察官に対して、今回の事故の状況、その問題点について、情報をきちっと共有するということで指示を出しております。  また、あわせまして、先ほども申し上げましたけれども、本当に混乱した厳しい状況、この中で実際に冷静に判断をし、きちっと対応ができるような力をつけるということで、実際のそのような厳しい場を想定をした、設定をした訓練を、今日から、勤務経験3年未満の全警察官を招集をいたしまして、訓練をいたすということを計画をいたしております。  もちろんそれだけで足るとは思っておりません。塩の辛さというのは味わってみないとわからないというところもございますけれども、実践的な訓練を通じて、少しでも力をつけるように、そしてまた県民の皆様の安全、安心を果たすという責務をしっかりと自覚をして、再発防止に努めてまいりたいと考えております。 ◆40番(蔦田恵子さん) (登壇)私は今回の事件で、車を運転して被害者の足をひいてしまった若い巡査を責めるつもりはないんです。彼は、もう悔いて悔いて、本当にどうしようもなくなっていると思います。ですので、彼は誠意をもって謝れば許されるものなんだというふうに思います。  問題は、やはり警察としての対応だと思います。今回のことは、こういう事件を起こしてしまった滋賀県警察の信用にかかわる、全警察官の信用にもかかわることですので、あえて取り上げさせていただきました。  本部長のほうから、若年の警察官の教育もしっかりやっていくという御答弁をいただきましたので、ぜひともこのようなことが二度と起きないように、適切な対応と再発防止に全力を尽くされるように強く申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(佐野高典君) 以上で、40番蔦田恵子さんの質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後0時16分 休憩    ────────────────   午後1時21分 開議 ○議長(佐野高典君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、36番家森茂樹君の発言を許します。 ◆36番(家森茂樹君) (資料掲示、登壇、拍手)今議会は総選挙日程と重なりましたために、県議会日程が変更となりました。選挙と県議会のどちらが大事か、こんな声もございましたが、国政を動かすのは国会議員であり、県政課題解決のためによりよい代表を送ることは、県政に携わります我々にとって重要な仕事であります。したがって日程変更があったのであり、代表を、すなわち代議士を送ることが仕事だと思っていた我々にとって、知事みずからが国政に物申す、私は出ないが政党の代表になるという行動に出られたことは、まことに理解に苦しむものであります。  そのおかげで、再開後の今期定例会、中小企業活性化条例を初め、今後の滋賀県政にとって重要な案件を抱えながら、30分という限られた時間を知事の勝手な行動のために割かざるを得なくなったことは、まことに残念でなりません。これも二足のわらじの県政への影響と呼べるかも知れません。  以下、質問に入らせていただきますが、実は時間とパネルを使います関係上、通告してございます小項目で、3番目の卒原発にかかわるところを先にさせていただいて、次に1番の国への政策提言、2、4、5を飛ばしまして、6、7の憲法関係、こういう順で少し変更してお伺いをさせていただきますので、お許しを願います。2、4、5については、時間が残れば少しさせていただきたいと思います。  それでは、以下、全て知事にお伺いをいたします。  まず、3番目の、卒原発についてお伺いをいたします。  知事が党首である日本未来の党は、卒原発を訴えておられます。エネルギー政策として、電気料金とCO2排出および使用済み核燃料の観点からお尋ねをいたします。  表をごらんいただきたいと思います。その表、裏表別々の資料となってございます。今、こっち側、知事側を向いているほうでございます。議員の皆さんには配付をさせていただきました。  2011年3月11日の福島第一原発事故以来、徐々に原子力発電所が稼働停止し、2011年度の電力は、原子力発電から火力発電に頼らざるを得なくなってきました。2010年度と2011年度の変化で、一番上が総受発電力量と原子力発電、火力発電の電力量でございます。  2つ目の表が、化石燃料の消費量の変化でございます。石炭、ナフサは少し減少しているものの、重油が550万キロリットル、原油が680万キロリットル、LNGが1,110万トンも増加をしております。これらの燃料単価は変動が激しく為替相場にも左右されるために、正確な数値は困難でありますが、東京電力が去る5月に値上げ申請されたときの単価を次に上げております。  原子力燃料の価格の議論もあると思いますが、まずは、火力発電による燃料費増加分は約1兆6,000億円であったという計算に、この表のとおりになります。仮に原子力発電がゼロで、そのまま全てを火力発電で賄おうとすれば、約3兆円の燃料費増となることになります。さらに、LNG価格というのは非常に不安定なものでございます。  未来の党、すなわち知事の考えだと理解をいたしておりますが、関西電力大飯原発を即時稼働停止、他の原発の再稼働を認めないという卒原発カリキュラムに従った場合の電気料金の予測と、国民生活、産業界に与える影響予測について、そのお考えをまずお伺いをいたします。 ○議長(佐野高典君) 36番家森茂樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)まず、最初の御質問にお答えいたします。  電気料金の予測と、国民生活、産業界に与える影響でございます。  火力発電の燃料費増について、原発稼働停止に伴う費用の純増は、そちらでは1兆6,000億ということですが、1兆6,000億から1兆7,000億という数値が出ております。この化石燃料費用については、以下の取り組みにより、電気料金や日本経済への影響が軽減、緩和されるよう考えております。  1つには、徹底的な競争的市場の構築による電力コストの低廉化でございます。現在、電力供給は、家庭系は完全独占、企業系も、自由化されておりますが、極めて一部でございます。  2点目は、燃料調達コスト低減のための努力でございます。契約形態の多様化、あるいは最も高コストである石油からのシフトでございます。石炭あるいは天然ガス化。  3点目は、天然ガス調達の多様化、石油連動価格との切り離し、そして、もう一つの大きなストーリーといたしましては、徹底的なエネルギーの高効率化による電力エネルギー総費用の削減、また、いつも言われておりますように、再生可能エネルギーへの急速なシフト、これらを組み合わせることにより、電気料金の値上げを防ぎながら、またその仕組みとしては、交付国債という場を舞台としながら電力料金の値上がりを防ぐ、その仕組みをまず最初の3年間でつくると、助走期につくるということの提案をさせていただいております。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)また、CO2排出に関してでございます。  同じ表で、2010年度と2011年度の比較で、火力発電によるCO2排出量の増加は6,200万トンとなっております。これは京都議定書基準年、1990年の日本のCO2総排出量11億5,000万トンを、実に5.4%も押し上げることとなっております。同様に、仮に原子力ゼロであれば約10%の排出増となると、こういう計算になります。  以上は私の勝手な試算でございますが、実は今月5日に環境省がデータを発表いたしました。これによりますと、11年度の温室効果ガス排出量は3.9%、4,900万トンCO2換算の増加で、13億700万トンとなっております。これは京都メカニズムクレジットや他の分野での削減などがございますので、これを勘案しますと、私の試算とほぼ一致しているんではないかと考えております。  卒原発カリキュラムの前提条件に従い、大飯即時停止、他の再稼働なしとすれば、CO2排出増加は大変なことになることになります。低炭素社会づくりを推進する滋賀県の行程表と卒原発カリキュラムの整合性について、正確なデータとともにお答えをお願いをいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  まず、温暖化対策については、基本的な考え方として以下の3点がございます。  1つには、エネルギー部門については、従来の原発依存型の温暖化対策を抜本的に見直し、エネルギーの効率化、再生可能エネルギーを中心とする温暖化対策へと転換することです。2点目としては、ラクイラ・サミット、2年前でしょうか、ラクイラ・サミットで合意した長期的な温暖化対策目標、2050年までに90年比80%減は変えない、これはG8での国際的な約束でございます。本県としても、第三次滋賀県環境総合計画で掲げている2030年に90年比50%削減は変えない。また、国の中期目標、2020年までに90年比25%減は努力目標として、2020年以降、できるだけ早い段階で90年比25%削減を目指す。  この3点の大前提のもとで、現時点では、卒原発の過渡期でございます。10年かけて、最初の3年は助走期、あとの7年が離陸期としております。この過渡期であり、エネルギー部門については、温暖化対策を無視するわけではございませんが、卒原発と電力安全供給、電力システム全体の再構築を最優先する必要があると考えております。  あるべき目標を実現するためには、石油からCO2排出の少ないLNGへの転換、また技術革新の推進、また省エネ行動の広がりと定着、創エネ、再生可能エネルギーの導入促進などに重点的に取り組むなど、できる限りのことをやってまいります。  例えば、具体的にこの省エネ行動でも、去年からことし、10%近く定着をしつつあります。これらのこともライフスタイルの転換として、かなり原子力発電所事故による人々のエネルギー消費量の減少というところに貢献をしていると考えております。  また、議員御指摘の化石燃料の輸入量でございますけれども、2011年の輸入額は21.7兆円、全体で。4.4兆円増加ですが、その3分の2を石油が占めております。また、化石燃料輸入、2011年の1から12月では1%増のみでございまして、化石燃料全体の中での原子力発電所にかわる発電の占める割合というのはごく一部であるということで、ここだけを殊さら大きくするということは、全体としての比率を見えないことにするのではないのかと思っております。そのような意味で、日本全体での化石燃料輸入量がほとんどふえていないということもあわせて考慮する必要があると思っております。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)すんません。想定してませんでしたんで、最後のほう、何言われたんかわからないんです。化石燃料のところ、もう一度お答え願います。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  議員の御指摘のように、原子力発電所がとまったときの火力発電所の燃料増というのは1.7兆円ほどございますが、その部分がCO2の増大につながるということですが、化石燃料全体の使用量、輸入量は、2011年に2010年と比べて微増、1%増でございまして、そう大きくふえていない。そのことはCO2の総排出量とのバランスで、個々に言うほどの大きな割合ではないということを申し上げたまででございます。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)こんなとこで時間とりたないんですけど、そんなん関係ないんですわ。私は、知事が卒原発とおっしゃっているので、原発がなくなればこれだけのCO2が出ますよということを言うてるんです。例えば、私、石油化学工業をやっていますけども、これの輸入量とCO2、関係ないんですわ、そんなもん。そんなこと、ごまかさんといてください。もう1回お願いします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  CO2の総排出量との関係で、先ほどのデータを出したものでございます。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)だから、昨年度のCO2総排出量は3.9%増、13億700万トンになっているんですよ。1990年よりはるかにふえているんですよ。そういうことがこのデータからわかるでしょうという話をしてるんです。  例えば、先ほど、10%近く節電ができたとおっしゃいましたよね。(資料掲示)ちょっと、パネルひっくり返します。これは電気事業者ごとのCO2排出係数の平成22年度と23年度の比較表でございます。つまり、3・11以降、原子力発電から火力発電にシフトしたために変化した割合が一番右の数字でございます。原子力がもともとゼロの沖縄はもちろん1.0そのままでございますが、もともとの数値の低かった関西電力は調整後に約1.5倍に、また北陸電力は2.4倍にもなってございます。多くの電力を消費する特定排出者である事業所にとって、大変なことなんです。  10%節電一生懸命にしたって、電力の排出量の基準が1.5倍になってるんですよ。ということは、4割ほど削減しないことには、もとと同じ排出量にならないという、こういうデータが出てるんですよ。それを私は知事にデータをもって説明してくださいと言っているのに、架空の2030年には50%だとか25%、そういう数字じゃなくて、現実に原発をとめたときにCO2の排出量がどうなるのか、それに対してどういう対策をとるのかということを聞いてるんです。もう一度お願いします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  議員御指摘のように、確かに原子力から火力に行きますとCO2排出量はふえますが、これを、全体として原発をやめるということで再生可能エネルギーをふやし、そして技術的に効率化をするということで、全体の中で10年間で解決をしていくということを申し上げているわけでございます。  そういうところで、もちろん、ですからCO2が削減できて、かつ原子力の危険から回避できる、その両方が同時にできることは望ましいですが、ここについてはCO2の削減の課題は残り続けるということについては、国民の皆さんに、また県民の皆さんに、御説明をしなければならないと思っております。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)だから、架空の議論じゃなしに、10年間でどういうデータをもって決してふえないと、こういうことをおっしゃっている、ふえないじゃないですよね。25%削減せないけませんやん。さらに50%削減せなあきません。そのデータを示してくださいって言ってるんです。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  具体的に、今、卒原発プログラムの中では、CO2削減の具体的な数値というものは出しておりません。全体としてCO2削減型のエネルギー社会への転換、ここの中で最大限の努力をするというところで、滋賀県としては、2050年80%、また2030年50%の目標。そもそもこの目標が積み上げではなく、IPCCの地球上全体で2度以上温度を上げないという目標が先にあるわけですから、その目標を実現するために時間をかけて努力をするというところが、この温暖化対策そのもののプログラムの仕組みでございます。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)だから、温暖化対策のその目標を達成するために、原発ゼロにしたときにどういう手法があるのかということを聞いてるんですわ。全然答弁になってないです。飛ばします。  また、使用済み核燃料の問題、これ、何度も出ております、木沢議員、蔦田議員から。卒原発カリキュラムに、「100年間の乾式貯蔵場所の社会的合意をつくる」とございます。その貯蔵施設は、原発敷地内に新設するか、別に用地を確保する必要が当然あるわけでございます。その場所は日本中のどこかに必ず要ることになります。可能性としては滋賀県内もあり得ないわけではありません。滋賀県の知事として、滋賀県に受け入れることはあり得るのでしょうか。お伺いをいたします。この質問、何度も出ておりますので、同じ答弁は要りません。可能性の話として、滋賀県に受け入れるのかどうか、イエス、ノーのどちらかで、わかりやすくお答えを願います。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  まず、使用済み核燃料は今すぐゼロにするほうが総量は少なくなるわけです。ですから、逆に、原発を動かすという方たちに使用済み核燃料をどうするかということをこそ議論をいただき、その上で今の御質問にお答えいただきますが、琵琶湖を抱える本県においては、県のほぼ全域が琵琶湖の集水域となっておりまして、貴重な水源を守るという大切な役割を果たしていることから、近畿1,450万人の安全、安心を確保することを第一に考えなければならないと思っております。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)ということは、ノーですか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  地域の比較考量でしょうか、それぞれの地域の持っている価値というものを損なわないために、滋賀県としては、この使用済み核燃料を受け入れることは極めて厳しいと思っております。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)知事としては滋賀県には受け入れない。しかし、党首としては日本中のどこかにつくる。じゃ、どこの都道府県につくるのか。いや滋賀県にはつくりません。矛盾あると思いませんか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  そもそもこの使用済み核燃料、地層処分は、10万年以上の安定した地層処分はない、地層処分できないということは、9月12日に学術会議が表明しております。そういう中で、乾式貯蔵施設はどこかにつくらなければいけませんが、これに対しては、まさに国民的な議論が必要であると考えております。 ○議長(佐野高典君) 知事、もう一度、乾式貯蔵施設について、滋賀県に受け入れることはあるのか。あるいは、全体ではなしに、今後の計画についてお答えください。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  先ほどお答えしましたように、滋賀県で受け入れるのは、水源県であるという性格からして極めて難しい、関西全域への不利益になると考えております。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)ということが、国政と滋賀県益を守るということが相入れないということなのでございます。この後、幾つも行きますよ。  それでは、1番のところに行きます。県が行っている国への政策提言について。  知事は今議会開会日の全員協議会で、「これまで知事として、また関西広域連合の一員としてさまざまな課題に取り組んできたが、地方の政策を確実に推進するためには国政にかかわらざるを得ない」と、今回、新党立ち上げに至った理由を述べられました。県政の課題を国政につなげるための行動であるとお聞きをしております。地方の政策、滋賀県の政策実現のために、県はその手法の一つとして、国に対し政策提案を行ってきました。しかし、これでは不十分だというのが今回の知事の行動に至った原因でもあると考えられます。そこで、まず、この政策提案についてお聞きをいたします。  今日まで、政策提案に県選出国会議員はどのようにかかわってきたのか。県からの説明の過程やその後のアクションなども含めて、お答えを願います。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  春と秋の国への政策提案については、提案前に県選出国会議員の皆様に提案内容を説明するとともに御意見を伺い、その結果を踏まえ、新たな制度の創設や既存制度の改正など提案してまいりました。  また、政策提案当日には県選出国会議員にも同行いただき、提案活動を御支援いただいております。加えて、提案以降は提案省庁に働きかけを行うなど、提案の実現に向けて、国会議員の皆様から御支援をいただいております。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)知事がおっしゃいました、地方の政策を確実に推進するためには国政にかかわらざるを得なかったというのは、今おっしゃった、頼るべき国会議員が役に立たなかったと、こういうことをおっしゃっているということになるわけでございます。このとおりであったのか。それなら非常に失礼な話なのか。ということは、こういう発言をされた以上、県選出国会議員と今後どのような関係を持っていこうとされるのか、お伺いをいたします。
    ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  政策提案の結果、環境こだわり農業を踏まえた制度の創設、あるいは特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法の延長、これ、RD問題ですが、についての提案が実現するなど、政策の実現に向けて力強い後押しをいただいております。  今後も、本県の政策、着実に推進するため、県選出国会議員の皆様には丁寧に県政の課題、政策を説明し、御理解を得るとともに、御支援をいただきながら政府へ働きかけてまいりたいと考えております。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)今おっしゃったように、頑張っていてくれてたのかなと思ったんですが、知事は、やっぱり役に立たんかったと、こうおっしゃったわけですよ。こんなん言うの気の毒ですけど、知事の言われたことやからと信じて活動して協力してきて、選挙直前に裏切られて、挙げ句、落選の憂き目に遭われた方の思いというのは、本当におんなじ選挙の洗礼を受けやんならん我が身としても、察するに余りあるものがございます。  それと、今回、こういうことで選挙戦を戦われ、しかも県内小選挙区立候補者、誰も推薦されなかった。こういうことですので、知事は全政党に対して敵対をされたと、こういうことになっておりますが、今後、各政党との関係をどのように保っていこうとしておられるのか、お伺いをいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  県内小選挙区立候補者の誰も推薦しなかったのは、県内において各政党と等距離を保つためでありまして、決して敵対するものではございません。  また、県政は全ての政党と全方位外交でかかわらせていただくことが大切でありまして、県行政のトップの知事としては、各党派の皆様との議論を通じてよりよい滋賀をつくりたいという思いにおいては、何ら変わるものではないと考えております。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)多分その認識では政党政治はできないと思いますよ、政党の党首に言うのも何ですが。  6番目の項目に行きます。憲法のところです。  憲法前文に言います「国民の代表者」について、お伺いをいたします。  まず、その前提としてなんですけども、我が党は結党以来、憲法改正を目指している政党でございます。昨日、知事はたしか、今は憲法の改正の必要はないと、こういうふうにおっしゃったのかなとどこかに残っているんですが、もう一度、そこのところ、どうおっしゃったのか、知事のお考えか、お聞かせいただければと思います。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  憲法改正については、まさに国民的な議論が必要でございます。今、極めて政権あるいは政党、社会的に不安な状態の中で、不安定な状態の中で、今ここで緊急に憲法を改正するタイミングではないと思っております。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)じゃ、今現在は改憲論者じゃないということですよね。で、我々自民党は改憲論者なんです。改憲論者であっても、現行憲法を国家として掲げている以上、その憲法を遵守することは日本国民として当然の義務であります。でも、今の社会構造で国内に抱える問題と国際社会の中で、これでいいのだろうかと疑問を持っているというのが改憲論者であります。  しかし、憲法改正が今たちまちは必要でないという知事のお考えであれば、憲法にうたわれている精神も当然尊重されているいうことであろうということが確認したかったので、これを尋ねたわけでございます。  話戻ります。憲法前文にこううたわれておるのは御存じのとおりでございます。「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」、少し飛ばします、「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」以下云々。ここで言う「国民の代表者」とは、具体的に誰のことを言っているのか、まずお伺いをいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  ここの文脈がそもそも国会の性格という項目でございますので、国会を構成する衆議院議員および参議院議員を示すものと理解をしております。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)国政の権力を行使できるのは国民の代表者、国会議員と、ここで定められているわけであります。国政において権力を行使できるのは、国民の厳粛な信託を受けた国民の代表者、すなわち国会議員。知事は先日の全員協議会で、「地方の政策を確実に推進するためには国政にかかわらざるを得ない、地方自治の現場の声を国政に届けなければいけないと痛感をしてきた」と述べておられます。  国政に声を届ける方法としては、国民の代表者たる国会議員となるのか。一般には、憲法第16条に、「何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令または規則の制定、廃止または改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人もかかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない」というところで言う、請願権を持って国政に届けるのかのいずれかであると私は思っております。  そのほかの方法として、地方自治法で意見書提出権というのが第99条に、いつも我々がやります地方議会、および第263条の3の2項、いわゆる地方6団体が意見を言えると、こういう権利がございます。  知事は今日まで、その立場上可能であった手段、つまり憲法第16条に基づき、または全国知事会を通じてその権利を行使してきた、ところが、それでは不十分だったという判断に立ったということでございます。そうであれば、前文で言うところの代表者、すなわち国会議員にならなければ、ほかに方法がないということになるんです。国政に参画するには、まず国会議員になることがその直接的な条件でございます。しかし、そう簡単に国会議員になれるものではありませんから、通常、それが自分にできないときには、代理者に託すことになるわけでございます。  知事は、「これまで知事として」、何度も言います、「さまざまな課題に取り組んできた。地方の政策を確実に推進するためには国政にかかわらざるを得ない」と言われるということは、今日までの国会議員を通じてではその思いがかなわなかった。すなわち、3・11以降在籍していた今までの国会議員は役に立たなかった、こうおっしゃっているわけであります。実に失礼千万と言わざるを得ません。さきにも申し上げましたが、改めて前職の皆様方の御無念をお察し申し上げるところでございます。  話戻します。みずからの思いを伝えるべく、意を同じくする者の代表を国会へ送るための努力をしているのが我々政党人であり、政党活動であります。今までの国会議員が役に立たなかったとおっしゃる以上、直接その思いを国会議員を通じて伝えようとすれば、少なくとも地元滋賀から候補者を出す必要があったのではないでしょうか。なぜ滋賀県の4つの選挙区で候補者を出されなかったのか、その理由をお伺いいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  知事としての県政運営を考えたとき、県内の選挙区から候補者を出すことでの混乱を避けたい、また、全ての県内の政党と等距離でいきたいということが理由でございます。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)先ほど申し上げたように、全ての候補者と全ての政党を知事はもう既に敵に回されたんです。しかるに、候補者を出さなかったから気を使った、こんな話は我々には通用はいたしません。みずからが出ずに、しかも、意を通じた人を地元選挙区から候補者として出さずに、どのようにして国政にかかわろうとしておられるのか、大変理解に苦しむところであります。国会議員にならずに、政党の代表者となることによって、どのような手段でもって国政にかかわろうとされたのか、お伺いをいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  今回は3・11以降初めての国政選挙であります。原子力発電所の潜在的リスクが高い若狭湾に隣接する滋賀県、そして近畿圏1,450万人の水源である琵琶湖を預かる知事として、原発のない社会に向けてのメッセージ、その選択肢を国民に示すことが必要、その中で新党を立ち上げ、志を同じくする方々に集まってもらい、政策実現に向けて、国会の場に私の思いを伝えようとしたところでございます。  国会議員だけが政策をつくるのではなく、政党として政策をつくる。今回の総選挙の結果得た議席は9議席でございますけれども、私自身、党に所属する国会議員とともに、地域の実情、それぞれの抱える課題に即して、社会の枠組みを変える政策を訴えていきたいと考えております。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)だから、我々は地方議員として、それから地方の政党人として、我々の代表を国会に送っているんです。ところが、知事はそういう立場じゃなしに、自分が国会議員にならずに党首であると、私がこの政党を仕切っているんだと。最終政党の決定権は党首にありますよね。ということは、まさに知事は国政のフィクサーとなろうとされたんですか。いかがですか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  国政のフィクサーという意味が十分私理解できていないかもしれませんが、国政の政策に影響を及ぼし、意見を言える立場を求めたということでございます。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)だから、一般党員なら意見を言う立場なんです。ところが、党首というのは最終決定権を持っているんですよ。で、その決定したことに所属国会議員が動くと、国会議員が国を動かす力を唯一持っているというのが憲法前文の精神なんです。どうも知事のされようとしていることは憲法前文の精神に反すると。護憲論者、今は護憲論者である知事が、憲法前文の精神を踏みにじっているんではないかなという気がして。  その次の憲法第15条に行きます。  憲法第15条第2項には、「すべて公務員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」とされております。一般に公務員といいますと、国家公務員と地方公務員がございます。また、地方自治法第147条に、「普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体を統括し、これを代表する」とあります。御存じのとおりです。  憲法第15条第2項に言う「全体の奉仕者」の「全体」とは、国家公務員の場合は国家国民全体であり、地方公務員の場合はその管轄地域全体のことであります。つまり、おのずとその権力行使の範囲が異なるものであって、地方公務員が奉仕すべき相手と国家公務員が奉仕すべき全体とは必ずしもその利害が一致するものではないことは当然のことであります。このことが地方自治法第141条、「普通地方公共団体の長は、衆議院議員または参議院議員と兼ねることができない」の兼職規定となっているゆえんであると考えております。知事の御所見をお伺いいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  地方自治法第141条第1項は、同法第92条第1項で、普通公共団体の議会の議員が衆議院議員または参議院議員との兼職を禁止されているのと同様、その職務を完全に果たすために妨げとなるような職を兼ねることを禁止しているという趣旨であることを理解をしております。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)今知事がおっしゃったのは、時間的な物理的な制約ということかと思います。それやと、さっきからずっと知事の二足のわらじ論というのはおかしいなと思うんです。私は、憲法第15条の2項、これに基づいて問うてるんです。これに対する見解をお願いします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  憲法第15条2項は、公務員の基本的性格を示すものであります。公務員は、国民の信託によって公務を担当する全体の奉仕者として、国民全体の利益のためにその職務を行わなければならず、国民の一部、一階層、一党派の利益のために行動してはならないことを規定しているものと理解をしております。  ただ、あわせて、地方の首長も国会議員も憲法第15条第2項で言う公務員に当たりますが、地方の首長が国会議員を兼ねることは、憲法第15条第2項とそごを生じさせるものではないと理解をしております。現行制度上、その兼職は禁止されておりますが、地方自治法、国会法など、法律の改正が必要であることは十分承知をしております。  これまでも申し上げましたけれども、15条2項で、公務員としての全体の奉仕者であるということをお答えをいたします。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)ごまかさんといてください。国家公務員は国全体、地方公務員はその地域が管轄と、だから全体が違うと、こういう話なんです。滋賀県知事として滋賀県の県益を守ろうとしたら、それは滋賀県の奉仕者であって、他府県にとって県益を損ねることもあるわけです。むしろそうならざるを得ないというふうに思っております。  例えば、私が常に主張しております消費税の地方配分、これの割合を変えてくれという議論ありますよね。これ、知事は全国知事会を通じてとか何とかかんとか言いながら、予算配分を変えてくれとおっしゃってますよね。ところが、国は変えてくれませんよね。こういう問題が、知事が滋賀県の代表者と全体の代表者と違う、だから知事が国会議員を兼ねられないという理屈が、これが憲法第15条の2項に基づく兼職禁止規定に基づいた地方自治法になっているというのが私の解釈なんですが、これについてどう思いますか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  憲法15条2項により、知事が国会議員を兼ねられないということは、議員の御指摘のとおりだと思っております。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)憲法に基づいて兼職禁止規定があるということを認めていただいたと。これ、認めていただくのが大事なんです。認めていただいた。  一方、地域の声を国に伝えるために、地方の首長が国会議員になれるようにすべきだという意見があるようでございます。これをしようとすれば、さきの憲法第15条第2項とそごが生じるというふうに私は考えておりますが、知事のお考えをお伺いいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  首長と国会議員との兼職禁止規定、地方自治法の141条ですが、この1条を廃止をし、また国会法では39条がございますけれども、ここの「地方の首長の兼職は別に法律を定める」として、こういう手続を経ることによって、首長と国会議員との兼職は法律を変えることによって可能となると理解をしております。(「質問は憲法15条2項や。憲法15条2項とそごが生じひんかと聞いてる」)  お答えいたします。  これは昨日もお答えをしましたけれども、公務員の政治活動の問題でございますが、自己の政治的信念に基づき政治活動をすることによって、国民全体の利益のために全体の奉仕者として尽くすことが期待されておりまして、それは地方議会議員あるいは首長であっても認められているというのが、昭和33年の最高裁の判例でございます。 ○議長(佐野高典君) 質問者は、先ほど知事は、憲法を守ります、護憲の立場であります。しかし、今、質問者家森君は、法律を変えなければ知事は国政へ出ることができない、その辺にそごがあるんじゃないんですかという問いかけですから、そこを明確に答えてください。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、法律を変えたら可能だということが、これまでの例えば指定市長会議などでも議論をされております。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)もう1回言いますわ。ずっと整理します。  一番最初、知事は、今のところ憲法は変える必要はないとおっしゃいました。で、憲法15条2項に公務員の責務が書いております。全体の奉仕者であると書いてある。で、国家公務員は国全体の奉仕者、地方公務員はその管轄する区域の奉仕者、知事はその管轄する区域の奉仕者であって、それ以外のところに奉仕する必要はないという、こういう立場にあるわけでございます。ところが、国会議員はそれ以外の人にも奉仕しなければならないと書いてあるわけでございます。これに基づいたのが地方自治法第141条に基づく兼職禁止規定なんです。  だから、国会議員と地方の首長とが兼職をできるような国会法の改正であったり地方自治法の改正をしようとすれば、憲法15条の第2項をさわらないことにはできないんではないですかと。だって、憲法第15条の2項に基づいた考え方であるということは知事お認めをいただいたということは、これ、そうしか考えられないんですわ。だから、憲法を変えずして国会議員と首長が兼務できるというのはおかしいんです。どうですか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  憲法解釈の問題だろうと思いますが、少なくとも私どもがこれまでの議論を整理したところでは、地方自治法の廃止、国会法、そして公職選挙法などの法律改正によって首長と国会議員との兼職は可能となるということを、さまざまなこれまでの研究成果からいただいております。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)さっき、知事は私の論理を認められたんですよ。認められて、今こういう話をしたら、いや違います。おかしいんです。  知事が国政をもっと動かしたいという思いは、嘉田知事、滋賀県知事だけじゃなしに、ほかの46人の知事も全て持っておられて当たり前のことなんです。国への政策提案が全て解決してしまって、私は国にもうこれ以上言うことありません、そんな知事がおられるわけないんです。国の対応は常に不満が残っているというのは致し方のないことだと私は思っております。  そんなこと言いかけたら、全国1,700の市町村長もおんなじことを言い出すんですよ。そしたら、知事は参議院議員にはなれるけれども、市町村長はなれない。そういう論理に、知事の今おっしゃっているような地方自治法の改正やとか国会法の改正、これしようと思うたら、そこまでいってしまうんですよ。そしたら、市町村長が県会議員になりたいと、これもできるわけですか。そんなとこの整理は、知事はどうされてますか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  まず地方自治法の141条を廃止をし、そして国会法の39条に地方の首長の兼職ということで入れることで、知事だけではなくて市町村長も可能となる。また公職選挙法でも、第1項第1号に地方公共団体の長を追加することで、市町村長も可能となると理解をしております。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)そんな小手先の話違うんです。もともとの憲法を変えないとできないんです、それは。さきにも言いましたように、そういうことはできないんです、憲法を変えないと。だから、できないから、地方自治法263条の3の2項で6団体の意見表明権とか、こういう制度がちゃんとできているわけです。だから、地方全体の声、都道府県とか市とか町村とか、6団体ということで意見をまとめたら、地方の意見だということで国に届けてくださいという制度に今はなっているんですよ。まさにそれぞれの役割分担なんです。餅は餅屋なんです。嘉田屋のまんじゅう屋はまんじゅう屋なんですわ。そんなことは書いてあるかどうか知りませんけども。  やっぱり何でもかんでも1人でしようと思うてはるんちゃいますか。ちょっと調子よ過ぎるというのか、傲慢というのか、こうしか考えられない。やっぱりそれぞれの役割、お任せしといたらいいんですわ。それを1人でしようとされてる。  知事、突然ですけど、私が言うたように、知事と政党代表、これ、なかなか両立難しいんですわ。どっちかしかできない。仮定の話、どっちかしかできない、どっちか一方をとって、どっちかやめるとしたら、どっちやめられます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  私は、軸足はあくまでも県に置きながら、国政に対しては、県民益を守るというところの範囲で意見を言っていく、そういう役割を今持っているわけでございます。ここについては、この役割を維持することを考えながら、しかし、先ほど申し上げました、昨日来さまざま批判をいただいておりますので、現在、熟慮中でございます。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)それ以上突っ込んだら、私の考えと違う方向へ行きますんでやめます。  さっきから話聞いてますと、なぜ私がやらなあかんのやと、そんなに人が信頼でけへんと、人に任せられへん、こういう考え方のように聞こえるんです。知事がそんな人に任せられへん、私がやらないかんということやったら、職員さんとの信頼関係というのは全く成り立たんのではないかなと思っておりますが、職員さんとの信頼関係、この間、失われてるというふうには思われませんか。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  3,200人の職員の心の中全てが私わかるわけではありませんが、ここについては、11月末以降、さまざま説明を尽くしながら、なぜ私が今のような行動をしているのか、丁寧に説明をして、全体として御理解をいただいていると思っております。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)もう時間がなくなってきましたので、ちょっと話整理します。  さっきの憲法論議の話も、やっぱり兼職はできないと思います。それと、もう一つ、どうもやっぱり二足のわらじの話、知事の論理おかしいようになってきてると思うんです。最初から整理します。  国政に参画しなければ県の思いが伝わらなかった、こうおっしゃっていたわけです。で、党首であるがゆえに、国会議員でなくても国政に参画できるという知事の論理がさっきありました。その論理からすると、今、党首をやめて国政から撤退すると、こういうことになったら国政へのルートが断ち切れてしまうので、県の思いというのは絶対知事をしておられても国に通じないということなる。将来にわたって知事が知事をずっと続けても、県政は国に通じない、知事の思いは通じない、県政が発展しないということになる。  ということは、知事が今回こういう行動を起こされて、さまざまなこういう発言をされた以上、もはや知事を続けるという論理はどこにもないような気がするんですけどね。  二足のわらじというのは、私は先ほど、憲法上、前文でだめだと、こういうふうに申し上げました。党代表をやめたら、今言ったように、知事の職務は全うできない。つまり、知事をやめるのか、両方やめるのか、もうそれしか知事残ってないんですわ、これ、知事の先ほどからの論理を展開すると。それでもなおかつ知事を続けて、どうして滋賀県民の利益が守れるのか、知事のお考え、お伺いしたいと思います。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  そもそも国会議員の皆さん、既に今、大きな貢献をしていただいております、県政と国会。そこに私が特に申し上げたのは、この原子力の問題を中心にして、全ての県政項目ではございませんので、今の家森議員の論理は成り立たない。つまり、全ての県政項目ではなく、原子力を中心にしながら、この部分が県民の皆さん9割以上がやめてほしいという、この思いが去年の3月以降、私も随分と国に対して申し上げましたけれども、ほとんど伝わらなかった。ここのところの回路、ルートが欲しいということが主なポイントでございますので、家森議員の、党首でなくなれば全て県政の課題が実現できないということの逆の論理にはならないと思っております。 ◆36番(家森茂樹君) (登壇)どうも私の話をよく聞いておられなかったようでございます。  もちろん、昨日も自公の党首会談で、決して原発ずっと頼っていくのではない、いずれなくする方向に行く、こういうことは自公の党首でも合意できてるんです。何も嘉田さん1人がおっしゃっているわけじゃないんですよ。そんなこと心配して、けんか売らんといてください。終わります。(拍手) ○議長(佐野高典君) 以上で、36番家森茂樹君の質問を終了いたします。  次に、5番大野和三郎君の発言を許します。 ◆5番(大野和三郎君) (登壇、拍手)それでは、通告に従って、循環型社会形成と第1次産業の振興について質問します。  環境社会学者でもある知事にとっては釈迦に説法かもしれませんが、時にはその釈迦にもあえて申し上げねばならないこともあります。自然の恵みというと、人それぞれ感じるものは異なり、その数も無数でありますが、言えることは、人間の生活は自然の営みに支えられているということであります。また、私たちが自然から恩恵を受けている状態は、いわば奇跡にも等しいと思えることでありますが、全て第1次産業のおかげであります。  これまでの取り組みについて見てみますと、個別の部分、言いかえれば、組織的に各部署単位としては、それなりの目標を設けて一定の成果を見てきたと思いますが、その取り組みが将来にも、あるいは大局的にもこのままでよいのか、疑問を持つものも多くあります。  例えば、森林に係る政策は主に治山事業あるいは砂防事業でありますし、琵琶湖森林づくり条例を踏まえた琵琶湖森林づくり県民税は、あくまで本県の森林づくりを推進するという視点の事業に与えられています。もちろん、山をつくること、木を育てることは重要でありますが、事、林業という産業振興という面ではどうなのでしょうか。  岡山県に、人口わずか1,600人の西粟倉村という村があります。この村では、村民の雇用と所得を向上するための森の学校という会社を設立し、森林を村で再生する取り組みがなされています。廃校となった学校をオフィス兼工場にし、特に東京のオフィスに国産内装材として売り出して成功しています。本県でいえば、農政水産部、琵琶湖環境部、商工観光労働部の各部が連携しての取り組み事例と言えます。  こうした林業支援について、本県ではもっと政策的、計画的に取り組まなければならないと思います。今は電気柵を設けて、里山近くの田畑への野生獣の侵入を防ぐことに力点が置かれている現状であります。もちろんこうしたことも重要ですが、加えて、将来に向けた長期的視点に立った取り組みを行うべきではないでしょうか。  昔は、里山の雑木や落ち葉は家庭の燃料とされていました。そのために人々は山へ足を運ぶ機会が多かった。当たり前でありますが、ただ、このことが山の自然を育み、野生獣の里への侵入を遮るという良好な関係をつくってきたことは、誰もが知るところであります。  考えてみると、環境というものは、無理につくる環境ではなく、自然の環境をベースに、昔のような環境、先ほど述べた自然体で野生獣との距離を保てる環境を再現する方向を考えるべきときであります。  しかし、もう一度、家庭の燃料をたきぎにすると言っても、これは厳しいことも事実であります。やはりここは仕掛けが必要であります。岡山県の例もありますが、産業や地域づくり進めると同時に、かつ、野生獣が森林、里山内での生活ができ、集落に来ないような環境を整備していくことであります。  ところで、昨今、山を見れば年間を通じて紅葉かと思える風景がございます。ナラ枯れと言われておりますが、本県のナラ枯れの被害の状況はどうかを問います。  この原因と対応について、元関東森林管理局職員の宮下正次さんは、日本中の森に炭をまくことを提案されています。彼は、ナラ枯れの原因は虫ではなく、酸性化した土壌にあると断言されています。当然、酸性化の原因は酸性雨でありますが、怖いのは、その酸性雨が土壌中のアルミを溶かすことで、その溶け出したアルミが木の根を傷め、また川に流れていくことだと言っています。要は、酸性土壌の改善が必要だとのことであります。  群馬県前橋市の敷島公園で、酸性土壌に10キロの炭を入れ、1年後にはかりましたら理想的な土壌になったとの実験結果もあります。まずはこうした地道なことから始めることが、ひいては健康な山林、里山となり、鳥獣のすみかへと変化していく、そして田畑の被害低減につながると考えます。
     農林水産省での研究結果があります。1ヘクタール当たり2トンのバイオ炭を使用すると740万炭素トンが土壌中に貯留されることや、堆肥物や有機物の投入でも200万炭素トンの貯留があると試算されています。この有機物である農畜産農家から排出される堆肥が全て畑や水田に活用できると、まさに循環型の農業となりますが、残念ながら、畜舎に使用されるおがくずがシックハウス症候群を発する新建材も含まれ、全てが活用できないのが現状と聞いております。  本県では、環境こだわり農業ということで、さまざまな環境へ配慮する農業が推進されていますが、この炭などによる土壌改良もその一つであります。米を初め、さまざまな農作物栽培にバイオ炭を使用した農産物は、特に食味がよく、消費者から高い評価を得ていると聞き及んでおります。ところが、良質な食味を生み出すその炭の供給が追いつかず、大きな課題となっております。すなわち、おがくずの原料や炭の原料をどのようにコンスタントに確保するか。  そこで提案でありますが、有機物や炭の生産のために、里山整備や河川内の立木伐採を位置づけ、本来は廃棄物となるものを環境こだわり農業に活用すれば、これこそ本県の本当の環境循環型農業であり、環境先進県を標榜する本県ならではの取り組みと言えるのではないでしょうか。  循環型社会形成推進基本法における地方公共団体の責務は、「循環資源について、適正に環境的な利用および処分が行われることを確保するために、必要な措置を実施し、循環社会形成に関し、自然的社会的条件に応じた施策を策定し実施する責務を有する」とあります。  県の責務として、これまでに述べた森林、里山整備による長期的な鳥獣対策とするために、ここから発生する廃木からの炭の生産、あるいは河川内の立木伐採を利用した炭の生産、その炭による山の酸性化対策や農作物生産土壌改良への活用について、トータルで滋賀循環型社会実験モデルをつくることも含めて、知事の考えを問います。  また、平野で農作物生産に活用されずに琵琶湖へ流入した水は、豊かな水産資源の宝庫となりますが、下水道整備が進んでいるにもかかわらず、琵琶湖固有種の水産資源の減少が現実に起こっております。  去る12月4日の新聞に、先代からアユ養殖業を行っておられる社長が、選挙前に訴えられているコメントが掲載をされていました。それは、「水質はよくなったかもしれないが、魚が自然にふえる環境になっていない。琵琶湖に流れ込む水を自然に浄化させる内湖の復活に期待するが、なぜ魚がふえないか、プランクトンの減少と思うが、汚水処理の仕組みとの因果関係も調べてほしい。魚がすみやすい環境が琵琶湖保全の姿だ」と述べられております。  そこで、本県の下水処理の消毒でありますが、全国的に採用されている塩素注入と聞きます。これは、経費の面で、塩素剤ならば年間の経費が3億円余りで、一方、水質への影響が少ないとされる紫外線消毒にしますと、設備の関係から年間当たり11億円余りの経費がかかり、負担の面からの選択だと推察されます。  日本下水道事業団の研究員橋本敏一氏は、講演で、「放流先に漁業権があって、アユが生息していたり天然記念物の魚がいたりして、残留塩素の影響を避けたい地域では紫外線消毒がされている」と発言されています。まさに本県の琵琶湖は、漁業という産業、また県民生活の安全、安心の観点から、積極的に紫外線消毒を取り入れる地域ではないでしょうか。  コストや効果などの要素も、単に下水道管理という観点からは、より安価な方法をとることになろうと思いますが、そこに滋賀県ならではの琵琶湖の水産業を守る施策という視点も踏まえて、消毒のあり方を根本から見直すことについて、財源確保の面も含めて、知事の見解を問います。  これまで述べたように、本県の山に降った雨は琵琶湖へと流入するまで、その間、里山や平野とともに重要な第1次産業を支えています。この逆のことも言えます。すなわち、第1次産業は山林の保全から琵琶湖の保全に至るまで、なくてはならない、欠かすことのできない産業であるということであります。であるならば、循環型社会形成という面から、今回の提案に係る財源にも関連して、琵琶湖を守る琵琶湖森林づくり県民税の活用の拡大、あるいは新たに循環型社会形成のための県民税のようなものを検討してはどうか、最後に知事にその考えを問いまして、質問といたします。 ○議長(佐野高典君) 5番大野和三郎君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)大野議員の、循環型社会形成と第1次産業の振興についての5問の質問にお答えいたします。  まず1点目の、第1次産業の位置づけでございます。  第1次産業である農林水産業は、安全で安心な食料等の供給という本来の使命に加え、その営みを通じて、美しく豊かな自然環境を保全するとともに個性豊かな地域文化を育み、同時に、子を育て、高齢者を守るという、地域社会、家族を維持する社会的な機能を持っております。あわせて、緑と潤いに満ちた生活の場を提供するという意味で、大変多面的な機能を有していると認識をしております。  こうした機能は、農業においては意欲ある担い手により耕作が維持され、林業においては、間伐を初めとする手入れが継続的に行われることなどによる適正な管理により初めて発揮されるもので、担い手の重要性は大変指摘されるべきと考えております。  こうしたことから、農林水産業が経営面から見ても魅力ある産業として多くの人が希望と誇りを持って取り組んでいただけるものとなるよう、関係機関ともしっかり連携しながら、県として一層の振興に努めてまいりたいと考えております。  あわせて、琵琶湖を抱える本県としては、全国に先駆けて、環境こだわり農業に取り組んできたところであります。この取り組みが広く定着して本県農業のスタンダードとなるよう、引き続き推進を図るなど、今後とも、琵琶湖をしっかりと守るという意識を県民の皆さんと共有しながら、農林水産業の振興に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、2点目の、本県のナラ枯れ被害の現状でございます。  ミズナラやコナラの集団枯死は、平成2年前後から県の北部、湖北地域で目立つようになりました。被害量を平成5年から調査をしておりますが、平成16年までは5ヘクタール前後でほぼ横ばいでありましたが、平成17年以降、増加をし、また、枯れている地域もだんだん県南部に移動してきております。  過去3年間の状況は、平成22年に約23ヘクタール、23年に約11ヘクタール、ことしは約18ヘクタールで、平成22年に次ぐ過去2番目の被害量であります。先ほど申し上げましたように、被害地域、徐々に南下をし、現在、県北部の被害は鎮静化しているのに対し、南部での広がりが見られます。  3点目の、循環型社会形成に資する伐採木の利活用でございます。  国では、事業に伴う副産物の循環的な利用を促進し、循環型社会の形成に結びつけるための基本的な方針として、循環型社会形成推進基本計画を策定しております。平成20年に策定された第2次循環型社会形成推進基本計画では、循環型社会形成の中長期的なイメージとして、地域で循環可能な資源はなるべく地域で循環させ、地域での循環が困難なものについては循環の輪を広域化させていくといった、地域循環圏としてつくり上げてきております。地域間での連携を図りつつ、低炭素社会や自然共生社会とも統合された持続可能な地域づくりを進めるとしております。  議員御指摘の、炭の土壌への投入に関しては、国において炭素貯留による温暖化防止効果が認められていることから、本県では、環境保全型農業直接支払交付金の支援対象に位置づけ、推進をしております。  また、河川の維持管理において伐採した立木については、経済性に加えて、リサイクル推進の観点にも配慮しつつ処分することとしております。引き続き、炭の生産も含め、こうした取り組みについて、工夫をしながら推進を図ってまいりたいと考えております。  さらに、里山の整備などに伴う伐採木竹については、議員の御提案も踏まえ、炭の特性を生かした実証実験に取り組むとともに、炭やまきの利活用についても推進してまいりたいと考えております。  次に、4点目の下水処理における消毒のあり方および5点目の財源確保について、あわせてお答えします。  水中の残留塩素が魚類に対して与える影響については、国内外の調査研究機関等により評価が進められております。流域下水道の浄化センターの放流水中の残留塩素濃度については、滋賀県としても定期的に測定を実施しておりまして、現在のところ、適正な塩素注入量の管理に努めております。  その結果から推定される水域での濃度と、現在までに報告されている魚類に対して影響を与える濃度を比較すると、直ちに見直しが必要であるとは考えられておりません。引き続き適正な塩素注入量の管理に努め、さらに新たな知見の情報収集や放流先の水域の塩素濃度の調査を行い、3年程度を目途に、その結果を取りまとめてまいりたいと考えております。  そこで、見直しが必要であると判断された場合には、議員の御指摘の紫外線消毒やあるいはオゾン消毒などの方法も含めて、代替の消毒方法について検討するとともに、必要な財源の確保についても幅広く考えてまいりたいと思っております。 ○議長(佐野高典君) 5番大野和三郎君。 ◆5番(大野和三郎君) (登壇)それでは、次に、県民が納得する卒原発について問います。  ある情報誌で、こんな見方をしている人がいました。「嘉田知事は、実現不可能な理想論を言い、直後に現実の前に屈服するタイプなのだろうか」。これは申し上げるまでもなく、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を決めたことについて、知事が記者会見で、「再稼働させないと突っ張って、結果的に計画停電になったら責任は持ち切れないと判断した。かわりのエネルギーを供給できるわけもなく、大変無力感を感じながらも、あの判断しかしなかった」と表明されたことによるものであります。その後、それでも卒原発を進めたいと、議会の答弁を初め、いろんな場所で発言をされてきました。  そして、去る11月27日、「地方の政策を確実に進めるには国政にかかわらざるを得ない」「県のため、県民のために決めたこと」と、びわこ宣言なるものを出され、国政にかかわる手段として新党を立ち上げ、その党首となられました。  その宣言の中に、このような文言があります。「リスクが最も高いのは、老朽化した多数の原発の集中立地する若狭湾、つまり福井県ですが、に近い滋賀県、琵琶湖を預かる知事として、国政にメッセージを出さないことは、これまで琵琶湖を守ってきた先人に対しても、子や孫に対しても申しわけが立たない」であります。  しかし、その前に、電力消費県である滋賀県として、これまで電力の供給を受けておきながら、またしても原発立地県への配慮、感謝のない宣言に、私を初め滋賀県で生まれ育った者としては、福井県に対し申しわけが立たないと思うものであります。  さておき、滋賀県知事として卒原発を唱えていても進まないので、国政においてメッセージを出すとされ、党首の名において国民に卒原発を約束されてこられたわけでありますが、我が会派の代表質問で、知事は、「国政についても、政治に対する考えは県政と同じ」とされており、この際、県民が納得する卒原発についての考えを、以下、知事に問うものであります。  今議会開会日の全員協議会の場で卒原発の道筋を訪ねた折、「検討しており、12月4日までには示したい」という発言がありました。12月2日に発表された工程表なるものを拝見すると、今後3年間を原発と電力システムの混乱期と位置づけ、発送電分離や電力会社の経営への対応などを改革し、その後、市場の確立や再生可能エネルギーの普及によって、原発からエネルギーを転換するということでありますが、これだけでは、県民、国民は納得できるものではありません。  知事は事あるごとに、県民の不安を取り除くとよく言いますが、この原発廃止において真に不安を取り除くためには、原発を単にとめるだけではなく、また、とめる工程だけでもなく、とめた場合に懸念される課題、これは県民の生活への影響をどうクリアするかという具体的な対応もはっきりと示すべきであります。  その中で、私は、少なくとも国民生活に影響する3つの課題にどう具体的に取り組むのか示していただきたいと思います。  まず1点目は、電力の安定供給という面であります。何よりも優先してこのことを示すべきです。  県民、国民にとって、これは命に直結する問題であります。病院や交通機関はもちろん、生活を支える電力をどのように安定的に供給するのか。3年の経過措置で電力システムを改革し、その後に市場の確立とは、何とも時間的感覚のない、不安そのものの工程と言えます。原子力でなければ、火力なのか、水力なのか、天然ガスなのか、どの手段で安定供給に責任を持つのかを示すべきであります。  2点目は、価格であります。  関西電力、九州電力では、既に電気料金の値上げに動き出しました。火力発電や液化天然ガスは国際価格に左右され、燃料価格を安定して安く抑えるのは不可能であります。経済の混乱をもたらさないための価格の安定を確保するのか、あるいは、電気料金は上がっても仕方がないのか、税金での対応も含め、国民の負担もやむなしとするのか、はっきりと示していただきたいと思います。  3点目ですが、金融を含めた市場への対応であります。  主要電力会社の社債は約12兆円と言われております。これは社債市場の2割を占めており、電力企業も社債を持つ金融機関への影響は、ひいては中小企業への貸し出しにも影響すると言われております。こうした市場への影響と対応はどうなされるおつもりなのですか。  冒頭述べた大飯原発再稼働の容認を代替エネルギーへの供給に応えられず、無力感を感じた知事が、国政で党首の立場で卒原発を国民に明言されたからには、今度は代替エネルギーの供給までの課題解決にも自信を持たれての発言でなければなりません。  そこで、まず、今述べた少なくとも解決しなければならない3点の課題への対応をお示しください。これは県民への説明責任でもあります。したがって、グラフやデータを用いた数字で、具体的に県民が納得できる答弁を求めるものであります。  結局のところ、工程なるものにおいて、大飯原発の即時停止と再稼働を認めないと表明されました。11月27日の報道では再稼働に言及していなかったものが、12月1日には、原子力規制委員会が安全性を担保し、政府が必要だという判断をした場合、再稼働を認めると、条件的再稼働容認発言がありました。ところが、その午後には、再稼働を容認すると誤解を与えたならおわびする、手続の説明をしたと、わけのわからない釈明がなされております。またもや、冒頭に述べた実現不可能な理想論を言い、直後に現実を前に屈服。そして、今度はもう一度、理想を述べられたのではないでしょうか。  一方、工程では、廃炉計画の策定について、炉の寿命は最長でも40年とわざわざ記載をされております。そもそも再稼働を認めないのなら、この記載の意味がわかりません。これも知事のぶれなのでしょうか。今後、全ての原発の再稼働は一切認めないのか、改めて知事の立場でお答え願いたいと思います。  また、大飯原発即時停止について、次回の関西広域連合会の場でもはっきりと発言され、本県経済団体の前においても即時停止を明言されるのか問います。  さらに、全原発の廃炉への道のりを定めるとされています。この9月に経済産業省は島根と大間の建築再開を認めておりますが、そうなると、この原発は向こう40年は稼働、存続することとなります。工程では、廃炉にする場合の損失に対して財政支援措置を実施するとありますが、こうした建設が再開された施設も即廃炉とされるのでしょうか。であるならば、一体それはどれほどの財政負担になると考えておられるのかを問いたいと思います。  当然、この財政措置は国が行えば税金であり、仮に電気料金であっても、結局は国民への負担となるもの。国民は負担となる財政措置のおおよその額こそがぜひ知りたいところであります。  また、発表された工程には、「使用済み核燃料の乾式貯蔵場所の社会的合意形成」とあります。言い方は社会的合意でありますが、要は場所を決めるということだろうと思います。この答えは、特定しなければ日本のどこかであり、一番難しいところが特定しなければ解決しないところなのです。  さて、そこで問いたいと思います。  仮に社会的合意形成に向けての協議の課程で滋賀県に特定するという議論となった場合、知事はどのような判断をされるのでしょうか。  また、この工程を党首でもある知事が策定された以上、当然考えはあるはずであります。この使用済み核燃料の貯蔵場所について、国益上、滋賀県内も一つの候補と考えているのか。それもやむを得ないと考え、県民に理解を求めることもあるのか、あるいは県民の利益上、滋賀県での保管は今から断固反対するのか、その考えを問います。これは、卒原発においても県民が納得できるか重要な課題であります。明確にお答えください。  総じて、工程なるものには、こうするという文言は踊っていますが、肝心にどのようにするという具体部分が、またあわせて、それに伴う法改正や国民負担の部分が全く見えません。知事が滋賀県のため、琵琶湖のためと言われるなら、このことも当然はっきり示して、県民が納得できる卒原発を訴えられるべきと考えますが、どのようにエネルギー問題に対して県民に説明責任をとられようとしているのか、問いたいと思います。  最後に、政権与党になれない政党の代表である知事の発言は、県政全体の推進を見たとき、かえって本県にとっては大きなマイナスになると、政治に携わる者ならほとんどの者が思いますが、知事はそうは思われないのでしょうか。どんなに知事と党首を使い分けようと、受け取る側、例えば全国知事会などにおいても、他府県の知事は党首の発言と受けとめざるを得ないと思います。  最後に、知事が国政の党首でいることで、県政への影響について、地方から声を届けること以外の影響とその根拠も含めて問います。納得できる答弁を、極めて簡潔にお願いします。  以上。 ◎知事(嘉田由紀子さん) 県民が納得する卒原発について、お答えさせていただきます。  まず、卒原発は日本未来の党の政策でありますが、この場で御質問に答え、県民への説明責任を果たすようにとのことでありますので、お答えをさせていただきます。  まず、大前提として、原発をとめない場合の課題、事故リスク、水、命、自然、どうするのか。また、放射性廃棄物がますます増大をしていく、そこをどうするのか。また、万一事故のときの補償問題、そして国際的な信用、こういうことを大きなリスクとして卒原発を訴えているんだということをまず御理解いただきたいと思います。  議員御指摘の第1次産業の重要性も、福島では本当に原発の後、農業も成り立たない、苦しんでいる、そういう原点から出発をしているという御理解をいただきたいと思います。  まず1点目の、電力の安定供給でございますけれども、ことしの夏を経て、原発稼働ゼロでも電力の安定供給にはほとんど問題ないことは立証されました。今現状で関西電力大飯の3、4号機の2基のみですが、それが仮に停止したままでも、安定供給の問題は決して生じなかったことは実証されております。  グラフでということですのでグラフを出させていただきますが、ちょっと大きくできておりませんけれども、特に供給予備率として、他電力会社からの融通なども入れますと、9電力全体、東日本、西日本、関電と、関電では供給予備率6.5%確保しております。  具体的に今後の安定供給ですけれども、まずは電力の広域融通、それから分散発電の買い上げ、あるいは揚水発電の効果的な活用、また再生可能エネルギーのさらなる普及拡大。特にこの7月の固定価格買い取り以降、急速に拡大しています。  また、需要面でも、需給調整契約の活用など個別の需要者と供給者の契約状態の改善、また経済効率的な節電、省エネ策の拡充などが、電力の安定供給の条件としてございます。  2点目の料金でございますが、原発稼働停止に伴う費用の純増、これは原発停止に伴う費用減とプラスマイナスした残りでございますけれども、電力会社合計で、およそ約1.7兆円となります。これは電気料金にして、平均およそ15%の値上げに相当します。しかし、経済界に悪影響を及ぼすおそれがあるため、卒原発プログラムでは、国が交付国債を3年程度、1.7兆円掛ける3年、約5兆円にわたって与えることで、当面の電気料金の値上げを回避します。  その後、3年後に発送電分離を含む完全電力自由化により、競争的な市場をつくり、電力コストの削減を図ります。同時に、燃料調達コスト低減のための努力。契約形態を多様化し、高コストの石油から石炭、天然ガスへのシフト、天然ガス調達の多様化、石油連動価格との切り離しなどです。  あわせて、徹底的なエネルギーの高効率化により総費用を削減し、あわせて再生可能エネルギーへの急速なシフトにより、化石燃料による電力コスト押し上げの効果を回避していくこととしております。  3点目の、金融市場への影響でございます。  原発不稼働や原発廃炉によって、電力会社は債務超過に陥り、倒産するリスクを抱えております。そのため、交付国債の充当によって、電気料金の値上げ回避と同時に電力会社の倒産を回避し、電力社債による金融市場への悪影響を回避いたします。  ただし、現状のように電力社債が法的に保護されている現状は、独占を前提とする不自然な形態であります。これは段階的に解消していきます。  あわせて、そのために3年間の移行期の間に、発送電分離を含む完全自由化による競争的な電力市場を通じて、金融市場への激変緩和を避けつつ、新たな電力プレーヤーの登場を期待をいたします。  次に、大きな2点目ですが、全ての原発再稼働は一切認めないのかとの御質問でございます。  3・11以降、14基の原子力発電所のある若狭湾岸に隣接する滋賀県の知事として、近畿の水源のリスクを原発から守る、また原子力発電所の再稼働について声をこれまで上げてきましたけれども、知事には原発の稼働についての決定権は持ち得ないという限界を感じてまいりました。  先ほど申し上げましたように、万一の事故のときの水質汚染、生態系破壊、命、そして農林水産業の破壊、また近畿経済への影響、さらに経済、国際的な問題など考えまして、私自身、国政政党の党首を兼ねることとし、原子力発電所依存からの脱却に向けてメッセージを出したいということで、この政治的なメッセージは今後も発し続けていきたいと考えております。  次に、大飯発電所即時停止について明言するかとの御質問でございますが、大飯発電所の再稼働については知事には権限がなく、内心じくじたる思いを持ってまいりました。私としては、関西広域連合の場でも経済団体の皆さんの前であっても、卒原発という政治的メッセージを訴えていきたいと考えております。  特に、経済団体の皆さんの電力料金の値上がりに対する不安が大変大きくなっておりますので、卒原発プログラムの中で、電力料金を上げずに原子力発電所をとめていく、その仕組みについても丁寧に説明していきたいと考えております。  また、4点目の、卒原発工程では廃炉にする場合の損失に対して財政支援措置を実施するとありますが、建設が再開された施設も即廃炉とするのか、その場合どれほどの財政負担になるかということでございますが、議員御指摘の島根、大間、特に大間は活断層の疑いもございます。建設再開をまずは慎重に阻止するということが重要だと思います。  そして、基本的には廃炉とする働きかけでございますが、1つの原発の廃炉、大変大まかなコストですが、約1,000億円と言われております。その場合の財政措置については容易ではないと考えておりますが、国からの補償は税金を入れることになりますので、国からの補償でなく、先ほど申し上げました交付国債などを含めて民間の責任で処分をする、そのときに送電線を買い取る等の措置で債務超過を避けることができると考えております。  次に、5点目の、使用済み核燃料の乾式貯蔵場所の社会的合意形成に向けての協議の過程で滋賀県に特定するという議論になった場合、どう判断するかでございます。  使用済み核燃料、今どんどんふえ続けております。燃やせば燃やすほど。乾式貯蔵の中間処置の設置については、国民的議論が必要でありますが、水源県としての滋賀県としては極めて難しいと、ここに立地するのは極めて難しいと申し上げたいと思います。  次に、貯蔵場所、6点目ですけれども、使用済み核燃料、今の乾式貯蔵場所ではなく、使用済み核燃料の貯蔵場所ですけれども、ここについては、県民の利益上、滋賀県での保管は断固反対するのかとの御質問でございますけれども、近畿の水源をお預かりする滋賀県としては、極めて困難であると考えております。国民的な議論の中で大変重要な課題、これは国際的な議論でもございます。処理できないごみをどんどんふやすのか、ここも含めて、全体としての議論が必要と考えております。  次に、7点目の、県民が納得できる卒原発を訴えるべきだが、そのときのエネルギー問題をどうするかでございます。  エネルギー問題も使用済み核燃料の貯蔵場所の問題と同様、まさに国民的議論が必要でございます。私としては、再生可能エネルギーの導入促進など、県の取り組みをまずしっかりと進めていくとともに、使用済み核燃料の問題、活断層の危険性など、原発を動かし続けることのリスクも含め、卒原発の考え方を引き続き県民に訴えていきたいと思っております。  次に、8点目の1、政権与党になれない政党の代表である知事の発言は、滋賀県に大きなマイナスになると思わないかとのことでございますが、野党であっても国政政党の党首を務めることで、地方自治の現場の声を国政の現場で取り上げ、議論できる機会を多く持てると認識をしております。  国政政党の代表を兼ねることは、多くの県政の課題を解決するという知事としての責務を果たすことになるものであり、県民の利益に資するものと考えておりますが、昨日来の御意見に従いまして、現在、さまざま熟慮中でございます。  次に、8点目の2でございますが、全国知事会などにおいて、他府県の知事は党首の発言と受けとめざるを得ない、知事が国政の党首でいることでの県政の影響でございます。  御懸念の発言に関しては、国政政党の党首としての立場と、今ある制度の中で県政の運営をしていく行政の長としての立場、しっかりわきまえていきたいと考えております。あわせて、全国知事会への参画、国への政策提案など、これまでどおり、知事の職務に力を尽くす所存でございます。  受け手側である他府県の知事初め、国関係の皆様などにおかれても、知事としての真摯なおつき合い、対応をしていただけるものと考えております。  また、類似の立場にあります大阪府市などとも情報交換をしていく必要があると思っております。 ◆5番(大野和三郎君) (登壇)冒頭申し上げましたように、電力の安定供給、電気料金価格、それぞれ代替エネルギー、それぞれの電力の10年後の比率、これを具体的な数字で説明いただきたい。冒頭述べているとおりであります。  あわせて、電気料金、価格、これも具体的に、国民、また事業所負担を、また県民の負担、これも数字で示していただきたい。  3点目の、金融を含めた市場の対応ですが、これも、電力企業の社債を持つ金融機関への影響とあわせて、中小企業への貸し出し影響、いわゆる貸し渋り等が考えられますが、このことも含めた数字で示してほしいとお尋ねしたところでございます。まず、速やかに具体的に説明を数字で願いたいと思います。  なお、2点目に、大飯原発が即時停止を明言されておりますが、この即時停止の行動をどのように起こされるのか。少なくとも、最低でも国や関西電力など電力事業者に即時停止の要望書等の提出を考えておられるのか、承りたいと思います。  なお、3点目ですが、貯蔵場所等、いわゆる核のごみについては、極めて困難、本県においては極めて受け入れは困難ということですが、はっきりと断固反対と県民に対して明言をすべきだと思います。  いま1点。交付国債においては、国民の負担とならないよう電力会社等の営業利益でもって償還する、そういった意味の答弁がございましたが、そもそも本年の3月31日をもって福井県並みの安全協定、原子力安全協定を締結する、そういった県民に約束をしておきながら、隣接県並みの安全協定も結べない、締結できないあなたが、関西電力や経産省に対して、発送電分離も含めたそういった影響力があるんですか、ないんですか。それぞれ速やかにお答え願いたい。
     以上。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  まず、電力の安定供給、電力料金、また金融市場について、今のところ、10年計画の中で具体的な数字を確定しておりません。具体的な数字は今、ございません。この後、具体的に詰めていきたいと思っております。  2つ目の大飯原発の即時停止については、今、即時ということをどう行動していくかということは検討中でございます。  それから、核のごみについては、滋賀県として、かつて余呉で地層処分の議論がございました。そういうことも含めますと、極めて困難であると考えております。  また、4点目、電力会社と交渉する能力もないのに発送電分離ができるのかとのことでございますが、政治というのはぎりぎりと意見を言い続けることが重要と思っております。例えば、みんなの党さんなどは同じ方向を向いております。そういう中で、協力できるところは協力をして意見を言っていきたいと思っております。 ◆5番(大野和三郎君) (登壇)つまるところ、あなたは冒頭私が申し上げました理想論をいまだ述べられている。実現性乏しい理想論を述べておられている。このことは、きょう、それぞれ報道機関の報道で県民が理解されると思います。  ただ、念のために申し上げておきますが、自身の発言に、これは知事でなくても、政治の世界に身を置く者として自身の発言に責任を持つ、これは当然のことであります。しかしながら、あなたの1年数カ月、2年近くあなたの言動を眺めている中で、つまり、あなたの思考回路の中には、自身の発言に責任を持つ、責任をとる、そういった文化が全く感じられない。あえて申し上げたいと思います。  総じて、繰り返しになりますが、10年以内の完全廃炉と公言をされておられますが、安定的な電力がどのように担保されるのか、県民が納得できる根拠がない。少なくとも今時点ではない、示せるデータがないということでありました。答弁は要りません。  以上、終わります。(拍手) ○議長(佐野高典君) 以上で、5番大野和三郎君の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後3時10分 休憩    ────────────────   午後3時29分 開議 ○議長(佐野高典君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。  次に、2番目片信悟君の発言を許します。 ◆2番(目片信悟君) (登壇、拍手)質問の冒頭ですが、ちょっと手続に前後いたしまして、議運の委員の皆さん方には大変御迷惑をおかけしました。心からおわび申し上げます。  それでは、通告に従いまして、地球温暖化対策、そして教育環境の整備と安全対策について、知事、琵琶湖環境部長、そして教育長に質問をさせていただきます。  まず1点目に、地球温暖化対策でありますが、このことについては、以前から本県議会でもたびたび取り上げられてまいりました。言うまでもなく、温室効果ガスの影響による地球温暖化は、大気の状態の変化による異常気象や氷解による海面上昇、また気候変動による生態系への影響など、さまざまな問題が指摘をされ、また、現実にこの影響による被害が発生をいたしております。現在、本県におきましてCO2の削減に向けた取り組みがなされておりますけれども、今回、私はフロン問題について取り上げさせていただきます。  さて、この議場において初めて私の父が、オゾン層破壊物質であり、また強力な温室効果ガスであるフロンについて質問させていただいたのが、今から18年前になろうかと思います。その少し前から、我が滋賀県のストップフロンの市民活動は活発に行われており、全国からも大変注目されました。そしてそれは、今なお現在も継続をされておるところでございます。  最近、以前からこのストップフロンに携わってこられたNPO法人の方から、お訴えをいただきました。ここで、この団体について、その歩んでこられた道のりを少し御紹介をさせていただきます。  この団体は、1993年から活動を開始され、その後、県民運動として広がりを見せたのは、ストップフロンを提唱された市民団体はもとより、それに加えて、地域の電器店の集まりであります滋賀県電器商業組合大津・湖西支部に加盟されていた会社の社長さんたちが、子供の未来のために自分たちでできることをと、大津市と連携、協力して始められた廃冷蔵庫からのフロンガス無償回収をされたのがきっかけ、始まりであります。(資料掲示)当時、こういう形で新聞記事にも掲載をされております。  この努力が県内外に大きな反響を呼び、NHKを初めとするメディアにも大きく取り上げられ、家電製品メーカーのフロン対策を根本から直すきっかけにもなり、全国のストップフロン運動が大きく飛躍したと伺っております。特に、滋賀県のフロン放出禁止条例や国においてはフロン回収・破壊法の成立にも大きな足跡を残され、また、その協調姿勢による啓発活動は、米国環境保護庁、また国連環境計画からの表彰も受けられ、また、国内においてもオゾン保護大賞を受賞されるなど、その功績は多大なものであったと思います。(資料掲示)こういう形でアメリカで受賞されております。  こうした地道な活動を進めてこられたわけでありますが、フロン回収・破壊法が2002年に制定されて以来10年、フロンガスの回収状況は、法が整備されたにもかかわらず、遅々として進んでいないのが実情であります。その中でも、環境熱心県と言われ、本来ならストップフロンに最も熱心であるはずの我が滋賀県の特に業務用フロンの回収実態は、まことに残念な数値として経産省発表がなされております。(資料掲示)こういう新聞記事で、2011年2月に報道されております。  そこに記されている本県が低い数値である要因については、次のことが考えられます。法の運用、つまりフロン回収促進の実践や運営管理に関しては、それぞれの自治体に任されており、自治体の裁量によって回収率や回収量に大きな差が生じるのではないかと思われます。本県においては、初めは熱心だったが、それなりに進んできたから余り重きを置いてこなかったのかと思いたくなります。(資料掲示)ちなみに、このフロンの温室効果というのは、こういうような表で発表されておりますんで、皆さん方、また御承知おきをいただければというふうに思っております。  こういった資料にもありますように、フロンそのものが代替フロンにかわり、オゾン層への影響は減少したと思われたのかもわかりませんけれども、実はこの代替フロンと言われるHCFCやHFCは、CO2とは比較にならない。これはCO2当たりに換算しますと1,200倍から1,800倍の大きな温室効果を有しており、CO2の目標削減、2030年50%を掲げる本県として、これら代替フロンの回収促進は、温暖化防止に対して大きく寄与することは明らかであります。  今日までの私の認識では、フロン問題については本県においては条例が制定され、また一定の法整備が進んだことから、一応の決着を見たと考えておりました。しかしながら、先ほども申し上げたとおり、私なりに詳細を調査した結果、本県でのフロンガス回収実績については驚くほど低いということがわかりました。  そこで、これらの原因と今後の課題、県の対応について、まず琵琶湖環境部長に伺います。  まず1点目に、これまで提示させていただいたのは業務用空調機の回収実態でありますが、この業務用空調機について、その処理、処分のルールを県は持っているのか、お伺いをいたします。 ○議長(佐野高典君) 2番目片信悟君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) (登壇)お答えいたします。  業務用空調機器を廃棄する場合等は、いわゆるフロン回収・破壊法に定められております回収、運搬の基準に従ってフロン類の回収等が義務づけられておりまして、滋賀県独自のルールはございません。 ◆2番(目片信悟君) (登壇)県の独自のルールはないということでございますけれども、では、その業務用空調機の処理、処分はどのようにされているのか、実情をお伺いいたします。 ◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) お答えいたします。  法に基づきまして、各都道府県に登録されております第1種フロン類回収業者が現場に出向きまして、回収装置によりフロン類の回収を行っております。その後、フロン類破壊業者への引き渡しが行われまして、処理されているところでございます。 ◆2番(目片信悟君) (登壇)それでは、業者に任されているということでありますけれども、これらの処理、処分、回収について、その回収の促進のために県はどのような努力をなされているのか、またなされてきたのか、お伺いをいたします。 ○議長(佐野高典君) 答弁者を御指名ください。 ◆2番(目片信悟君) 琵琶湖環境部長、お願いします。 ◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) お答えします。  第1種フロン類回収業者、こちらは県内に約200社ございますが、これらに対しまして立入検査を行い、適正な回収などについて指導しているところでございます。5年で各回収業者に1回以上立入検査ができるよう計画的に実施しておりまして、平成23年度は38件実施したところでございます。 ◆2番(目片信悟君) (登壇)約200社、5年に大体1回程度ということで、23年度が38件。よく聞きますのが、なかなかやっぱりその実態というのが把握し切れていないというのも実情で、ひょっとしたら、ちまたではなかなか、回収、そしてまた破壊処理というのが本当に現実行われているのかなというのが、実際携わっておられる方々の認識でもございます。  そういうことも含めて、なかなか回収率が上がらないのかというようなことも感じるわけですが、そういった結果、実際の実績はどうであったか。過去5年間における回収率の推移をお伺いをいたします。琵琶湖環境部長、お願いします。 ◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) お答えいたします。  都道府県ごとの回収率のデータというものがございませんので、全国のフロン類廃棄時の回収率についてお答えいたします。平成18年度が32%、19年度が27%、20年度が28%、21年度が30%、22年度31%、おおむね30%前後で推移しているところでございます。 ◆2番(目片信悟君) (登壇)それでは、その回収量、数量としてはどれぐらいあるのかお伺いいたします。琵琶湖環境部長。 ◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) お答えいたします。  全国の回収量でございますが、ちょっと細かい数字で恐縮でございますが、平成18年度2,541トン、平成19年度3,168トン、20年度3,773トン、21年度3,601トン、22年度3,894トンとなっております。  なお、回収量につきましては県のほうでも把握してございますので、申し上げます。本県の回収量につきましては、平成18年度、単位がキログラムになりますが、2万3,930キログラム、19年度3万464キログラム、20年度3万820キログラム、21年度3万4,780キログラム、22年度3万7,805キログラムと、年々増加傾向にございまして、全国の回収量の割合の大体0.8%から1.0%を占めているところでございます。 ◆2番(目片信悟君) (登壇)全国の回収量の大体0.8から1%というと、滋賀県の人口規模からいいますと大体1%程度ということになるんで、そういったことになるのかなというふうに思いますけれども、やはりここで思うのは、環境熱心県という意味からいえば、全国に先駆けてそういった数値がやっぱり大きく伸びてくる、そういった実績がやっぱり、全国に対して滋賀県は環境に熱心に取り組んでますよというような評価につながるのではないのかなというふうに思います。  きょうもいろいろと朝から議論がございましたけれども、例えばCO2の問題一つにとってもそうなんですけれども、環境熱心県ということは、こういった一つ一つの実績がやっぱり裏づけをされてこそ、全国の皆さんに、そのイメージ、印象というものが上がってくるのかなというふうな感じもいたします。  また一方で、家電製品のフロン対策については、家電製品再資源化法、いわゆる家電リサイクル法によって、引き取りと処分方法についてはメーカー、生産者に義務づけられた法律がありますけれども、昨今では、チラシ等、(資料掲示)こういった無料回収のチラシを配って宣伝をされております。無料で引き取る業者もふえてきているようにも思います。  これも、法の不備から正規ルートによる処理、処分が行われずに、不正処理がふえる傾向にあると考えられ、これらの製品に含まれるフロン放出がふえるのではないかということが想像されます。県内あちこち車で走っておりますと、不要になったと思われる空調機や冷蔵庫などが野ざらしに置かれているような場面をよく見かけます。  そこで、県内にこうした無料引き取りを行っている事業者はどれくらいあるのか、また県内に何カ所こうした保管場所があるのか、琵琶湖環境部長にお伺いいたします。 ◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) お答えいたします。  いわゆる無許可で不用品の回収を行っている事業者につきましては、県内12の市町で事業者数を把握しておりまして、合計で31社となっております。  また、回収家電製品の保管場所については、同様に県内の14市町で把握をしておりまして、22カ所という報告を受けているところでございます。 ◆2番(目片信悟君) (登壇)今、会社数でいいますと12市町で31社、箇所数でいいますと14市町で22カ所ということでございます。これは一般廃棄物的な扱いになるんで、市町が管理をされたりそういうことをされるのかもわかりませんけれども、家庭用のこうした家電製品の処理についてもやっぱり、先ほども申し上げたように、強力な温室効果をもたらすフロンの対策につきましては、県として、引き取り義務者であるメーカー団体に任せるだけでなく、県内の市町、家電メーカー、販売店などと連携をされて、より強力に不正対策に取り組む必要があると考えます。  一応は法整備もされ、フロン放出防止と回収につきましては特に大きな支援や投資も不要であり、すぐにできる、また費用対効果も大きい温暖化対策であると考えますが、こうした無料引き取りを行っている事業者、また保管者に対して、県はどのような対応をし、今後どのような方策を考えているのか、見解を琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) お答えします。  不用品回収業者により回収された使用済家電製品につきましては、議員御指摘のとおり、フロン回収などの措置が適正に行われていない例が見られることから、国のほうでも本年3月に対策を強化するための方針が示されたところでございます。  家庭から排出された使用済家電製品の取り扱いにつきましては、第一義的には市町で指導いただくことになりますが、県としては、国の方針をもとに適正な指導が行われるよう、研修会を開催するなど取り組んでいるところでございます。  今後とも、市町からの相談がございましたら、丁寧に対応するとともに、必要に応じて連携して立入指導を行うなど、対応していきたいと考えております。 ◆2番(目片信悟君) (登壇)ありがとうございます。今も現在、今の状態であっても、野ざらしにされた家電製品──クーラー、冷蔵庫等、そういったところから漏出するフロンというのも、やはりこれも見過ごすわけにもいかないというふうに思いますんで、やはりこういうところは早急にそれぞれの市町と連携をしていただきながら、立入検査というお話もございましたけれども、やはり一つ一つ潰していくと。潰していくというのは、そういうものをやはり適正に処理していってもらうように指導していっていただくというようなことで、取り組みをお願いしたいというふうに思います。  それでは、次に、全国の自治体ごとに関係団体を会員としたフロン回収・処理推進協議会が設置され、この会が各自治体のフロン処理に大きな影響力を持っていると思いますが、本県では休会状態と仄聞しております。なぜ休会となっているのか、琵琶湖環境部長にお伺いいたします。 ◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) お答えします。  滋賀県フロン回収・処理推進協議会につきましては、平成10年に設立以降、フロン類回収業者の認定や普及啓発を行うなど、フロン類の適正な回収促進に貢献していただきました。  しかし、フロン類の大気中への排出をより強制的に抑制するため、平成13年の家電リサイクル法の施行を初め、フロン回収・破壊法、自動車リサイクル法等、フロン類回収に係る法の整備が行われ、フロン類回収は法により義務づけられたところでございます。こうした情勢の変化等から協議会のあり方を検討することとなり、平成18年から休会することとなりました。 ◆2番(目片信悟君) (登壇)平成18年から休会状態ということですけれども、先ほどの答弁にもありましたように、一般の家電リサイクルにのっとらない処理をして、無料で引き取ってやっておられる業者、不正なというような表現でいくと、先ほどの答弁にもありましたけれども、やっぱり問題のあり方が変わってきているということで、フロンそのものの処理については、今言わはるように、法律なりそういった条例なり、そういった業界の努力によって実際のところは減っているということにはなろうかなというふうに思うんですけども、しかしながら、片やで実態はそういうわけにはいっていないということにいいますと、例えば、この協議会の本来の今までのあり方をもう少し中身を変えて、もう少し今の現状に即した活動をするということも、ひょっとしたら可能なんじゃないのかなというふうに考えます。  やはり私の聞くところによると、フロン全体に非常に大きな影響いうか、責任を持って取り組んでこられたということでありますから、やはりこの会の存在意義というのは非常に大事な部分があるのではないのかなという気がいたします。  今の御答弁ですと平成18年から休会ということですけれども、その会は今現在どういう状況になっているのか、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) お答えします。  平成18年に休止して以降、活動はしてございません。 ◆2番(目片信悟君) (登壇)ということは、今はもう、事務所も何も全て存在しないということでよろしいんでしょうか、琵琶湖環境部長。 ◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) はい、そうでございます。 ◆2番(目片信悟君) (登壇)ということは、今後、この協議会はどのように、どのように活動されるというか、言いかえれば、どのように活用をされようとするのか、もしくはされないのか。休会という状態ですと、会は存在するということになろうかなというふうに思いますけれども、その役割が終わったということになれば、今後どのようにされるのか、琵琶湖環境部長にお伺いいたします。 ◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) お答えします。  協議会の大きな役割でありましたフロン類回収業者の認定業務がなくなったことや、あと、全国的な団体によりまして普及啓発が行われている現状を踏まえますと、活動の再開については困難であるというふうに考えております。  なお、47都道府県それぞれ協議会がございましたが、現在活動している協議会が15、休止中が16、廃止が16となっているのが全国の今現状でございます。 ◆2番(目片信悟君) (登壇)協議会としてそういうことであれば、また実際の、私は協議会が必要か必要でないかというよりも、フロンの処理を今後どうしていくのかというこの観点で、先ほどの御答弁にもありましたように、県としては一生懸命やっていくということでありますので、その方向で何とか現状を改善していくような取り組みをぜひお願いをいたしたいというふうに思います。  それから、温暖化対策ということで、CO2にも少し触れさせていただきたいと思います。  先ほど、原発の話で、CO2のことについては先ほどいろんな議論がございました。ここは身近なところで、私はアイドリングストップということについて少し触れさせていただきます。  県では、条例によってアイドリングストップについて規定をされておりますけれども、私の見るところ、観光バス、路線バス、一部車種によってはアイドリングストップ機能を持つ車両もありますけれども、ほとんどといっていいほど実行されているようには思えないわけであります。この条例の実効性がしっかりと担保されていないように思われますが、それでは県の姿勢が問われるということになろうかなと考えます。  もちろん原発問題に係るエネルギー対策や温暖化対策目的として、節電も大切でありますけれども、実際に本県から排出されるCO2対策について、条例の目的を鑑みて、今後、その実効性を高めるためにどのように取り組まれるのか、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) お答えします。  滋賀県低炭素社会づくり推進条例では、アイドリングストップの実効性を高めるため、駐車場への看板設置等による周知や、事業者に対する自動車管理計画書の提出を義務づけています。  さらに、滋賀県バス協会など関係団体と連携して各種講習会を実施しているところであり、また、滋賀県トラック協会では、燃費データを管理し、エコドライブ活動を実践するグリーンエコプロジェクトに取り組んでいただいているところでございます。  今後とも、アイドリングストップを含めた自動車からの温室効果ガス排出削減に関し、関係団体との連携や制度取り組みの普及啓発に一層努めてまいりたいと考えております。 ◆2番(目片信悟君) (登壇)では、話をフロンに戻させていただきます。  本県はどこよりも環境熱心といいながら、その実態がもし伴わないようであれば、これまで県内で献身的に努力をされてきた方々に対して大変申しわけなく思います。そうした皆さんの努力に報いるのも自治体の責務であります。排気ガス、フロンも同じ空のごみとうたわれるように、回収促進のための具体策を、他県の状況を参考にしつつ、今後の展開をどのように考えていくのか、改めて最後に琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) お答えいたします。  議員御指摘のとおり、県としても、このフロン問題についてはもっと力を入れていかなければならないと認識したところでございます。立入検査や登録手続の機会を利用し、引き続き、法の周知徹底や普及啓発に取り組むほか、まずは、県として新たに研修会を開催するなど、一層の普及啓発、回収促進を図りたいと考えております。 ◆2番(目片信悟君) (登壇)では、よろしくお願いいたします。  では、次、知事にお伺いをいたします。  このフロン問題につきましては、琵琶湖環境部の限られた部署でのみ、また少人数で扱っておられると認識をしておりますけれども、具体的にどのような組織体系で進めておられるのか、知事にお伺いいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)お答えさせていただきます。  まずその前に、お父上様の時代から世代をつないでこの問題に御熱心に対応いただいておりますこと、感謝を申し上げます。  これまで琵環部長がそれぞれお答えいたしましたように、ここのところ、なかなか県としても成果が上がっていないということ、重く受けとめております。今のこの組織体系も、フロンの回収・破壊法は環境政策課、家電リサイクル法および自動車リサイクル法は循環型社会推進課がそれぞれ執行をしておりまして、私が常々言っております横つなぎの政策というところに十分対応できていないということ、反省をしております。今後、検討していきたいと思っております。 ◆2番(目片信悟君) (登壇)今の知事の御答弁にもありましたけれども、これは温暖化対策室だけの問題でなく、建築や食品、観光というようないろんな場面でフロンは使用されております。ぜひとも部局横断的な意思統一が必要であります。
     具体例で、例えば県立アイスアリーナでは代替フロンが使用されているとの話もございました。こういうところで、いろんなところで使われているという実態も含めて、県内の施設も含めて、いろいろとこれからその状況を調査していただきたいというふうに思いますけれども、こうしたことから、何度も申し上げますけれども、このガスの性質上、当然のことながら部局横断的な取り組みが必要ということであります。  また、温暖化対策とは密接にかかわっていると思いますけれども、その連携は十分に果たされているのか、そのあたりも、今、知事の御答弁にもありました。この問題に当たっての評価、組織上における改善点、問題点については今知事の御答弁があったので結構でございます。  それでは、次に、これまでの質問を踏まえて、また示した資料をごらんになった上で、回収率の向上を考えますと、やはり数値目標、これはしっかりと明言をしていただきたいなというふうに思っております。大変重要だというふうに思います。検討するとか鋭意努力するという言葉では、もはや遅きに失するというふうに思います。  そこで、環境問題に大変熱心な知事の言葉で、ぜひ、何年までには何%回収率をアップさせるというような、具体的な数値目標を知事にお伺いいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) 先ほど琵琶湖環境部長がお答えしましたように、県における回収率の算定ができておりません。そういう中で、数値目標、すぐにはお示しできませんけれども、議員御指摘のように、オゾン層を破壊し、地球温暖化に深刻な影響をもたらすフロン類の大気中への排出抑制の重要性を踏まえ、立入検査に加え、新たに県主催の研修会を開催する等によりまして、回収量の増大につなげていきたいと思っております。  また、国のほうで現在、フロン類対策について、回収率向上のための効果的な対策の検討を進めております。県としても国の方針を参考にしながら、回収量の増大、積極的に対策に取り組んでいきたいと考えております。 ◆2番(目片信悟君) (登壇)今、数値目標としては申し上げられないということでございますけれども、何よりも一番に滋賀県がこのフロンについては熱心に取り組んできたというような、そういった自負がやっぱり当時から取り組まれた皆さん方には非常に大きな思いがございます。知事が原発に大きな思いを寄せておられるのと同時に、そういった方々には、この滋賀県からはまずフロンはゼロにしたいんだという、この強い決意というものを切実に私もお聞きをしております。そういった意味で、今は申し上げられないかもわかりませんけれども、そういった条件が整えば、明確にそういったことを断言をしていただきたいということをつけ加えさせていただいておきます。  このフロン問題というのは、地球温暖化問題を考える上で、CO2同様、むしろオゾン層の破壊物質ということを考えると、CO2以上に我々人類にとってもゆゆしき問題であると考えます。  これまで、日本一熱心な運動を展開されてきたNPO団体、また県民、また先輩議員の皆さん、そしてそういった方々の条例化への努力、そして地域挙げて、特に地域の電器店の献身的な活動に報いるためにも、今こそ滋賀県がその手腕を発揮するべきではないかなというふうに考えます。ぜひとも、全国自治体の中で我が滋賀県がナンバーワンとなることを目標にしていただきたいというふうに考えます。  次の質問は飛ばさせていただきます。  温暖化対策につきましては、さきの東日本大震災における福島の事故により、エネルギー問題と関連して大きく様変わりをいたしました。新聞報道では、日本は京都議定書からの離脱というような報道もございました。CO2はもちろんのこと、今、私たちができる温暖化対策はすぐに実行していく。その覚悟と気概をぜひ期待をさせていただいて、次の質問に移ります。  では、次に、教育環境の整備について、大きく2点、特別支援が必要な子供たちの教育環境の整備、そして学校施設における安全性について、教育長に伺います。  特別支援が必要な子供たちが小学校や中学校に入学するに当たっては、その保護者の方々にとって、大変大きな不安と決断が求められると思います。普通学校に通わせたい、しかし大丈夫だろうか、通わせられるだろうかといった不安もありますし、また、就学相談をされますと特別支援学校を進められるなど、子供たち同様に、保護者にも大きな心の負担となっていると思います。こうした皆さんの不安を取り除くことこそ、行政の役割ではないかというふうに考えます。  そこでまず初めに、県内の公立小中学校において、特別支援学級の現状はどのようなものか、県教委としてどのように把握をしておられるのか、お伺いをいたします。教育長。 ◎教育長(河原恵君) (登壇)お答えいたします。  特別支援学級の現状ですが、市町立小中学校の特別支援学級の在籍者は、この10年間で約2.4倍に増加し、本年5月1日現在、2,902名の児童生徒が小中学校に設けている796の学級で学んでおります。  また、そのうち知的障害を有する児童生徒は1,710人で、全体の6割弱、自閉症、情緒障害を有する児童生徒は1,012名で、3割を超えている状況です。  県教育委員会といたしましては、市町教育委員会から特別支援学級の状況について報告を受けるとともに、指導主事が各学校を訪問して、児童生徒の実態を直接把握し、障害の程度に応じた対応が十分でないときには、就学について指導、助言を行っております。 ◆2番(目片信悟君) (登壇)次に、大津市議会においては、さきの定例会において、小中学校における肢体不自由児に対する支援状況とその実情、その今後の方針についての質問がなされました。このことについて、大津市は県に要望する旨の答弁をされておりますが、大津市に限らず、県内の市町においても同様の問題を抱えておられると推察をいたします。中には、独自で介護支援員を置く自治体もあると聞いております。  また、県におかれましても、今議会に特別支援教育振興費として、学校生活サポーター配置事業における補正予算が計上されておりますが、これは県立学校を対象としたものであります。また、県下の市町に対してはどうなのかということを考えるわけであります。地域によって、また学校によって、こうした介助をボランティアの方たちにお世話になっているとも仄聞をいたします。  県内におけるそれぞれ市町によってまちまちの状況では、知事の目指す住み心地日本一にはほど遠いというふうに考えますが、今後、その対応についてどのように取り組まれるのか、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(河原恵君) お答えをいたします。  特別支援教育支援員の配置につきましては、各校1名を基準に国による交付税措置がなされており、人数に差はあるものの、全ての市町に配置されております。  また、県教育委員会におきましては、各特別支援学級に、県単独措置として非常勤講師118名を追加配置しており、加えて、通級指導教室の指導に当たる教員についても52名を加配しております。  これらのほか、市町においては、議員御指摘のとおり、独自に特別支援教育支援員を増員したり、ボランティアによる支援などを行っているところもございます。  一方、特別支援教育支援員の制度などを十分に活用していない市町もありますことから、今後、県教育委員会といたしましては、制度の活用を一層促すなど、市町を支援するために、できる限りの対応をしてまいりたいと考えております。 ◆2番(目片信悟君) (登壇)私も実際、小学校のPTA会長を6年間、今も現役で中学校のPTA会長をやらせてもろうてますけれども、やっぱり学校現場というのはなかなか大変な学校もあります、いろいろと回らせていただくと。そういった中で、やっぱり学校によっては入学される児童さんも毎年毎年変わるわけですから、なかなかやっぱり統一してどうやという基準というのはなかなか設けにくいという現状もあろうかなというふうに思いますんで、そのあたりは、やはりきめ細かく、全体を県教委として見ていただくというのが私は重要なことやというふうに思いますんで、そこはぜひともしっかりと注視していただきたいというふうに思います。  それでは、この項の最後に、折しも今議会においては野洲養護学校の増設についての議論もなされております。先ほども申し上げましたけれども、就学相談をされますと、特別支援学校を進められるというような状況が少なくないというふうに仄聞をしております。また、保護者の思いというものにも最大限に配慮すべきだと考えますけれども、このような就学相談の状況を踏まえ、今後の方針について、支援学校を充実させていくのか、それとも小中学校における特別支援を充実させていくのか、県教委としてはどのようにお考えか、教育長にその見解をお伺いいたします。 ◎教育長(河原恵君) お答えいたします。  就学指導や就学相談は、一人一人の児童生徒に最もふさわしい教育を行うという視点に立って、総合的に行うことが大切であります。  そのためには、保護者に十分に情報提供し、意見を聞く機会を設けるとともに、専門的知識を有する者の意見を聞くこととしており、保護者の思いを最大限に配慮しながら相談を進めていくことが重要であります。その上で、特別支援学校と小中学校の特別支援教育のいずれの環境も充実させていく必要があると考えております。  また、望ましい就学指導のあり方につきましては、今年度、県就学指導委員会に諮問をし議論していただいているところであり、こうしたことを踏まえて、より適切に就学指導ができますよう、市町教育委員会に指導、助言をしてまいります。 ◆2番(目片信悟君) (登壇)両方と充実させていただければそれは結構な話でございますけれども、ただ、1つ気をつけなければいけないのは、それぞれの保護者のお考えによって、その子供さんに対する接し方というのは全然また違います。片やでは支援学校へ入れたいと思われる保護者の方もいらっしゃいますし、逆に、いや、うちは普通、普通ちゅうのか、小中学校の特別支援教室でお願いしたいんだという、そういった保護者の方もいらっしゃいますんで、そのあたりは本当にデリケートですんで、本当にきめ細かく、それぞれの県内どの学校においてもこうなんだという、教育の充実という意味で、その点は注意して取り組んでいただきたいというふうに思います。  次に、県立高等学校の学校施設環境について伺います。  特に、県立学校の体育施設について、例えばグラウンドの防護ネットの破損、また高さ不足による事故やけがが多発ちゅうのか、発生しているという話をお聞きしました。実際に私も幾つかの高校を拝見いたしましたけれども、不安を覚える箇所が見受けられたということも事実であります。  そこで、県立学校におけるこうした施設状況に関連した事故、またけがの件数は過去どれくらいあるのか、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(河原恵君) お答えをいたします。  県立学校の体育施設に関連する骨折などの大きなけがを伴う事故についてですが、過去3年間を見ますと、平成21年度と23年度には1件ずつの報告がございました。また、今年度、平成24年度は、現在まで重大な事故の報告はございません。  なお、このほか軽微なけがにつきましては、平成23年度1年間で見ますと、10件程度となっております。 ◆2番(目片信悟君) (登壇)高等学校あたりになってきますと、やはり何があるかわからないという、県が管理する学校という意味で。そういったことで、そそういったお話を幾度となく、ヒヤリハットとしたような事例は現在も聞いております。ですから、そういったことで、具体的にそういった問題箇所というのがもしあれば、今後その対応をどのようにされていくのかということについて、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(河原恵君) お答えをいたします。  大きなけがを伴う事故報告があった場合はもちろんのこと、軽微な場合についても、現場確認を行い、直ちに必要な改善や補修を実施したところです。また、施設や設備の定期的な安全点検を行い、危険が予測される場合には、防球ネットのかさ上げや補修、グラウンドの土砂の補充や整地、バレーボールの支柱の軽量化等を行い、事故を未然に防止するよう努めてきたところでございます。  さらに、安全面に配慮して、練習場所や練習内容を見直すなどの対応をしております。 ◆2番(目片信悟君) (登壇)ありがとうございます。次の質問はもうやめておきます。  そういった危険箇所というのは、今、体育施設というような観点で言いましたけれども、学校現場で、やはりどんな事故が起こるかわからない。きょうの新聞でしたかニュースでしたか、作業用エレベーターの下に人が落ちて亡くなっていたというような事故もある。以前、マンションのエレベーターでは挟まれて亡くなったとか、いろんな、何が起こるかわからないというようなところで、今、体育施設を例にちょっと御質問させていただきました。  子供の安全というのは、起こってから、起こってから、ああ、こうやっておきゃよかった、何が原因やという、当然原因追及も大事なんですけども、起こる前にありとあらゆる手立てを打って、それを未然に防ぐということが第1の目的で、子供の安全というのは、やっぱり守られてこそ初めて丸ということになろうかなというふうに思いますので、事故が起こった後の対応というのはこれは誰でもできるわけで、起こる前にどうするかということに、これはやっぱり腐心していただかなきゃいけないというふうに思いますんで、引き続き、子供の安全のための取り組みというのを怠ることなく、ぜひとも強力に進めていただきますように要望させていただいておきます。  終わります。(拍手) ○議長(佐野高典君) 以上で、2番目片信悟君の質問を終了いたします。  次に、15番成田政隆君の発言を許します。 ◆15番(成田政隆君) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして、2項目にわたって質問をさせていただきます。  ここ大津の地は、比良、比叡、田上山地があり、これらの山々は、かつては美林を構成しておりました。しかし、奈良時代の乱伐や戦国時代の焼失等により荒廃し、地質が花崗岩であることから風化が促進され、はげ山となって、大量の土砂を流出させてきました。  このため、1680年代の古くから治山事業に取り組み、水源山地の土砂どめ工事やデ・レーケの指導を受けたオランダ堰堤や、現地の花崗岩を活用した治山工法や山腹工事でのハゲシバリの活用、航空実播工の早期導入に取り組み森林の復旧に努めてくるなど、水源の森の保全に向け、昔から取り組みを行ってまいりました。  このたび、衆議院選挙において、嘉田党首の日本未来の党はびわこ宣言を打ち出し、そこで、「原発事故の潜在的リスクが最も高いのは老朽化した多数の原発が集中立地する若狭湾に近い滋賀県、琵琶湖である。琵琶湖は近畿圏1,450万人の命の水源であり、その琵琶湖を預かる知事として、このまま国政にメッセージを出さないことは、これまで琵琶湖を守ってきた先人に対しても、子や孫に対しても申しわけが立たない」と宣言されております。  まず初めに、今回の衆議院選挙で訴えられた原発事故へのリスクについてですが、党首でなくても、知事としてでも十分に発信できたのではないでしょうか、お伺いいたします。  逆に、党首になり、日本未来の党が惨敗の中、今後の原子力施策において大きな混乱を起こしてしまったのではないかと考えるが、知事の所見を問います。  元来、水源を守ってきたのは森林であります。その水源を守るために、これまでどれだけのことをしてきたのでしょうか。森林は我々にきれいな空気や水を供給し、先人は、「文明の前には森林があり、文明の後には砂漠が残る」という言葉も残しています。  森林は現在、荒れ放題であります。先ほどの質問にもありましたが、ナラ枯れ、獣害、林業の停滞、造林事業の失敗等、今もなお森林の崩壊が進んでおります。日々、被害が悪化している森林にもっと目を向けて、施策を講じていく必要があるのではないでしょうか。知事として、原発事故の心配も大切でありますが、琵琶湖の水源を守るために、もっとやるべきことがたくさんあるのではないでしょうか。  水源の森を保全するための施策について、以下、質問を行います。  森林の水源涵養機能は、江戸時代の儒学者たちによって治山治水が叫ばれて以来、人々に最もよく知られた森林の機能の一つであり、いわゆる森林の公益的機能の中心に位置づけられてきました。水源涵養機能は、通常、洪水を緩和する機能、水資源を貯蓄する機能、水質を浄化する機能の3つの機能があると言われております。  とりわけ、戦前の日本の森林に広がっていた広葉樹は、根を横に張り、落ち葉が腐葉土層を形成し、降った雨を吸収するスポンジの機能を果たし、高い保水能力を保っておりました。水源を守るための森林の役割についてどのように考えているのか、知事にお伺いいたします。  原生的自然林においては、いろいろな樹種から構成されており、巨木、中層木、林床植生など多層の緑で支え合い、古木が寿命で枯れると、その後に後継樹が芽吹いて成長するなど、安定した森を構成してきております。それにより、保水力や土砂災害を防ぐ水土保全、環境保全面でも高い森の力を持っていると言えます。  しかし、鹿の食害によるササ原全体にわたる枯死と樹林内の林床の喪失は、著しく森の力を弱めることになり、獣害により山の荒廃を進めてきております。今年度、高標高域・奥山地域の植生保全対策および捕獲方法の検討等も行われたところですが、獣害対策の来年度に向けた意気込みについて、知事にお伺いいたします。  滋賀県造林公社において、昨年9月に中期経営改善計画が出され、本年3月からびわ湖造林公社と合併をしました。経営評価結果において、公社林は環境保全という観点から重要な森林であることから、公社としての一層の経営努力はもちろんのこと、滋賀県に対し適切な支援、協力を求めていきたいとされております。滋賀県造林公社の不採算林の維持管理をどのように行っていくのか。あわせて、採算林の伐採後の対応に関して、どのように山の管理を行っていくのか、琵琶湖環境部長にお伺いいたします。  現在、山の所有者の高齢化、所在不明等、森林の保全をしようにも、対応がとれない状況下にあると仄聞します。とりわけ、木材価格が下がってしまい、土地所有者は、もうけにならない財産を何もせずに放置し、管理をやめてしまい、間伐されない森がふえることになりました。これがさらに隣接市との境界をわからなくさせてしまう結果となっております。  さらに、親の財産を相続しても、それがどこかわからない、さらには相続の手続を放置している場合も出てきております。これが今後年数を重ねると、さらに事態は深刻化すると言えます。そこで、早い段階の取り組みが必要であると考えますが、森林の所有者の把握、境界確定に向けた支援、取り組みについて、どのように行われるのか、琵琶湖環境部長にお伺いいたします。  2008年のユニセフと世界保健機関の報告によると、世界中で8億8,400万人が安全な飲料水を利用できないとされ、8人に1人は、汚染の危険性がある水源の利用を余儀なくされているとされています。また、国連の報告によると、2050年には現在の世界人口の半分、35億人以上が水不足に直面するとされており、世界の水をめぐる状況は深刻化していると言えます。  そんな中、日本の林業の低迷から水源地の価格が暴落しているために、水資源の獲得に向けて、外国資本による水源地である森林を買収する動きが2006年以降目立っております。林野庁によると、2006年から2011年までに都道府県に届け出のあった外国人の法人や個人による森林の売買契約は55件、765ヘクタールに上るとされております。滋賀県において、外資買収の状況について、現状をどのように把握をされているのか、知事にお伺いいたします。  あわせて、水源地域内の土地売買契約の事前届け出を義務づける条例が、現在、北海道、埼玉県、群馬県、茨城県において制定され、山形県、福井県、長野県においても条例化に向けて検討中でありますが、滋賀県においても水源を保全するため、水源地域保全条例の制定も必要でないかと考えますが、知事にお伺いいたします。  先日、大津市の大物の百間堤にお伺いいたしました。大物と南比良とを境にして流れる四ツ子川には、2つの村の上流で大きく曲がって流れていたために、大雨が降るたびに曲がったところで堤防が壊れ、田畑や人家にたびたび災害を起こしてきました。  それに対し、1852年に、その地域をおさめていた大名が農民たちの訴えを聞き入れ、若狭の国から石積みの名人を呼び寄せ、近くに住んでいる住民を雇い、川が曲がっているところにたくさんの石を積み上げました。その長さが百間、180メートル、高さは3間、5.5メートルになっており、この百間堤の完成で、大物南比良の集落を洪水から守るとともに、約100戸の生活用水と30町歩の田畑を潤すことができたと言われております。  現在、四ツ子川には、土砂災害に対応するために堰堤がつくられておりますが、土砂もたまっており、川の中には雑木が生い茂っている状況であります。近年のゲリラ豪雨等により、仮に土砂が流れ出たら、川の中の雑木が堰堤に引っかかり、それにより人家のほうに一気に水が流れでるのではないかと心配の声を聞きました。  近年、ゲリラ豪雨が多発する中、砂防ダムや堰堤の機能について、満砂からも効果を発揮すると言われておりますが、砂防堰堤の近隣地域の住民から心配の声も上がっている状況でございます。砂防ダムや堰堤の施設点検の状況はどのようになっているのか、土木交通部長にお伺いいたします。  あわせて、山間部の河川の管理に関して、現状どのような状況にあるのか。また、雑木等樹木が生い茂った際の対応をどのようにされているのか、土木交通部長にお伺いいたします。  日本の近代化以降、山地保全事業は砂防事業と治山事業に分かれ、砂防事業は保全対象が事業地の下流の生命、財産であり、土砂災害防止を直接の目的とされており、一方、治山事業は、健全な森林、山林を維持回復させることにより森林の機能を効果的に発揮させようとするもので、保全対象は森林、山地そのものであります。いま一度、土砂災害の防止に向けて、荒廃山地の復旧を行うとともに、渓流の回復を行っていく必要があると言えます。  水源の森を守り、そこから流れ出る川を自然の状態にしていくことが、本来、琵琶湖を守るために必要な策であると言えるのではないでしょうか。  2009年、群馬県みなかみ町において、治山事業を管轄する関東森林管理局は、渓流環境復元のため、AKAYAプロジェクトエリア「赤谷の森」において、治山ダム本体の中央部撤去工事に着手しました。AKAYAプロジェクトは、群馬県みなかみ町新治地区の地域住民で構成された赤谷プロジェクト地域協議会、林野庁関東森林管理局、日本自然保護協会の3団体が協働し、生物多様性の復元と持続的な地域社会づくりを進める、国有林における生態系管理のモデルプロジェクトでありました。  また、アメリカにおいては1,000以上のダムが撤去されており、河川の生態系の復元、干潟に良質な砂の堆積など、自然環境の回復が見られております。日本においても、荒瀬ダムが本年9月1日より本体撤去工事が始まり、今後、ダム解体後の川の再生がどのようになっていくかというのは注視すべきものであると言えます。  今後、砂防ダム等を点検していく中で、老朽化しているダムを取り壊し、生物多様性の復元を図っていくことも1つの方向性として考えられますが、知事のお考えをお伺いいたします。  あわせて、コンクリートで固められた河川の状態から、自然に配慮した河岸に戻すことにより、川と人がつながっていき、川を大切にする気持ちが高まっていき、その結果、琵琶湖の保全にもつながると言えますが、河川のこのような自然河岸化に対する知事のお考えをお伺いいたします。 ○議長(佐野高典君) 15番成田政隆君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)成田議員の水源の森の保全についての御質問にお答えさせていただきます。  まず1点目の、原発事故へのリスクについては、党首でなくとも、知事として十分に発信できたのではないかとの御質問でございます。  去年の3・11以降、14基の原子力発電所のある若狭湾岸に隣接する滋賀県の知事としては、原発のリスクから近畿1,450万人の命の水源を守るため、原子力発電所の再稼働について、さまざま声を上げてまいりました。特にこの4月以降、大飯の3、4号機については、現場を視察しながら、その安全性の担保など、声を上げてまいりましたけれども、知事には原発の稼働についての決定権は持ち得ないという限界を感じました。  今回、私が国政政党の党首を兼ねることとしたのは、原子力発電依存からの脱却に向けて、国政にメッセージを出さなければならないと考えたからです。議員御紹介のびわこ宣言の中にも、その旨、盛り込ませていただきました。  また、これまで一地方の知事では届かなかった声が広く国民に認識されるとともに、国政の場に直接響くことも実感をいたしました。原子力依存からの脱却に向け、国政の場で選択肢を提示できたことは、成果があったと考えております。  次に、2点目の、党首になり今後の原子力施策において大きな混乱を起こしたのではないかとの御質問でございますが、原子力依存からの脱却というメッセージは今までと変わるものではなく、県政においては、地域防災計画の見直しや安全協定の早期締結など、県民の安全、安心を守るために、重要な施策を着実に推進していく所存でございます。  次に、2点目の、水源を守るための森林の役割についてでございます。  議員御指摘のとおり、森林には、洪水を緩和する機能、水資源を貯留する機能、水質を浄化する機能などがございます。特に滋賀の森林、県土のほぼ半分を占めておりますけれども、これは琵琶湖の水を育み、人々の暮らしと切り離すことができない滋賀特有の森林文化も形づくってまいりました。何ものにもかえがたい、貴重な役割を果たしていると考えております。  3点目ですが、ただ、一方で山の荒廃に対する課題、大変大きいものがあります。獣害対策は特に、私も現場を歩きますと、下草がほんとになくなっていて、また、ちょっとの雨で赤い土が流れ出すということで、改めて森林の荒廃、獣害対策の重要性を感じております。  特に、ニホンジカについては捕獲を推進することにいたしまして、今年度から奥山・高標高域での植生保全、また捕獲方法の検討を始めるとともに、森林生態系被害が深刻になっている現状を定量的に把握するため、森林衰退度調査を実施したところであります。  また、水源の森としての機能は、一旦失われると、回復するためには大変長い年月が必要となります。今後は、こうした調査、検討結果を踏まえ、市町や関係者と緊密な連携をとり、効率的かつ確実な捕獲を実施し、より早期に生息密度の低減を図り、森林の保全に努めていきたいと考えております。  次に、6点目の、外資による森林の買収状況でございます。  私自身、2000年以来、世界水フォーラムの各種の委員をやりながら、この国際的な水の問題、いろいろ勉強もしてまいりました。そういう中で、今忍び寄る外資による森林買収でございます。大きなリスクと思っております。  まず、山林の所有権については、土地取引に対する国土利用計画法による届け出、また2点目は、本年4月に始まった森林法による森林の土地の所有者届け出、また3点目ですが、毎年、県で実施する山林地域の土地の所有権移動調査により把握をしております。  また、平成23年度に庁内関係部局による連絡会議を設置するとともに、市町、森林組合と連携し、情報の把握に努めております。  これらにより把握する限りにおいては、これまでのところ、本県では外資による森林買収の情報は確認されておりません。しかし、いつどこでそのような手が伸びてくるかわかりませんので、ここについては、各地元の森林組合、また土地所有者情報を集めながら、きめ細かく対応していきたいと考えております。  次に、7点目の、水源地域保全条例の制定についてお答えいたします。  外国資本による森林の土地取引における問題は、全国的、国際的な問題であります。国では、水を公共的な財産であることを明確に位置づけた水循環基本法案が議論されております。この水循環基本法案について、直接私もこの研究過程でかかわってまいりました。特に琵琶湖を中心にした統合的流域管理の事例なども入れていただく働きかけもしてまいりました。  そういう中で、このような国の動きは注視をして、御提案の条例制定も含め、県として何ができるのか、研究をしたいと考えております。  次に、9点目の、老朽化している砂防ダムを取り壊し、生物多様性の復元を図ることについてでございます。
     議員が言われるように、砂防堰堤は、土砂がいっぱいになってしまってからもその効果は発揮されます。土砂をためる効果があるのはもちろんですが、満砂してからも、渓流の勾配が緩くなることで河道の浸食を防止したり、堆砂により川底が上がることで、山腹の崩壊を防止するなどの効果があります。このように、砂防堰堤は満砂してからも効果を発揮し続けるもので、長い年月の間に周辺の自然景観にもなじんでいくものであります。  本県にあります歴史的な砂防堰堤としては、明治時代に草津川上流のデ・レーケが計画、つくったというオランダ堰堤、あるいは天神川上流の鎧堰堤がございます。これらも100年以上地元になじみ、しっかり自然景観にもなじんでおり、今でもその効果を発揮し続けております。  しかしながら、一方で、不透過性の砂防堰堤には、河川の上流、下流の連続性を分断して水生生物の移動を妨げることから、生物多様性の観点からは大きな課題がございます。このため、近年では透過型の砂防堰堤を設置するなどして、河川の上流、下流の連続性の確保に努めております。  このような砂防堰堤の特性から、本県には、砂防堰堤の効果がなくなり取り壊してもよいものは現時点ではございませんが、砂防堰堤の整備に当たっては、施設の計画段階から必要に応じて、滋賀県生物環境アドバイザー制度に基づき生物の専門家の意見を取り入れるなど、生物環境への配慮を行っております。  最後に、河川の自然河岸化に対する考え方であります。  河川の総合的な整備管理の基本法である河川法は、明治の治水、昭和の利水にプラスして、平成9年にその理念が大きく転換され、治水利水にプラスして、河川環境の整備と保全がつけ加えられました。この目的のもとで、河川改修により治水機能の向上を図る際には、同時に、河川が本来有している生物の生息・生育環境や河川景観を保全、創出する多自然川づくりを行うことを基本としております。  実際に、コンクリート護岸の河川を拡幅する場合等には、人が水辺に近づきやすい緩い勾配の河岸整備や、階段を水辺につける親水護岸、あるいは自然環境に配慮した材料を使用するなどの取り組みを滋賀県としても行ってきております。  また、ふるさとの川づくり協働事業によりまして、除草などの河川愛護活動を、地元の皆さんの活動を支援するために、川におりやすくする階段、通路の整備なども行っております。  今後とも引き続き、地域の皆さんが地域の河川を愛し、ふるさとの川として愛着を持って守り育てていただけるよう、川と人が近づくつながり、自然豊かな川づくりとなるよう、県としても総合的に進めてまいりたいと考えております。 ◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) (登壇)4点目の、造林公社の不採算林の維持管理と採算林の伐採後の山の管理についてお答えします。  まず、造林公社の不採算林につきましては、分収造林契約を解約し、返還後は土地所有者に維持管理していただくこととしております。  次に、採算林につきましては、自然の力による植生を促し、広葉樹林等を目指すこととしておりまして、一度に伐採せず分割して伐採することとしており、返還後は不採算林と同様、土地所有者に維持管理していただくこととしております。  県としては、不採算林、採算林の区分にかかわりなく、返還後も水源の森をしっかりと保全するため、造林事業や環境林整備事業、保安林指定などにより、支援をしてまいりたいと考えております。  次に、5点目の、森林所有者の把握や境界確定に向けた支援、取り組みについてお答えします。  平成23年度より、琵琶湖森林づくり県民税を活用した放置林防止対策境界明確化事業を創設し、森林所有者の把握と境界の明確化を推進しております。地元の古老の方を初め、森林組合や林業研究グループ等の協力を得ながら、集落会議や登記簿調査などの事前調査、さらには所有者の立会による現地調査、測量等に取り組んでいるところでございます。 ◎土木交通部長(美濃部博君) (登壇)8点目の、砂防ダムや堰堤の施設点検の状況はどのようになっているのか、また、山間部の河川管理に関して、現状どのような状況にあり、雑木、樹木が生い茂った際の対応はどのようにしているのかについて、お答えをいたします。  まず、砂防ダムや堰堤の施設点検の状況についてです。  砂防堰堤の施設点検につきましては、日常的には、砂防指定地見張員制度によりまして、砂防指定地の巡視や砂防施設の点検を、原則として月2回行っております。  砂防指定地見張員制度とは、砂防指定地見張員設置要領に基づきまして、砂防指定地の実情に精通されておる40名の方々により、各土木事務所の管内ごとに、決められた範囲の巡視、点検を実施していただき、その結果を各土木事務所長に報告してもらう制度でございます。  また、毎年6月の土砂災害防止月間には、県の砂防担当職員が、市町職員や地元の皆さんの御協力を得て、各土木事務所単位で主要な砂防施設の点検を実施しております。  これらの点検により、施設の異常等の早期発見に努め、修繕が必要と判断した箇所につきましては速やかに対応し、施設の適正な管理を行っておるところでございます。  次に、山間部の河川管理に関して、現状どのような状況にあるのか、また、雑木等が生い茂った際の対応をどのようにしているのかについて、お答えします。  今申し上げました砂防施設の点検結果からは、現時点では大規模な修繕を必要とするような箇所はないものと認識しております。  また、先ほど知事から答弁させていただいたように、砂防堰堤は満砂になってからも効果を発揮し続けるものでございます。満砂により勾配が緩くなった堆砂敷や河道内には雑木が生い茂るなど、自然が自然と復元されてきます。このような雑木等につきましては、土砂の流出を抑える効果があり、通常はそのままの状態で保持しておりますが、河道内の治水上、支障があるような大木等につきましては、速やかに伐木を実施し、本来の治水機能を確保することとしております。 ◆15番(成田政隆君) (登壇)再問させていただきます。  結局、今回、原発に対してさまざまなメッセージを出されておりますが、今回、候補者の擁立に関しても過半数に達してない状況、いわば政権をとれない状況で、どういう形でこの政策を実現しようとしていたのか疑問であり、結局、メッセージを出したものの、政策実現にはほど遠いんではないかと考えますが、そのあたり、いろいろな場面でメッセージを出すんだったら、やっぱり知事でもできたんじゃないかなと考えますが、そのあたりはいかがお考えでしょうか。  また、これらのメッセージがさまざまな場面で言われることによって、今後、安全協定とかに対しても多大なる影響が出てこないか、非常に懸念をしておりますが、本当にこのあたりは、さまざまなこれからの原子力施策において、滋賀県において不利にならないのかというのはどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。  あと、水源地域保全条例に関してでございますが、外資買収に関して大きなリスクと知事も認めていただきましたが、そういった中で、早急に対応をしていくためには、国のほうで水循環基本法案のほうを今議論されておりますが、そちらのほうを待ってても、時間がいつなるかわからないということを考えると、県として、やっぱり早急に水源地域保全条例を制定することによって、リスクのほうを回避していかないといけないのじゃないかと考えます。こちらも研究と言わずに、検討のほうを速やかにしていただくことはどのようにお考えか。  以上3点、お伺いしたいと思います。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  まず、1点目ですけど、原発に対するメッセージは知事でも出せたんじゃないのかということですが、先ほど申し上げましたように、知事としてですと、地理的にも、また対象としても限界がありますが、今回、全国的によりメッセージは浸透したと考えておりますが、これは社会のほうが判断することで、また自画自賛と言われますので、それ以上は申し上げないことにいたします。  2点目の、安全協定などで県政への影響がないのかということでございますが、ここについては、県政は粛々とやるべきことをやらせていただくということで、一方で、電力会社との関係などは丁寧に対応していきたいと考えております。  3点目の、水源地域保全条例の制定の必要性でございますが、御提案の条例制定も含め、県として何ができるか、研究をしたいと申し上げました。今、国のほうの水資源循環法、この法案の設立に私自身も深くかかわりましたし、まずはその法案を進めていただくということを、これも国に、また国会議員の皆様にもお願いをしたいと思います。 ◆15番(成田政隆君) (登壇)水源地域保全条例のほうですが、いろいろと水循環基本法案、これから進めていただくように国に言ったとしても、やっぱり間に合わないのじゃないかということでさまざまな道県において制定がされているんで、速やかにやっぱりやっていくことが重要ではないかと考えます。  そちらのほうを待っているんだったら、今、制定に向けて検討されている県もないんじゃないかな思いますが、やっぱり滋賀県としても、原発のリスクという部分よりも、やっぱり外国資本が山々を買っていくリスクのほうが非常に可能性的には高いし、急がなければならないんじゃないかと考えますが、再度、知事に制定に向けた決意をお伺いしたいと思います。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  そもそもこの問題、北海道から始まっておりまして、90年代末くらいから研究者が指摘をし始めておりまして、既に北海道、群馬県、埼玉県では制定済みでございます。今年度中に条例提出を予定しているのが、山形、茨木、福井、山梨、長野とございます。こういうところの状態などをお伺いしながら研究をして、前向きに進めていきたいと考えております。 ◆15番(成田政隆君) (登壇)それでは、次に、税収の増加に向けた取り組みに関してお伺いいたします。  これまでの質問でも、消費税に関して議論がありましたが、このたび、衆議院議員選挙において、嘉田党首の日本未来の党は脱増税を打ち出し、消費増税法は凍結しますと掲げました。  一方で、知事は8月7日の記者会見の質疑において、「日本の今の社会保障の将来を考えるときに、このまま、県でもそうですけれども、社会保障の年金なり医療なり介護が毎年毎年5%ずつ上がり、そして税収が担保できていないという状態を続けることは不可能だと思います。ますます次の世代に借金を残すことになりますから、1,000兆円を超える借金に対して、一方で少子高齢化のこの人口構造の中で、社会保障は担保しなきゃいけない。しかも、子育てのところも、今までの社会保障はどちらかというと若年世代に大変弱かったので、子育て世代に対しても予算を配分するというようなことを考えると、これは消費増税ということはやむを得ないのではないかと思っております」と述べられ、最後に、「ここまで議論が来て煮詰まってきて、3党合意で衆議院が通り、あと残すは参議院といっている段階で決められないというのは、地方自治体を預かる首長としては大変不安でございます。できるだけ早く、国としては責任を持って決めるべきものは決めていただきたい」と述べられております。  これまでの一般質問においても、知事と党首が混同しており、消費増税に関する考え方がよくわからないのですが、知事は、消費税の増税に対してどのように考えているのか。党首になって考えが変わったのか、お伺いいたします。  今回の消費税が、現状の5%、消費税4%、地方消費税1%から、平成26年4月1日以降は8%、消費税6.3%、地方消費税1.7%に、平成27年10月1日以降は10%、消費税7.8%、地方消費税2.2%まで、段階的に引き上げることになります。  消費税増税の議論の中で、地方消費税の増額が何とかなし遂げることができ、滋賀県にとっても社会保障費の地方負担分が増大する中で、地方消費税が非常に重要な歳入であると言えますが、社会保障、医療、福祉、子育てに使われるべき消費増税でありましたが、地方消費税の増額部分等に関して、脱消費税によりどのように確保しようとされていたのか、知事にお伺いいたします。  次に、歳入確保についてお伺いいたします。  今定例会の中沢議員の予算編成方針に関する代表質問に対して、予算編成要領において重点化特別枠を設定いたしまして、予算の重点化に図ることにより、県民の皆さんが滋賀に住んでよかったと言えるような「住み心地日本一の滋賀」を目指すとされ、県民の声を反映し、新年度予算編成において、子供の命を守る施策や東日本大震災後の社会に希望と安心を導く施策などについて重視することとしております。  それら県民の期待に応える県政運営を行っていくに当たっては、何よりも歳入の確保が必要でありますが、平成25年度の法人二税を初めとする税収の見通しについては、世界経済の減速や長引く円高などの社会情勢から見ると、不透明な要素はあるものの、引き続き厳しい状況になるものと見込んでおられます。  県税収入の確保については、企業誘致を初め、これまでも琵琶湖森林づくり県民税を初め、独自課税により取り組んでこられましたが、今後、具体的にどのように歳入確保を図ろうとされているのか、知事にお伺いいたします。  次に、県税の収入未済についてお伺いいたします。  決算特別委員会でも議論になりましたが、県税の収入未済額の縮減に向けて、平成17年度からの徴収体制の強化により、平成23年度の収入未済額は平成16年度に比べ約4億1,000万円減少し、一定評価するところでありますが、依然として収入未済額は53億8,300万円余りあり、公平性、公正性を確保するためにも、引き続きの取り組みが必要であります。  とりわけ、個人県民税については約6割を占めており、市町との連携を図りながら、さらなる取り組みが必要でありますが、収入未済に対する今後の対策について、総務部長にお伺いいたします。  明石市では、本年2月より市民相談を始め、訴訟事案対応やコンプライアンスの推進など、法務政策分野の充実、強化を図るために、弁護士資格を持った任期つき職員を5名採用されました。  分権改革、情報公開の進展により増大する法務対策を、自治体全体で、要望法務を含めて危機管理をせざるを得なくなってきており、さらに個別の条例制定も活発になってきており、政策法務の充実も喫緊と課題であることから、弁護士資格を持った職員の採用に期待されると言えます。  実際に、弁護士資格を持った職員の業務には、地方公共団体が有する債権の管理回収も行われております。弁護士名を債権回収の催促状に入れるだけでも効果があるとのことで、自治体によっては、年間6,000万から7,000万の回収を行った事例も出てきております。  債権の管理回収だけでなく、法務相談、コンプライアンス、条例・規則等の制定・改正等、弁護士資格の持つ職員の役割は大きなものであると考えますが、採用に向けた所見を知事にお伺いいたします。  最後に、納税をしやすい取り組みについてお伺いします。  県税に対しては、さきの代表質問の答弁においてもありましたが、自動車税をコンビニで納めることができるようになり、当初課税分の納期内納付率も3.7%の増加となりました。今後、さらに納税者の利便性と新規滞納の抑制を行っていくためにも、さらに取り組みを進化させていくことが重要であります。  そこで、コンビニで納税できる税目を個人事業税や不動産取得税にも拡大したり、ヤフー公金支払いの活用、クレジットカード納税を行ったりするなど、さらなる利便性の向上を行っていくべきだと考えますが、総務部長にお伺いいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) 税収の増加に向けた取り組みについての4点の御質問にお答えいたします。  まず1点目の、消費増税に対してどのような考えを持っているのかとの御質問でございます。  消費増税は景気に対してデフレ効果を持つことから、未来の党においては、当面の消費増税の凍結を主張し、まずは徹底した行財政改革により、歳出および歳入面の見直しを行うことを訴えさせていただきました。  知事としても、今まで消費増税に対しましては、まず国の高コスト体質の見直し、出先機関改革などの行革が必要であると申し上げ、同時に、歳入の必要性も議員御指摘のような発言もしております。  一方、定められた制度の中で行政運営を行っていく県という行政組織のトップとして、国に必要な財源の対応を求めてまいりましたが、歳入確保、歳出削減も含めて、国としての施策をより広く訴えられる国政の場では、まず国として、先に歳入歳出の見直しをなすべきと主張してきたところでございます。  次に、2点目の、財源の確保でございます。  2つの方法を考えておりました。1つは、徹底した無駄の削減であります。政治的リーダーシップを発揮して、まずは徹底した歳出の見直しを行い、歳出総額を抑えることで財源を捻出するといたしました。1990年代にカナダで実現をされた、首相をトップとした各省大臣が査定大臣となり、トップダウンで歳出見直しを行った例などが参考になります。今回の事業仕分けはボトムアップで、なかなか財源が確保できなかった。その一つの反省でもあると考えております。  もう一つが、内需の拡大であります。これまで十分に生かされてこなかった女性の活力を社会経済の中で生かしたりすることにより、例えば全国知事会の調査結果では、日本の女性がスウェーデン並みの有業率、仕事についた場合には940万人、25兆円の内需拡大になるという調査結果もございます。  さらに、子育て支援関連産業などを育成することなどにより、内発的に経済を活性化させるとともに、女性の就業率の向上は子供の出生率の向上と正の相関がありますので、社会保障の担い手を中長期的にふやすという政策も大切であると訴えてまいりました。  3点目の、今後の具体的な歳入の確保でございます。  まず、県としてですけれども、県税の収入については、企業誘致は県内経済への波及効果、また雇用創出効果も大変大きいものがあります。あわせて、環境、医療、健康といった今後の経済的成長が期待される分野とともに、景気や為替の影響を受けにくい食品、飲料といった内需型企業の誘致にも力を入れてまいりました。滋賀県の経済構造を多元化、多様化するための取り組みを行い、税収の安定化を図ってきております。  また、本県独自の取り組みといたしましては、法人県民税の超過課税や琵琶湖森林づくり県民税、産業廃棄物税を独自に課税をしております。  こうした独自課税に加えまして、平成21年度からは、法人二税について未課税法人に対する新たな補足調査による新規課税を行うとともに、軽油引取税については、ユーザーに対する正規軽油の購入の指導の強化に努めております。  さらに、地方消費税の清算基準が現在本県に不利に働いていることから、適正な基準に見直しがされるよう、国に対して本県から政策提案を行うとともに、全国知事会を通じても要望をしております。こうした取り組みを通じて、今後とも全力を挙げて歳入の確保を図ってまいりたいと考えております。  次に、5点目の弁護士資格を持つ職員の採用でございます。  明石市の事例を議員御紹介くださいました。近年、政策法務の体制を強化するため、幾つかの自治体では弁護士を職員として採用し、内部の即戦力として活用されていること、私も承知しております。  本県においては、職員の政策法務能力を向上させるため、研修実施あるいはOJTを通じた専門的な知識の習得に努めてきております。また、債権回収を初め訴訟や法的課題に対応するため、顧問弁護士に相談をし、アドバイスを得ております。  弁護士資格を有する者を正規職員として採用することにより、行政運営に資する面もありますが、人件費など費用対効果の面からの検討も含め、慎重に対応してまいりたいと考えております。 ◎総務部長(北川正雄君) (登壇)成田議員の2点の御質問にお答えいたします。  まず、4点目の、収入未済に対する今後の対策についてでございますが、まず、個人県民税につきましては、市町との連携が不可欠でございますことから、県職員と市町職員による共同徴収でありますとか、県職員の市町への短期派遣、あるいは県による直接徴収などに取り組んでいるところでございます。  今後も市町と協議しながら、こうした取り組みを積極的に進めますとともに、徴収率を上げるためには、さらなる連携方策についても検討をしてまいりたいと考えております。  また、個人県民税を除く県税につきましては、引き続き滞納整理の早期着手、あるいは差し押さえ、公売などの徹底した滞納処分に努めることといたしております。こうした取り組みを通じまして、収入未済額の一層の縮減を図ってまいりたいと考えております。  次に、6点目の、納税に係るさらなる利便性の向上についてでございます。  御指摘のコンビニでの納税につきましては、まず、納税義務者の多い自動車税につきまして、平成18年度からコンビニにおいて取り扱いを始めたところでございます。個人事業税や不動産取得税などの取り扱い税目の拡大につきましては、システム改修が必要となりますが、県民の皆さんの利便性の向上に向けまして、次期システムの更新に合わせて、導入を具体的に検討していきたいと考えております。  それから、ヤフー公金支払いの活用あるいはクレジットカードの納税等につきましては、一般的に申し上げまして、事業者に支払う手数料が、金融機関やコンビニでの納税と比べるとまだ少し割高ということもございますので、現時点で直ちに導入するということは難しいかなというふうに考えてございます。  納税者の利便性の向上が徴収率の向上にも寄与をするというふうに考えておりまして、大変重要な課題と認識をしております。費用対効果も勘案しながら、今後も検討をしてまいりたいと考えております。 ◆15番(成田政隆君) (登壇)地方消費税の部分に関してですが、こちらのほう、党としてのいろいろな部分はそれでいいかもしれませんが、実際、滋賀県にとって、社会保障費の地方負担分がふえていく中、現在、歳入の確保に対しても非常に苦労して頑張っていただいている状況でございます。そんな中で、やっぱり地方消費税の増額分というものに期待するものというのは非常に大きいところであり、そういった増額分のところがもし仮になくなった際に、滋賀県としてほんまにやっていけるのかどうかというのが、すごく不明確なところであります。  そういった部分も含めて、滋賀県において、もし仮に知事が党首として訴えられた脱消費税によってその部分がなかった際に、どういう影響があったのか、そのあたりはどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。  あと、弁護士資格の持つ職員のほうですが、実際に明石市も2人しか採用をされようとされてなかったところを、実際に職員採用の際に検討されて面接すると、すごく優秀な人材が多く揃っていたので、3名増員の5名という形で、質的な職員をふやしていこうということで取り組まれたところです。  そういった形で、いろいろな部分でプラスの効果に働くところはやっぱりもっと前向きに検討し、とりわけ、いろいろと弁護士の人数がふえていく中で、本当に結構意外に相談すると安くで採用できるケースも多々あると思いますので、しっかりとそのあたり考えていただく中で、採用のほうも前向きに検討してはどうかと考えますが、再度お伺いいたします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  先ほどの消費増税ですけれども、財源については、まず国のほう、高コスト体質の見直し、そして出先機関改革など、不徹底なところがございます。国の中の行財政改革をしっかり進めていただき、ここにおいて、社会保障関係の経費、特に高齢者、また若年者向けの経費を国において出していただきたいと。そのための提案もしてきたところでございますが、少数の人数ですので、そこはなかなか実現できないと考えております。  また、2点目の、弁護士資格を持つ職員の採用ですが、現在、職員の定数も減らしているところでありまして、既に今いる職員の政策法務能力を向上させるなど、専門的な知識の習得に努めることで、議員の御指摘のような役割を果たせる職員をふやしていくことが重要と考えております。 ◆15番(成田政隆君) (登壇)地方消費税分のところですが、国の話はいろいろとおいておきまして、結局、脱消費税で、その財源がなくても滋賀県はやっていけるということではないのでしょうか。そこを当てにせんでも滋賀県ではやっていけるから脱消費税という訴えができる。知事がしっかりと国政の中でメッセージを出すということは、そういう意味合いがあるから、脱消費税というものも日本未来の党で訴えをしたんではないでしょうか。  そういったことを考えると、滋賀県としても、しっかりと今後の社会消費税がふえていく中でも滋賀県の運営がやっていけるということが言えないにもかかわらず、やっぱり党首としては言えるというのは非常に疑問に感じるんですが、しっかりとそのあたりを、消費税、いろいろな中で、社会保障と税の一体改革の中でさんざん議論した結果こういった形になり、その中で地方消費税の部分が増額に対して、必死になって予算の確保に努めてきた。こんな状態の中で無責任に脱消費税という発言をするのは、やっぱりおかしいと思います。  滋賀県として、責任ある立場である知事として、しっかりとそのあたりが予算が回るんやということが証明できてこそ脱消費税という訴えができると考えますが、そのあたりどのようにお考えか、再度お伺いしたいと思います。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。  党首討論の中でも野田総理と議論させていただきましたが、社会保障と税の一体改革の中で大きく欠けているのが、先ほど申し上げましたように財源確保、そして国としての大幅な行財政改革がまだできていないということでございます。そこにおいて、多くの国民が、今のこの景気の悪いときに本当に消費税を上げて、国の歳入全体がふえるのかということへの懸念から1つ申し上げました。  それともう一つは、騎馬戦型から肩車型になると野田総理も言ってらっしゃいますけれども、もうそうなるのを大前提で議論しておりますが、騎馬戦型から肩車型にならないように、女性の有業率の向上、それは子供の出生とセットなんです。ここのところをしっかりと主張させていただいたということでございます。 ◆15番(成田政隆君) (登壇)そういったさまざまな施策が滋賀県で成功、実際に女性のさまざまな社会進出とか大きな形で成功して、今、女性の就労に向けて取り組みを行っておりますが、それが成功して、さまざまな形で滋賀県がモデルケースとしてやってきたんやということが明らかに明示できて、やっと言える話ではないかと考えますが、そういった中で、いろいろなことが滋賀県においても中途半端な状況において、やっぱり弱いと思うんですよ。  メッセージを出すにしても、知事としてやっていったことをもっと着実に積み重ねてようやく発信できることが、そこがまだまだできてないにもかかわらず発信していく部分で、もう少ししっかりと冷静になって考えていかないといけないと……(発言する者あり)はい、冷静になります。  いろいろな部分もあるんですが、今後、やっぱり党首としてやっていくにしても、その前提である知事としての施策、さまざまな取り組み自体が中途半端な状況では、滋賀県自体が前向きに進んでいかない中ではやっぱりおかしいと思いますので、滋賀県というものを前向きに、もっと施策として、より県民の安心、安全のため、そして地域が活性化するために取り組みを行っていただいて、そのことが全て成果が出てきて、それをモデルケースにやっていけるんやということがしっかりと訴えられる状況になってこそ、やっぱり党首として、さまざまな形で滋賀県でこんなことをやってきたんやということを発信できると考えますが、そういった部分、滋賀県を軸にすると言いながらできてない状況、それを党首としてできるというのはお考えでしょうか。再度お伺いします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
     今まで、流域治水のような形で、ダムに頼らない流域治水、これは全国に先駆けてかなりの成果を上げてきたと思っております。  あわせて、今やらないと間に合わないのが子産み、子育てです。ほんとにこれ以上少子化が進んでしまうと、どんどんひどくなってまいりますので、その辺のところは滋賀としては4つの雇用の橋をかける。その一つの大事なところに若者の雇用の安定化、若者未来サポートセンター、また、家庭にいる女性やマザーズジョブというようなところで政策をつくっておりますが、これが成果が出る5年10年待ってたら全く手遅れになってしまう、そういうことを私は国のほうで訴えさせていただいたわけでございます。時期を待ったらと。もう待てないくらい、この少子化は待ったなしだということは申し上げたいと思います。 ◆15番(成田政隆君) (登壇)待ってられないのならば、やっぱり前回の選挙で衆議院選挙に出るべきだったと考えます。(「そうや」)(拍手)だから、現状の中で、知事として続けるのか、やっぱり党首としてやるのかやらないのかというのははっきりとさせんと納得がいかないですし、県民の方も納得いかないと思います。やっぱりそこまで国政のことを考えているのだったら、国政に専念するのか、それか、滋賀県のことをもっと真剣に考えて、とことんまで滋賀県政にしっかりと前向きに取り組んでいくのか、そのどちらを考えておられるのか、お伺いします。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  滋賀県として地道に取り組んでいるその経験、モデルを国のほうに提案をするというのが、今回の回路をつくるというところでございます。  しかし、昨日来申し上げ、皆さんからの御意見をいただいておりますので、現在、熟慮中ということで終わらせていただきます。 ◆15番(成田政隆君) (登壇)終わります。(拍手) ○議長(佐野高典君) 以上で、15番成田政隆君の質問を終了いたします。  最後に、11番駒井千代さんの発言を許します。 ◆11番(駒井千代さん) (登壇、拍手)一般質問、最後となります。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、通告に従いまして、滋賀県産農畜産物の海外輸出についてお伺いします。  人口減少傾向に伴う食需要の減少を主な要因とした農産物・食品の国内市場の成熟、それと世界的な日本食ブームを受けまして、政府は、農林水産物・食品の輸出拡大を図るべく、輸出額を2020年度までに1兆円規模とする目標を掲げ、今日まで官民一体となって取り組んでこられました。  海外への輸出拡大を通じた海外市場の開拓は、日本の農業分野における需給ギャップの解消に貢献し、副次的効果として、生産者の所得向上、生産者のモチベーション向上、国内相場の安定、地域農業の競争力向上が挙げられております。海外輸出については、商習慣・食習慣の違いや手続など課題も見受けられますが、農業の持続的活性化の選択肢の一つとして、潜在的可能性を感じるところであります。  財務省が発表している貿易統計をもとに、2011年農林水産省が取りまとめたデータによりますと、日本産農林水産物・食品の輸出額は、1990年代にはおおむね3,000億円台で推移していたものの、2007年には初めて5,000億円の大台を突破いたしました。  2011年、昨年は東日本大震災の影響によって落ち込みがあったとはいえ、輸出総額4,511億円のうち、アジア向けが3,309億円となっております。この間、福島での原発事故により、各国の輸入規制によって、我が国の全国的な放射性物質検査装置の導入であったり、また国を挙げて各国への取り組みなどして、この間、規制解除の取り組みをされました。  またさらに、私もことし、宮城県海岸沿いの壊滅された水産加工場などを訪れさせていただきましたが、多くのそこでの雇用が失われたこと、そしてまた早期の再開に向けて、中国のすぐの支援をいただくなど再開にこぎ着けた。その結果によって、このような数字があらわれたと思っています。  東アジアを中心としたこのような新興国では、経済規模が人口比を上回って成長を続けること、いわゆるGDPの伸び、人口増加、こういった中、消費市場が拡大し、今後も海外での市場規模拡大が見込まれるところです。とりわけ、香港向け輸出金額は、2011年度、前年度マイナス8.1%の落ち込みがあるとはいえ、1,111億円、全体の24.6%、農産物だけでも501億円となっており、日本からの輸出先としては世界第1位となっております。  もっとも、香港統計局によりますと、香港の食品輸入先国別シェアで日本は5%強であり、安全、安心、健康、高品質というブランドイメージが定着する中で、まだまだ今後さらなるシェア拡大の可能性があるといえます。また、香港はグローバル企業の本社移転先としても有力視されていること、香港を通じて中国本土への市場拡大が見込まれ、非常に魅力的な市場と言えます。  このような状況下、滋賀県では今回、10月末から11月にかけて、香港にて滋賀県産農畜水産物である近江米、近江牛、近江の茶、湖魚のプロモーションを実施されました。今回、知事が表敬訪問されたオピニオンリーダーや、商談会などでバイヤー等の反応はどうであったのか。また、商談会や現地の状況を実際に見られた参加事業者の方の反応について、課題も含めて、農政水産部長に伺います。  もっとも、香港市場は魅力的とはいえ、総じて言えることは、まず第1に、日本から既に多くの都道府県が進出していること、第2に、日本産農畜水産物に競合する韓国産、台湾産のものが相当量流通していること、以上のことから、後発での参入障壁はかなり高いものと考えられます。加えて、滋賀県そのものの認知度が低いために、継続して滋賀県の知名度を上げる取り組みも必要であるということが言えます。  現在、香港では、佐賀牛が一般的に知られていますが、佐賀県は数年前より継続してプロモーション活動をされており、産地への招聘、海外食品見本市への出展や現地日本料理店でのフェアを開催したり、香港からの宿泊観光客などに県産の果物をプレゼントしたり、新商品のサンプルを持参して現地の日本料理店を訪問するなど、きめの細かいフォローをされていることも、今日の佐賀ブランドの地位を築き上げることにつながっていると思われます。  滋賀県産農畜水産物のブランド化を図るためには、今後も継続した取り組みを進めていくことが必要であり、このため、現地への足がかりをどのように求めていかれるのか、農政水産部長に伺います。  また、滋賀県そのもののアピールをしていくためには、観光部局などとのかかわりも戦略的に取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。  さきの佐賀県は、農林水産商工本部国際戦略グループを持ち、その海外拠点の一つである佐賀県香港代表事務所では、佐賀牛と県産品の販売促進・販路拡大支援と、香港や華南地域、広東省等からの観光客誘致支援など、一体的に取り組んでいらっしゃいます。  滋賀県でも、農政水産部だけにとどまらず、観光交流局などと部局横断で県産農畜水産物輸出に連携して取り組んでいくべきではないかと思われますが、知事の所見を伺います。 ○議長(佐野高典君) 11番駒井千代さんの質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)県産農畜水産物の海外輸出の促進についての御質問のうち、3点目の、部局横断で県産農畜水産物輸出に取り組んでいくべきではないかとの御質問にお答えいたします。  昨年度、シンガポールで近江牛の海外プロモーションを実施した際、表敬訪問させていただいた各所で本県の観光についても話題に上がり、農政水産部だけでなく、観光交流局など、部局横断で取り組む必要があると認識をいたしました。  といいますのは、シンガポールの食品、ほぼ100%輸入でございますので、子供たちなどは、農水産物が生産される現場、水田一つ見たことないということが背景にあります。  その経験から、今年度実施した香港での県産農畜水産物のプロモーションにおいては、農政水産部と観光交流局、びわこビジターズビューローなどが横つなぎで企画を立て、日本への旅行取り扱いが最王手の旅行会社を訪問いたしました。そこで本県の食材をPRするだけでなく、自然豊かな本県に教育旅行などでお越しいただき、滋賀県自慢の食材を味わっていただくグルメツアーの企画などもお願いをいたしました。  一方、昨年度のシンガポールでの取り組みがきっかけとなり、今年度、びわこビジターズビューローと農政水産部が連携をし、シンガポールのマスメディアや旅行会社を本県に招いて、牧場見学や近江牛を使った料理を食べていただくフードツーリズム事業を実施をいたしました。  このように、県産農畜水産物の輸出に当たっては、議員御指摘のとおり、今後とも関係部局がより一層連携を密にし、滋賀県が誇る、見て美しく──ルックスグッド、食べておいしい──イーツテイスティー、そして安全──セーフティーという、この3つの売りを持つ食材とともに、本県の琵琶湖の風景、特に東南アジアの方たちが喜ぶ琵琶湖周辺冬の雪景色なども含めて、それらが思い浮かべていただけるよう、風景、自然、食べ物、そして人々のおもてなし、一体的に滋賀県のブランド力向上に取り組んでまいりたいと考えております。 ◎農政水産部長(青木洋君) (登壇)滋賀県産農畜水産物の海外輸出についての2点の御質問にお答えいたします。  まず1点目の、香港のオピニオンリーダーやバイヤー等の反応、また事業参加者の反応についてであります。  香港では、在香港日本国総領事、香港特別行政区政府商務経済発展局常任秘書長、香港貿易発展局副総裁など、オピニオンリーダーの方々と面談をさせていただきました。  皆さんからは、日本の食品については大変興味があり、品質の高さにも信頼を置いているので、滋賀県からの輸出についても大歓迎であるとのお言葉をいただいたところでございます。  加えて、香港では健康や安全性への関心が非常に高く、環境こだわり農業を推進している滋賀県の農畜水産物を売り込むチャンスは大いにあるとの御意見もいただいたところでございます。  さらに、現地のバイヤーからは、近江牛の品質の高さ、安全、安心な近江米や近江の茶、香港にはない琵琶湖特産の湖魚など、美しく、おいしく、そして安全な本県の農畜水産物に、大変興味を示していただいたところでございます。  また、商談会に参加をされました事業者からは、輸出に取り組むきっかけが得られてよかった、あるいは新たな販路開拓の可能性を感じたなどの意見もいただきました。  一方で、香港の皆さんの食習慣や味の嗜好性など、香港市場の特性を十分に把握、研究する必要があること、また、香港の皆さんがころ合いと考える価格と現地での販売希望価格には少し乖離があることなど、課題についても言及される方もいらっしゃったところでございます。  次に、2点目の、滋賀県産農畜産物のブランド化を図るためには、継続した取り組みが必要であり、現地への足がかりをどのようにしていくのかとの御質問についてでございます。  今回のプロモーションでは、オピニオンリーダーや訪問させていただいた百貨店、バイヤーを初め、事業実施に当たり御協力をいただいた香港の滋賀県人会、金融機関の現地支店など、多くの皆様と貴重なつながりを得ることができました。  さらに、プロモーションに参加された事業者の皆さん同士での新たな交流も始まったところでございます。  今後、県産農畜水産物の輸出に関する相談窓口を設け、意欲ある事業者の取り組みをフォローさせていただくとともに、日本貿易振興機構、いわゆるジェトロですが、このジェトロや香港貿易発展局など、今回のプロモーションで新たなつながりを得られることとなりました機関等と、そのつながりを途絶えさせることのないよう連絡を密にし、現地の情報を収集するなどとともに、その情報を事業者などに提供するなど、支援に努めてまいりたいと考えております。 ◆11番(駒井千代さん) (登壇)ありがとうございます。  連携ということに関して、再度ちょっと知事に、確認の意味を込めて質問をさせていただきたいと思います。  今回は、香港に関しては、いわゆるトライアルということでしていただいたわけなんですけれども、例えば日本の輸出額がなかなか伸びないのは、農業政策の問題もありますが、この1回だけだと、やはり利益や成果に結びつくのは非常に難しく、これらで終わってしまうのが原因ではないかということも指摘されているところです。  先ほど部長からも、今回つながったネットワークを生かして、継続的にしていくというような御答弁もいただいたわけなんですけれども、例えば、これは国なんですけれども、韓国でありますと、例えばテレビドラマ、映画などを通して、生活様式や食事の風景を通して見ていただくことによって、韓国というものを香港の方に身近に感じていただく。こうしたことと農業政策が一体となって取り組んだことによって、2008年から2009年にかけて、香港への輸出額が約25%も増加したという効果があらわれております。  なので、例えば観光に関して、滋賀県に対して海外から来られる方は一番台湾の方が多いわけなんですが、これらは報奨旅行、教育旅行での方も多いわけです。個人客向けの発信というのをしていただいているわけなんですが、やはり香港からのお客さんは、先ほど、大手の旅行会社にも提案していただきましたが、むしろ個人旅行で来られる方も多く、リピート率が高いとも伺っております。こうした方々がどこで情報を得られるかといいますと、やはり現地に、香港に在留をされている日本人の方であるとか、こういった日本食レストランを初めとした日本人の飲食業関係者のところで情報交換がなされるというふうにお伺いしております。  私も、中小の旅行会社の方やこういった日本人の方にお話を伺ったりもしてきたんですけれども、全くこういった日本人の方に対しても滋賀というものが知られていない。そういう意味でいえば、こういった方たちに対しても、継続的にやっぱり滋賀というものを知っていただくということが必要だと思うんですね。  そうしますと、もちろんグルメツアー、フードツーリズム、これらも続けていくことが大事なんですが、もっともっと部局連携して、3年から5年、戦略的に中期的計画を持って連携して取り組んでいくということが必要なんだと思いますが、もう一度、知事の連携についての所見をお伺いさせていただきます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。  韓国がテレビドラマとあわせて、ライフスタイル、食、セットで売り出しているという、これは大変有効な方法だろうと思います。中国でもなぜ北海道に多くの方が来られるのか。やっぱり北海道の恋愛ドラマが大きなきっかけになったということも聞いております。昨年、滋賀県では台湾に向けてテレビドラマをつくり、広報もして、ツアー客のつなぎをやってまいりました。  議員の御指摘のようなアイデアを含めて、ともかく滋賀は知られてない。これは国内でももちろんですけれども、国際的にも、愕然とするくらい知られてない。大阪、京都から次は名古屋に行ってしまうので、ここをどうやったら存在感を出していくかということも含めて、関西広域連合の中でも一緒に、大阪、京都、滋賀というところでやっておりますけれども、もっともっと琵琶湖を中心にして滋賀県の存在感、国内的、国際的にも発信をしながら、総合的に、食、観光、そしていわば文化というようなところを総合的にやる必要があると思っております。観光交流局中心に、そこはさまざま工夫をしていただきたいと思っております。 ◆11番(駒井千代さん) (登壇)ありがとうございます。なかなか連携という、この中期計画の中で出していくというのは非常に難しいかと思うんですけれども、やはり2年後の姿、5年後の姿というのを考えながら、連携という取り組みをしていただきたいと思います。  今回、若い農業者の方もプロモーションに参加されたとお聞きしました。これら滋賀県農業の担い手が意欲と誇りを持って農業に取り組まれることは、私自身、大変心強く思います。県としても、ただいま香港への可能性調査していただいているところではございますけれども、これら今後の農業のあり方の一つ有力なものとして、この輸出化、今後取り組まれるには試行錯誤、いろんなことあると思いますけれども、これら農業が持続的な活性化に向けて向かっていくように、引き続きこれらのことをしっかりとして取り組んでいただきたいとお願い申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(佐野高典君) 以上で、11番駒井千代さんの質問を終了いたします。  以上で、発言通告のありました発言は終わりました。  この際、関連質問はありませんか。    (「なし」)  関連質問なしと認めます。  以上で、質疑ならびに質問を終わります。    ──────────────── △議第160号から議第202号まで(平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)ほか42件)ならびに請願(各常任委員会付託) ○議長(佐野高典君) 議第160号から議第202号までの各議案ならびに請願は、お手元に配付いたしておきました文書のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。            ──────────────────────────────                  平成24年11月滋賀県議会定例会議案付託表                                        平成24年12月20日(木) 〇総務・企業常任委員会  議第160号 平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳入の部 全  部    歳出の部 款2 総合政策費         款3 総務費   第3条 地方債の補正  議第170号 滋賀県使用料および手数料条例の一部を改正する条例案  議第171号 滋賀県証人等の費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例案  議第177号 滋賀県母子家庭等日常生活支援事業に係る負担金および延滞違約金の請求訴訟の提起につき議決を求めることについて  議第178号 滋賀県母子および寡婦福祉資金貸付金に係る償還金および違約金の請求訴訟の提起につき議決を求めることについて  議第179号 滋賀県立高等学校に係る授業料、督促手数料および延滞金の請求訴訟の提起につき議決を求めることについて  議第180号 滋賀県奨学資金貸与金に係る返還金および延滞利息の請求訴訟の提起につき議決を求めることについて  議第187号 平成25年度において発売する当せん金付証票の発売総額につき議決を求めることについて  議第190号 専決処分につき承認を求めることについて(平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第4号))  議第191号 平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第6号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳入の部 全  部    歳出の部 款1 議会費         款2 総合政策費のうち          項1 秘書広報費          項2 防災費         款3 総務費  議第193号 平成24年度滋賀県公営競技事業特別会計補正予算(第1号)  議第195号 平成24年度滋賀県工業用水道事業会計補正予算(第1号)  議第196号 平成24年度滋賀県水道用水供給事業会計補正予算(第1号)  議第197号 滋賀県職員退職手当条例等の一部を改正する条例案  議第198号 平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第7号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳入の部 全  部   第3条 地方債の補正 〇政策・土木交通常任委員会
     議第160号 平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款8 土木交通費   第2条 債務負担行為の補正のうち    追加 117 補助道路整備事業(大津能登川長浜線)       118 補助道路整備事業(小浜朽木高島線)       119 補助道路整備事業(小室大路線)  議第168号 滋賀県道路法に基づく県道の構造に関する技術的基準を定める条例案  議第169号 滋賀県道路法に基づく県道に設ける道路標識の寸法を定める条例案  議第173号 滋賀県高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づく移動等円滑化のために必要な信号機等に関する基準を定める条例の一部を改正する条例案  議第174号 滋賀県営住宅の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案  議第175号 滋賀県都市公園条例の一部を改正する条例案  議第183号 青蓮寺ダムに関する施設管理規程の変更について協議に応じることにつき議決を求めることについて  議第184号 比奈知ダムに関する施設管理規程の変更について協議に応じることにつき議決を求めることについて  議第185号 正蓮寺川利水施設に関する施設管理規程の変更について協議に応じることにつき議決を求めることについて  議第186号 淀川大堰施設管理規程の変更について協議に応じることにつき議決を求めることについて  議第188号 滋賀県住宅供給公社の解散につき議決を求めることについて  議第189号 専決処分につき承認を求めることについて(控訴の提起について)  議第191号 平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第6号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款2 総合政策費のうち          項3 総合政策企画費         款8 土木交通費         款11 災害復旧費のうち          項3 土木交通施設災害復旧費  議第198号 平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第7号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款8 土木交通費   第2条 債務負担行為の補正 〇環境・農水常任委員会  議第160号 平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款4 琵琶湖環境費         款7 農政水産業費   第2条 債務負担行為の補正のうち    追加 116 滋賀県醒井養鱒場管理運営委託  議第161号 平成24年度滋賀県流域下水道事業特別会計補正予算(第2号)  議第182号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県醒井養鱒場)  議第191号 平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第6号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款4 琵琶湖環境費         款7 農政水産業費         款11 災害復旧費のうち          項2 農政水産施設災害復旧費  議第192号 平成24年度滋賀県流域下水道事業特別会計補正予算(第3号)  議第198号 平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第7号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款4 琵琶湖環境費         款7 農政水産業費 〇厚生・産業常任委員会  議第160号 平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款5 健康福祉費         款6 商工観光労働費   第2条 債務負担行為の補正のうち    追加 115 滋賀県立長寿社会福祉センター(福祉用具に関する業務に限る。)管理運営委託  議第162号 平成24年度滋賀県病院事業会計補正予算(第2号)  議第163号 滋賀県社会福祉法に基づく婦人保護施設の設備の規模および構造ならびに運営に関する基準を定める条例案  議第164号 滋賀県児童福祉法に基づく児童福祉施設の設備および運営に関する基準を定める条例案  議第165号 滋賀県医療法施行条例案  議第166号 滋賀県中小企業の活性化の推進に関する条例案  議第167号 滋賀県職業能力開発促進法に基づく職業訓練の基準等を定める条例案  議第172号 滋賀県立軽費老人ホームの設置および管理に関する条例を廃止する条例案  議第181号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立長寿社会福祉センター(福祉用具に関する業務に限る。))  議第191号 平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第6号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款5 健康福祉費         款6 商工観光労働費  議第194号 平成24年度滋賀県病院事業会計補正予算(第3号)  議第198号 平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第7号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款5 健康福祉費         款6 商工観光労働費  議第199号 滋賀県子育て支援対策臨時特例基金条例の一部を改正する条例案  議第200号 滋賀県緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例案  議第201号 滋賀県介護基盤緊急整備等臨時特例基金条例の一部を改正する条例案  議第202号 滋賀県介護職員処遇改善等臨時特例基金条例の一部を改正する条例案 〇文教・警察常任委員会  議第160号 平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款10 教育費  議第176号 滋賀県暴力団排除条例の一部を改正する条例案  議第191号 平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第6号)   第1条 歳入歳出予算の補正のうち    歳出の部 款9 警察費         款10 教育費            ──────────────────────────────                    請  願  文  書  表 △請願第8号 活断層の疑いが極めて高い敷地内に設置されている大飯原子力発電所3号機および4号機の運転停止を求める意見書の提出を求めることについて 請 願 番 号 第8号 受 理 年 月 日 平成24年12月17日 件     名 活断層の疑いが極めて高い敷地内に設置されている大飯原子力発電所3号機および4号機の運転停止を求める意見書の提出を求めることについて 請願者住所氏名 (略) 紹 介 議 員 冨波義明 蔦田恵子 梅村正 付 託 委 員 会 総務・企業常任委員会 審 査 結 果 請 願 要 旨  野田内閣総理大臣は、平成24年6月16日に原子力発電所に関する四大臣会合を行い、関西電力大飯発電所3号機および4号機を再稼働することを政府の最終的な判断として決定し、これを受けて、7月1日に3号機が、同18日には4号機が運転を再開した。しかし、この判断は、東京電力福島第一原子力発電所における事故発生後、いまだに事故の実態や原因が究明されておらず、抜本的な安全対策も講じられていない中でなされたものであり、原子力発電所の安全性について、国民的理解が得られた上での判断とは到底言えない。  しかも、大飯原子力発電所の敷地内に、活断層の疑いが極めて高い断層である破砕帯が存在するという新たな問題が指摘され、11月2日に原子力規制委員会が調査を行った。その検討会では、規制委員会としての結論は出ていないものの島崎邦彦委員長代理は、「活断層によるものと考えても矛盾はないが、地滑りの可能性が否定されているわけでもない」とまとめられ、追加調査が予定されている。現行の「安全審査の手引き」では、「断層運動が原因であることが否定できない場合は活断層を適切に想定すること」とあり、活断層である疑いが極めて濃いものとなっている。このことは、再稼働した大飯原子力発電所3号機と4号機の安全性が確保されていないことを示すものであり、このように、安全を最優先にするという福島第一原子力発電所事故の教訓が生かされていないことが、国民を一層の不安に陥れている。
     よって、政府に対して、国民の生命、財産を守る立場から可及的速やかに福島第一原子力発電所事故の実態および原因を究明し、抜本的な安全対策が講じられるまでは、大飯原発3号機と4号機を停止するよう強く求める旨の意見書を提出されるよう請願する。            ────────────────────────────── △休会の議決 ○議長(佐野高典君) お諮りいたします。  明21日から25日までは、委員会審査等のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。    ──────────────── ○議長(佐野高典君) 来る12月26日は、定刻より本会議を開き、付託案件に対する各委員長の報告を求めます。  本日はこれをもって散会いたします。   午後5時40分 散会    ────────────────...